大運動会！　感想記の始まり

MISSION-1 CHRONICLE BEGINNING 「年代記の始まり」

　実は私、大運動会のＯＶＡ版を今まで見る事がありませんでした。そのためＴＶや小説より後にＯＶＡ版を見るという、ちょっと順序が逆になってしまった感があります。
　近場のレンタルショップで大運動会のビデオが無かったので、今までＯＶＡ版の鑑賞を行うことができませんでした。しかし職場の近くにあるレンタルショップにあったので、わざわざそこで入会して借りてみました。そこで遅ればせながらもＯＶＡ版の感想をあげていこうと思います。２巻以降も機会があったら、ぼちぼちと感想をあげたいと思います。


　さて、１巻の印象はともかく、大運動会の世界と背景を描いているという印象が強いですね。まだ話が本筋に入っていないと言うか、大運動会独特の世界観の説明に話が費やされているといえます。
　冒頭に大運動会世界の歴史の解説がありました。下に簡潔にまとめておきましたけど、なかなかハードな設定があるみたいですね。ここで宇宙人との肉体の勝負で出て来た地球側の代表選手って、もしかして若き日のグラン・オールドマンでしょうか。
　歴代の宇宙撫子のインタビューで、御堂巴が出て来ました。この巴のインタビューにある、ラスト１０ｍの神の領域。これがおそらくＯＶＡ版のテーマになるのでしょう。

　大学衛星へ、サターン型の三段式ロケットに乗って向かうあかりたち。なんでこの時代に三段式なんだという気もしないでもありませんが、要するに懐古趣味みたいなものなのでしょうか。それよりも切り離した一段目と二段目の噴射ノズルが、宇宙のゴミにならないかが心配ですな。
　ここで南極訓練校の３人が登場します。あかりが寝坊して遅刻まぎわに登場するのはお約束、ターニャも相変わらず何も考えていませんが、さすがにジェシーは違和感が。順番が逆になったからといえばそれまでですが、ＴＶ版のあかりが嫌いなライバルという役柄と違って、人のいいお姉さんみたいな感じですね。
　各地の代表のロケットが大学衛星に集まって、収納されてゆきます。このシーンはなかなか演出に凝っていて印象深い。いかにもこれから物語が始まるという感じがして良いです。

　入学管理局の検査で、あかりちゃんとアンナちゃんが出会いましたね。体格と発生の検査みたいですが。アンナちゃんの内気な性格はこのときからか。
　学生証代わりのバッヂですが、あかりだけ色が違う。訓練校１位は中央の丸が赤地で、２位３位は薄い緑色だそうです。でもジェシーは、入学したらまたスタートラインに並んだようなものだからといいます。それに真っ向から応じるあかりちゃんも、アスリーテスですな。
　入学式では上級生が迎えてくれる。どうやら制服の基本色は年度によって違うようですね。新入生は赤色、２年生は鈍い緑色、３年生は青紫色みたいに。
　校長の言葉はけれん味にあふれてましたが、小説版のような無茶苦茶なものではありませんでしたね。ちょっと残念。さすがにＯＶＡであそこまでやるのは無茶だったか。
　新入生の挨拶は、ランダムに選ばれてあかりだそうで。しかしそれで、母親が御堂巴であることまで発表するなんて、実は校長あたりに仕組まれていたんじゃないか？(邪推)　挨拶で緊張のあまり、宇宙撫子を目指すと宣言するあかりでした。

　大学衛星のグラウンドを見学するあかりは、誰もいないグラウンドで短距離疾走をするラーリを目撃します。ラーリの速さに目を丸くするあかり。
　ラーリがいなくなった後、やってきた先輩たちとあかりは親しくなります。先輩と短距離（１００ｍ？）の競争をします。あかりは自己新記録を達成しますが、それでも負けてしまう。しかも先輩の方は、片方５ｋｇのアームリフトをつけて、１．５Ｇの荷重をかけているというハンデをつけながら！　それに衝撃を受けたあかりは、他の先輩が自主トレやっているところも見て、荷重コースでやらせてくださいと頼み込む。
　ジェシーとターニャは入寮受け付けをすませます。ターニャは上級生用の補給要因とか。ＯＶＡ版では上級生も３人１組でチームを組むということですか。
　アンナちゃんは自分の部屋の位置を訪ねますが、案内がややこしくて覚えきれない。うーん、あんなこと一気に言われたら確かに頭がオーバーフロー起こすぞ。

　あかりは荷重コースでの訓練に夢中になり、入寮手続きの受け付けに遅れてしまう。仕方なく新入生ロビーの方向に向かうが、そこではアンナちゃんが、ミランダに殴られているシーンに出くわす！　道に迷ったアンナちゃんは、ミランダに道を尋ねたのだ。
　うーん、まるで抜き身の刀のようなミランダ様。アンナちゃんをなぐったのも、訓練の邪魔をしたからだそうで。あんな渡り廊下で、どんな訓練をしていたのだろうか？
　あかりとアンナの二人を重力制御の混乱している近道に招きいれて、そこでリンチを行うミランダ。その目が気に入らないだけの理由であかりの髪の束を踏みつける、恐いお姉様ですな。
　そこにクリスが登場する。クリスはあかりとアンナのクラスメートだと名乗り、二人を返してくれという。混乱した重力を上手く姿勢制御してあかり達のもとにやってくるクリスを見て、ミランダはクリスの方に狙いを定めて攻撃をしかける。クリスの方が優秀だから今の家に叩きつぶすと言う事か？　ミランダの攻撃に防戦するクリスだが戦いの場が新入生ロビーの方に移ると、そこに校長が割り込んでくる。校長の説得でミランダは引き下がるが、しかし女子寮は男子禁制だった。しょっちゅう覗きをおこなっていたというのか、この校長は（←お約束）。

　ルームメイトとなったあかり、アンナ、クリスの３名ですが、Ｂ−１０７号室で手当てを受けます。アンナちゃんの怪我も少なくてすんで、とりあえずよかったですね。しかしクリスがチームメイトとして、もっとお互いのことを理解する必要があると言って、結束を高めるためにやっておきたいことがあると、素っ裸になる……。


　さて、第１巻は４５分をかけたプロローグという感じがしました。そのためそれほどストーリーは盛り上がっていませんが、今後の展開のための伏線が随所に散りばめられているようでした。
　感じとしては、キャラクターデザインがＴＶと比べて可愛らしくなっているという感じでした。牧野竜一さん独特のキャラクターデザインが良くこのＯＶＡ版の雰囲気にマッチしているなという感じです。

ＯＶＡ版大運動会世界の歴史

・ＡＤ．２０１５　二大国間の局地戦争から世界大戦に
　　　　　　　　　ポールシフトによる世界壊滅
　　　　　　　　　世界統一政府の樹立、文明復興の開始
・ＡＤ．３０４５　人類の外宇宙への進出、異星人との宇宙戦争
　　　　　　　　　数百年後、兵器の機械化により両軍の人的被害は０になる
　　　　　　　　　両陣営の代表一名の肉体勝負による決着、地球側の勝利
　　　　　　　　　肉体回帰運動のはじまり
・ＡＤ．３９９６　太陽系の各惑星に大学衛星を設立
　　　　　　　　　大運動会の開催


あかり対先輩の短距離走

・ＡＫＡＲＩ　　１．０Ｇ　　０９．６５５３
・ＥＬＥＮＡ　　１．５Ｇ　　０９．５１８２

初出：98/11/10 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/athletes_ova.htm

MISSION-2 Oath Entrant 「誓いの新入生」

　大運動会ＯＶＡ第２話の感想です。
　シリアスシーンにしろギャグシーンにしろ娯楽性の強かったＴＶ版に比べると、ＯＶＡ版大運動会はどちらかというと（現代風）スポ根としての積み重ねを重視していますね。チーム内での齟齬とチームワークの回復、そしてラーリやミランダとの因縁など丁寧に作られているように思います。


　さて、感想いきます。


　くーたらはんでゅーかんぶるー……
　冒頭はクリスのおかしなくねくね踊り、じゃなくて精霊との友愛の踊りからはじまりました。クリスは月面にある人口一万のビギナーズの出身で、そこは自然回帰をモットーに機械文明の使用を最低限にまで押さえているコミュニティーでした。そんな団体なら月面じゃなくて地球に作れよという気もしないでもないのですが、とにかくそこの出身であるクリスには、精霊信仰や非暴力主義など独特の風習があるようですね。肌踊り(笑)もその一環だとか。とにかく裸でうろつくクリスに、あかりもアンナちゃんも振り回されっぱなしです。

　本年度第１のカリキュラムはバトルラクロス。無重力下で行なうラクロスだということです。さまざまな身体能力を駆使するバトルラクロスで生徒のデータを収集し、以降のカリキュラムの参考とすると、ジョアン・ウー教官が述べていました。ううーん、尺の問題があるとはいえ、ジョアンの罵詈雑言が聞けないのは残念ですな。
　試合は５日間で、対戦相手は全学年からランダムに決められるそうですが、最初の対戦相手はいきなりミランダ様のいるチーム。おおう、ＯＶＡ版ではミランダもきちんとチームを組んでいたのですか。うまくやっていけるのかしらんと思ったら、チームメイトもミランダほどじゃないけどなかなか底意地の悪そうな顔つきをしていました。(^_^;)　まあ、似た者同士うまが合うところもあるのでしょう。
　なぜかあかりチーム、クリスが実質的にリーダーとなって仕切っています。あかりちゃんは人を引っ張っていく人柄じゃないし、アンナちゃんも内気ですから、妥当なところでしょうが。アンナちゃんをキーパーにして、クリスとあかりが攻撃を引き受けます。しかしミランダのチームメイトにボールを奪われたりしてあかり、いいところなしです。
　一方クリスはミランダを引き受けます。クリスの攻撃を余裕でかわしていたミランダ様ですが、スティックを当てられてボールを落としたミランダ様の顔が一瞬ギャグ顔に。まさかミランダ様の崩れたお顔が拝察できるとは思わなかったい。
　しかしクリスのブロックにスティックの柄で妨害をかけるミランダ様に、クリスはやられてしまいます。しかもジョアンはストップはかけていないときたもんだ。ミランダのシュートはアンナちゃんには荷が重く、点を取られてしまいます。
　さらにミランダ様の稲妻シュート。オーラの稲妻がスパークし、ちゃんとＶの字がワンカット挟まっていました。上下左右の壁面をバウンドして、あかりの方を襲う！　スティックであかりはガードするが、そのリバウンドでシュート！　最初からこれを狙っていたのですか、ミランダ様は。
　クリスはショートパスを繋いで点を狙おうと提案しますが、あかりとのチームワークがうまくいかず更に点を取られる。
　結局試合は２０−０であかりチームの敗北です。

　で、本日の結果発表は１位がラーリで２位がミランダ。クリスは２２位につけて、アンナが４２位。なぜかあかりは８８位でした。なんであかりがアンナちゃんより下なのかは謎なのですが、ミランダ相手じゃ普段の実力も発揮しきれないだろうし、何もしなかったアンナちゃんよりもチームワークの取れない、というより足を引っ張ったあかりの方がマイナス点が多かったのでしょう。
　本人もそれを自覚しているみたいで、自分が足を引っ張ったことでアンナちゃんに辛く当たってしまいます。クリスが間に入って謝れと言いますが、あかりは逃げ出してしまいます。
　あかりが逃げた所はバーチャルルーム。そこであかりは、自分と御堂巴の１００ｍ短距離走を映し出します。母に未だ追いつけない自分の姿を見て……。このバーチャルルームは、自分のフォームをチェックしてイメージトレーニングするための部屋でしょう。少なくともあかりのように、現実逃避するためのものじゃないかと。
　部屋に戻ってふて寝していたあかりは、深夜午前０時、一念発揮してラクロスの自主トレに励みます。せめてキャッチくらい確実にこなさないとということでですが、しかしそこにミランダの妨害が入る。ミランダ様はマシンの設定を球威最大、コースは選手追尾命中にする。スティックで受けきれないほどの威力のボールを避けきれず気を失いかけたあかりを、駆けつけたクリスが庇い、アンナが設定を解除する事でそれ以上の難を逃れます。
　保健室に運ばれたあかりは、クリスと仲直りします。足を引っ張った事を気にするあかりに対し、クリスは自分の、御堂巴に対する思い入れを語る。ゴールの向こうにある光を。その光を見たくて大学衛星に来たというクリスは、その娘であるあかりに出会えた事を神の導きと言う。そうでなくても大切な友人だと。もう一度頑張ってみないかと語りかけるクリスに対し、あかりも素直にうなずきます。
　アンナちゃんとも仲直りをというあかりに対し、アンナちゃんは自作のクッキーを持って来て食べて食べてと差し出します。おいしいクッキーにあかりは素直に喜びますが、クリスの方は感動のあまり声も出ず、涙まで光らせる始末。ううーん、ＯＶＡ版のクリスは感動屋さんですねえ。
　この（あかりを中心とした）チームの不和から仲直りまでのエピソードは、軽く爽やかにつくられています。それでいて丁寧なつくりになっていますね。ＯＶＡ版もヒーローものとしての要素はあるのですが、美少女スポ根らしくていいです。

　いきなりシーンは飛んで最終日。今回の相手はターニャ・ラーリのいるチームでした。ターニャは上級生の補欠要員として配属された（第１話）のですが、去年も一昨年も宇宙撫子だったラーリのいるチームだったとは。予備知識としてある程度知っていましたけど驚きです。ターニャは首席のラーリがいるチームに配属されて、足を引っ張って無いかどうか心配ですが、様子を見るかぎりターニャは気にしていないみたいですな。きっと前のチームメイトは、ラーリとチームな事に気を病んでリタイアしていったに違いない。
　しかし５日の試合でミランダ、ラーリのいるチームに当たるとは、あかりたちも運が悪いというか何というか。本当にランダムに選出されているのか！？　ラーリもあかりのことを、御堂巴の娘かと意識していました。
　今までとは違う相手に、しかしあかりもそれほど緊張はしていませんでした。だがやはり相手は強く、あかりはラーリ側のキーパーの上級生にシュートを阻まれ、ラーリのスーパーシュートにアンナはスティックでブロックするも弾かれたボールはそのままゴールに突き刺さります。
　しかしながら昨日話したという作戦であかり達も反撃に出る。ラーリのブロックに前面に出たクリスを、あかりが体当たりしてさらに下に押し出す！　あかり自身はその反作用で上方に飛び、虚を衝かれたラーリの隙をついてクリスからあかりにパス、そのままゴールにシュートします！
　結局試合そのものは２０−８であかり達の負けなのですが、ラーリチームから８点取れるほどにチームワークと実力をつけてきたというのはすごいのかもしれませんね。あかりも喜んでいましたし。

　喜び勇んで部屋に戻ったあかりが見たのは、少女漫画に涙を文字どおり流しているクリスの姿だった。(^_^;)　少女漫画を見たことないというクリスにアンナが貸してあげたもの（タイトルは「愛ゆえに」）ですが、感動のあまりクリスは魂まで揺さぶられたようです。ああ、これは声優の川上とも子さんの演技の力もあって、本当に感動した様子が伝わってきます。いいなあ、クリスのこういうところ。


　さて、今回のアニメはチームワークの成立を描きましたね。チームメイトに優秀だがどこかおかしい、というよりずれているクリスと控え目だが内気なアンナちゃんと一緒に、あかりたちが自然にチームを成立させている過程が生き生きと描かれていました。
　同じシチュエーションはＴＶ版にもあるのですが、どちらかというと劇薬だったＴＶ版とは違ってＯＶＡ版は丁寧で良かったと思います。


　今回は、脚本：倉田英之、絵コンテ＆演出：八谷賢一、作画監督：久保まさひこ、動画チェック：秋吉育子でした。

初出：98/11/24 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/athletes_ova.htm

MISSION-3 Screaming advance 「驚きの進歩」

　大運動会ＯＶＡ３巻の感想を述べます。
　今回はアンナちゃんファンにとっては大変衝撃的(笑)なものだと聞いていましたが、やっぱり見ていて笑えました。本当にこりゃ笑撃的だ。
　あと、ＯＶＡ版のミランダ様は陰湿を通り越してシャレになっていませんな。気に入らないという理由だけで命を落としかねないほどの妨害を起こすものでしょうか。ＴＶ版とは違った意味で恐いお方です。


　さて、あらすじ感想行きます。


　冒頭はあかりの夢から。あかりのあの長い髪は、お母さん（神崎巴）の長い髪に憧れてのものだったんですね。なるほど、お母さんみたいになりたかったということだったんですか。
　あかりの実家は、日本風の屋敷でした。うーん、羨ましいほど広いぞ。
　さて、夢から覚めても二度寝するあかりは、アンナちゃんの電話で目を覚ます。今日は中間試験日だから早起きしないといけないのだ。うーん、アンナちゃんて世話焼きさんなんだから。
　でも未来のテレビ電話ならぬホログラム電話って、デフォルメ機能付きなのかな。デフォルメアンナちゃんが可愛いですな。

　今年の中間考査は、アームズ内で行なうオリエンテーリング。アームズの一方の端から入っていって、途中５ヶ所のチェックポイントを通り、中枢部のブリッジまで２時間で４０Ｋｍの距離を踏破するなかなかハードなもの。このアームズナイトは千年以上前に建てられたもので、正式名称はアクセス・ローティション・ムービング・システム（Access Rotation Moving System）。地球からの物資を端に付けると回転して宇宙に運ぶために作られたものだが、重力制御が一般化された現在では解体作業が続けられているということだ。
　あかり達は第１チームとして最初にアームズに入るが、サポートの生徒の中にミランダの姿が。ミランダ様がこのまま何もしないとは思えないと思ったら、案の定試験の途中で人目を盗んでエマージェンシーオンリーのカードを手に入れ、中枢コンピュータを操作して、勝手にコースを変更してしまう。ミランダとしてはコース妨害のつもりだけだったのかもしれないけど、これが後で大変な事に。

　第１チェックポイントを予想タイムよりかなり早くクリアしたあかりたちですが、クリスはやけに急いでいる。クリス曰く、精霊の姿が見えないそうだ。精霊は危険に敏感で、すなわちここアームズが危ないということかもしれないらしい。
　ミランダのコース変更によって正規のルートが通れなくなるあかりたち。スタッフとのアクセスも出来なくなり、不審を感じながらも別ルートを探す。
　一方ジョアンたちスタッフも、第２チェックポイントへのアクセスが遅くチームとのアクセスができない事から不審を感じ、チェックを始める。しかしシステムにアクセスできず、非常用のシステムを起動させようとするが、別プログラムが走っていて立ち上がらない！
　このシーンでのミランダの表情は、予想外のものを見たという感じでした。ここまでするつもりはなかったということなのでしょうが、でも何のフォローもする様子が以降のシーンに見られないことから、この程度では改心しないということなのかな。

　あかりたちも第２チェックポイントに到着するが何も反応せず、本格的に異常を感じ始める。後退のためのルートの隔壁が閉じてしまい、前進するしかなくなるので、クリスの提案のもと最短ルートで中枢部を目指す。
　選択した最短ルートはバランサーシャフト。大きなウェイトが移動してバランスを取っているところだが、現在は重力制御システムがあるためウェイトは移動していないという。ところが動いていないはずの重りが迫って来る！　間一髪狭い窪みに身を隠してやり過ごした３人ですが、これ以上バランサーシャフトは使えない。

　暴走したシステムを止められず、試験中止の結論を出す校長。スタッフに脱出の準備を命じるが、その時アームズが大気圏に降下を始める！　ジョアンは重力制御システムで、落下速度をできるだけ落とそうとする。
　その一方であかり達は、崩れていく橋を渡る所だから速度を落とすな！　状態だった。(^_^;)　間一髪落ちそうになったアンナちゃんを手を差し延べて救うあかりとクリスだが、太ったかと言うクリスにおかしの食べ過ぎだよというあかりってなんか失礼だぞ。女性に対して。(-_-;)

　シャトルで救出に向かう校長は、スタッフにドックへ待避を命じる。この時ミランダは「フッ」っと顔を歪ませたが、これって自分が導いたことでしょうが。ミランダにとっては運が無かったわね程度の認識しかないのでしょうなあ。
　中枢部のブリッジへの隔壁がすべて閉じ、コースがふさがれてしまう中、クリスは外壁を伝って移動する事を提案する。躊躇するアンナちゃんだが、アンナでなくてもあの外壁移動は恐いぞ。
　校長達もシャトルを外壁に着地させようとするが、着地に失敗したのか大爆発が起きる。そこでブリッジに到着したクリスと連絡をとり、ドッグにあるポッドを使う様に指示する。
　しかし射出ポッドは、ドアが壊れてしまっていた！　ミランダがコース変更した際に資材が落ちて、脱出ポッドのドアの上に落ちてしまったのだ！
　そこであかりが、緊急用のアームズ側の射出操作を動かそうとする。クリスとアンナに射出ポッドの前面に座らせ、自分は動かした後、ダッシュで駆けつけるという！　およそ１００ｍの距離の差を、あかりはダッシュで駆けつけ、クリスの手に捕まってなんとかポッドに飛び乗る！　
　しかしポッド自体が動いていないため飛距離が足らず、シャトルが捕まえることができない。そこで校長がエアサーフィンで落下し、アンナ、あかり、クリスがジャンプして捕まり、なんとか事なきを得る。

　ここまでの展開から、性格上からいっても、このチームの実質的なリーダーはクリスですね。積極性があるし。
　あと、空中でサーフィンを行なう校長って一体……。ＯＶＡでも正体不明なのかな。


　試験後の改装したした温泉で、疲れを癒すあかりとクリス。アームズ沈没のシステム究明は極めて難しいらしいですが、クリスにとっては助かったのだから問題はないらしい。
　アンナはお母さんに他人と一緒にお風呂に入ってはいけないとずっと言われていたらしいですが、あかりちゃんとクリスとならと温泉に入ります。しかしあかりが、お風呂には裸で入るものよとアンナちゃんの巻いていたバスタオルを剥ぎ取る事から、悲劇の幕が……。
　でもなんで校長まで潜り込んでたんだ！？
　実はアンナママが熱狂的な大学衛星ファンで、アンナを娘として育てて大学衛星に送り込んで来たのだそうだ。しかしそれにしても、よく入学時の身体検査でバレなかったものですな（１巻参照）。
　結局、男子校衛星に送られることになったアンナ。シャトルでのあかりとクリスとの別れで、あかりに抱きいたため顔を真っ赤にするあかり。やはり相手が実は男子だと分かってると意識するのか？　クリスは、アンナが男でも女でも関係ない、すばらしいルームメイトだったと告げます。
　そして飛び出すアンナ。また会えるかなというあかりに、クリスは望みさえすれば必ず会えると答えます。


　さて今回ちょっと気がついた事。あかり達の制服についているバッヂの色が薄い緑色だったこと。訓練校で１位の生徒は真ん中の丸が赤色ではなかったっけ。さすがにそこまで細かいチェックはしていないということかな。
　あとアンナちゃんの正体第１バージョンが見れたことがいいかな。やっぱり世の中には知らない方がいいということがあるということですか。


　今回は、脚本：倉田英之、絵コンテ＆演出：外山九市、作画監督：崔ふみひで、動画チェック：今井雪子でした。

初出：98/12/ 6 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/athletes_ova.htm

MISSION-4 Match Unexpected 「思いがけない好敵手」

　大運動会ＯＶＡ４巻の感想をやりたいと思います。
　この巻には、ＴＶ版には登場しなかった男子校衛星が登場します。年に一度の軌道切り替え行事という事で織姫と彦星になぞらえたのですな。
　しかし作中内でも、女子校側は「大学衛星」なのに、男子校側は「男子校衛星」と呼ばれているとは、大運動会世界では女子校の方が男子校よりも格上なのかしらん？　女子校側だから自分達の衛星を「大学衛星」と読んでいるだけ……というのはいかにも苦しいし。


　駄文はここまでにして感想です。


　冒頭、ひとり七夕に際して選手選抜に悩む校長のシーンから始まります。
　校長が選んだ選手はあかり、ターニャ、ミランダの３名でした。競技はアクロスパイク、一対一で手以外の体全体を使って相手のコートにボールを打ち合う、サッカーのようなバレーボールです。
　親善試合とはいえ大学衛星の名誉がかかっているという校長がもちだしてきた秘密兵器とはお色気たっぷりのコスチューム。女っ気の無い男子校の中で過ごしている男子校生徒にとって、この色気たっぷりのコスチュームを来たあかりたちは大きな衝撃となるだろうと。せこいというかなんというか、この校長、毎年この手を使っているな(^_^;)。
　遅れてやってきたミランダも、コスチュームのサンプル立体映像を見てその事を悟り、辞退する。そういえばミランダは２年先輩だからなあ、去年と一昨年の七夕は見た事あるのかもしれない。ミランダなら興味ないということで観戦しなかったかもしれないけど。
　結局ポイント、即ち宇宙撫子への挑戦権と引き換えにミランダは出場を認めます。まあラーリを持ち出されたらミランダは引き受けざるを得ないでしょう。しかし、この校長の台詞から推測するに、ＯＶＡ版の大運動会は勝ち抜き制ではなく、予選からの総合ポイントで宇宙撫子が決まるのですか？

　校長自らの指導でくたくたになるまでしごかれるあかり。分けのわからない器具を使って、どんな特訓をするのだろう。相変わらず部屋の中で裸踊り（精霊の祈り）をおこなうクリスがあかりに整体というかマッサージを行なって疲れを取り除くが、お約束でかなりきついものに。

　ミランダとの対戦訓練で手も足も出ないどころか恐さのあまり動けないあかり。休憩時間にクリスのところに相談しに行きますが、そのクリスはラーリとの壁打ちラリーをしていました。
　途中でラリーをやめてしまうクリス。クリスが言うには、スポーツは自らを高めるもので、相手を意識する必要はないはずだ。しかしときおり勝負の波に呑まれそうになると。勝負か嫌いならなんのためにここに来たとラーリが返すと、神に触れるためと答える。自らを高める事によって神の領域にたどり着くことができれば（御堂巴のように）。それがクリスの目的でした。
　一方ラーリの方は、記録を作りに来たと。鍛え、競い合う事で、自らの記録を越えることができると。記録は高いほど美しいというラーリの言葉は、彼女らしいお言葉でした。
　このシーンは、ラーリとクリスのスタンスの違いを明確に表しています。より早くより強くというのがラーリなら、自らの理想を極めたいというのがクリスです。それ以上にここでは、ラーリがクリスを明らかにライバルとして認めている。ううーん、クリスはＯＶＡ版が一番強いのかも。

　クリスの御堂巴への想いを改めて盗み聞きして、自分も頑張らなくちゃと練習場に戻るあかり。勇んで戻ったのはいいですが、そこには自分専用の特別メニューに苦戦するターニャが……。特別メニューって悩殺ポーズの練習ですかぁ！？　校長先生、人選間違っていない？
　しかしターニャってボールを足で器用にお手玉してましたね。さすがは野生児ですな。

　大学衛星と男子校衛星がドッキングして、会場ができる。準備室ではターニャが悩殺ポーズの練習をし、ミランダはふりふりのコスチュームに苛立ってましたな。その気持ちは分かるぞ、ミランダくん。

　会場の仕切りがあがり、向う側には男子校衛星の校長ジェラード・バクストンとその飼犬、さらに男子校生徒たちが立ち並んでいた。しかし本当に貧相で性悪な顔だな、ジェラード。青野武さんの声がきっちりあっていました。
　しかしこの飼犬、なんかチキチキマシン猛レースにでてくるケンケンに似ているような。
　邂逅早々、やりあう校長同士、グランとジェラード。実はこの二人、大学衛星の校長の座を賭けて七夕に挑んでいるようで。校長がそんなんじゃあ、男子校の生徒も士気が落ちてしまうよなあ。

　選手入場、他の２人の男子校側選手がマッチョ系に対し、あかりの前に表われたのはジャニーズ系を思わせる紅顔の美少年だった。その笑顔に思わず赤くなるあかり。
　一方ミランダは、馬鹿馬鹿しい茶番を早く終わらせるために第１試合に出場する。男子校生徒にボールをぶつける強烈サーブでノックアウトし、そのままストレートで勝利をもぎ取る！　実にミランダらしい問答無用の光景でした。(-_-;)
　第２試合はターニャですが、秘密兵器の効果(笑)が全然ない。一方相手のサーブにはその手の特訓はしていないためかびびりまくってこれまたストレート試合だった。
　しっかし第１試合も第２試合も全然試合になってなかったなあ。観客が両校の生徒だけだからともかく、普通なら金返せコールが起こるぞ。

　第３試合はあかりと美少年の対戦です。その繊細な顔つきとは裏腹に、その実力は侮れないものがありました。あかりは試合の序盤を押されてしまいます。
　ジェラード校長はグランに勝ち誇ったようにいう、グランの手はお見通しだと。第１試合第２試合の二人は恋人同士で、女なんかに興味は無いと。そして今試合場に出ている選手も訳ありだとか。しかしグランは、自分の生徒を色気で選んだりはしないと答えるが……。全然説得力無いぞ、校長。
　１０−０にまで点差を広げられ、今また諦めかけたあかりにクリスの声援が飛ぶ。その一言であかりはボールを拾って、シュートを決めて１点を返す。そのまま蘇ったあかりは逆襲を開始し、試合の流れは一気に変わって１３−１５で逆転勝ちを収めます。
　勝利を逃したジェラードは萎れてしまう。女子校への引っ越し準備も済んでいたのにと。しかしジェラードよ、校長がそんな態度で学生に示しが付くのかい？

　勝ったあかりの下に対戦相手の美少年がやって来て声を掛ける。実は彼はアンナちゃんだった。うーん、男子校バージョンの動くアンナちゃんをじっくり見るのは初めてですが、デザインに違和感が無い。というか表情が男子のものになっているからかな。
　アンナが言うには、あかりちゃんはクリスが好きだと思っていたそうだ。クリスの声で復活したというし。そこにクリスがやって来て挨拶をする。あかりの顔が赤いと言って額同士をくっつけるクリスにあかりは真っ赤になって逃げ出すが、クリスは女心が分かってないと言ってからかうアンナの態度も男子のものになって来ているというか。男子校でうまくやっているようですが、それなりに揉まれて来たのかな。

　クリスにあかりを託してアンナは去っていく。七夕体制も解除され、両衛星は再び別れます。

　そして舞台はいよいよ大運動会本戦へ。特設会場が一般公開され、競技内容が明らかになります。
　しかし第２競技が苦手だとは、あかりちゃんはハイジャンプが苦手なのか。(^_^;)　そんなあかりに、クリスが励ましの言葉をかける。

　そして何処かを走る聖火ランナーのシーンで４巻はお終いです。


　今回はアンナちゃん男子バージョンにつきますね。実は男だったアンナちゃんを本当に男として登場させたのは、キャラへの愛情からかファンサービスか。
　すこし絵的に気になる部分がありましたけど、なかなかまとまっていました。


　今回は、脚本：倉田英之、絵コンテ＆演出：八谷賢一、作画監督：越智信次、作監協力：崔ふみひで、動画チェック：秋吉育子でした。

大運動会競技内容

　第１競技　障害物競争 (steeplechase)
　第２競技　スーパーハイジャンプ
　第３競技　玉入れ
　第４競技　１５００ｍ競争
　最終競技　１００ｍ競争 (100m dash)

初出：98/12/22 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/athletes_ova.htm

MISSION-5 Objective Tenshion 「目標への努力」

　ずいぶんお久しぶりに感想を書きます。ＯＶＡ版大運動会の第五話の感想です。


　冒頭はクリスの思い出のシーン。ビギナーズの元にある両親に抗って大学衛星に向かうところのシーンでしょう。

　大運動会の実況放送をおこなうのはＣＢＸ。ノリノリのアナウンサーみたいですけど、なんと個人放送局だそうです。個人であれだけの放送施設を持てるなんて、よっぽどの道楽者みたいですな。
　ラーリとミランダの紹介シーンですが、ここでは二人の記録が書かれていました。その内容は下をご覧ください。伝説の宇宙撫子・御堂巴の記録も、大部分がラーリやミランダに破られているんですね。しかし１００ｍ競争だけはまだ破られていないと。

　ＯＶＡ版大運動会のシステムは、各種目個人競技で足切りあり。そして種目ごとのポイントを加算する総合ポイント制なわけですな。このシステムだと下位でクリアした選手は次の種目ではより上位にならないと辛い。

　第１種目の障害物競争では９人ずつのグループで走って上位４名のみが合格。第１障害物の「のたうつ平均台」でショートカットするクリスとあかりですが、これって認められているのだろうか？　ターニャじゃなくてもズルいと言いますな。
　第２障害は１００ｍハードル。
　第３障害は壁上り。不規則に動くパーツを躱して頂上に登るという無茶な内容なのだが、大運動会には無茶でない種目の方が珍しいかも。
　そして最終障害はチューブ軌道内でのラクロス。どうやら対戦相手をラクロスのボールで妨害しながら駆け抜けるというものらしいですが、あかりはクリスとスティック同士がぶつかった事から一歩引いてしまう。その事に対し、クリスがあかりに詰め寄ります。

　次の第２種目スーパーハイジャンプで、大会記録より３０ｃｍも高いバーをクリスが申告する。自己最高より４０ｃｍも高いバーを申告するなんて無茶もいい方だけど、クリスはあかりに自分の意気込みを見せるためにも見事飛んでみせる。それに刺激されたのかあかりも同じ高さを申告して見事飛んでみせる。これであかりにもクリスに負けない闘争心を身につけたことになります。
　ところでスーパーハイジャンプなんて一種の高跳びなんですから、ミランダやクリス、あかりといったロングヘアーの選手には不利なんじゃないだろうか。もっとも未来だし、あのバーは光線で出来ているみたいでしたので髪の毛には反応しないように出来ているのかもしれません。
　あとスーパーハイジャンプは一発勝負のようですね。普通高跳び系の競技は少しずつバーの高さを上げて何度も挑戦すると思うのですが、さすがにあのジャンプ台から駆けおりる形式では何度も飛ぶのは負担が大きいか。そう考えれば確実に飛べる高さを狙ったラーリを、一か八かのバクチで飛んだクリスやあかりが追い越したのもごもっともで。

　第３種目の玉入れですが、これって反射板に当てるのを計算して入れるわけですね。ずいぶんと厄介な。
　ラーリは５本全部を同じコースで入れる。さすがは精密機械。そのラーリに相手にされないと感じているミランダは、逆ギレを起こしてボールをラーリの方向にぶつけてしまう。ううーん、万年２位では相手にされないのも仕方ないかも。想い届かずと言ったところでしょうか。

　上位８名で行われる第４種目の１５００ｍ競争。下位４名と走るのを屈辱と感じたミランダ様ですが、だったら玉入れを真剣に行なえばよいのに。総合９位で３発しか入らなかったあかりより下ということは、明らかに２発以下しか入れてないはず。ヤケを起こしたらあかんよ。
　ラーリと闘いたいがために、ミランダは執拗にあかりの妨害を続ける。しかし決勝って確か上位３名だったはず。下位グループから１名、上位グループから２名というのならともかく、総合ポイントで上位３名というならあかりの妨害に執念を燃やしても仕方ないのでは？　妨害に気を取られて上位３名に入れなかったというのでは、本末転倒のような気がするが。それにこれ、故意の妨害とされたら減点されるんじゃないだろうか？　妨害自由な競技とは思えないのだが。もはやミランダ様の思考が停止して本末転倒しているとしか思えない。
　ミランダの執拗な妨害にペースを崩したあかりは、母親御堂巴のイメージを見る。母親の姿の向こうに光を見て、ダッシュをかける。追い越されそうになったミランダはあからさまな妨害を仕掛けようとして逆に転倒し、足を骨折してリタイア。ＯＶＡ版のミランダは、報われていません。

　１５００ｍ走で光を見たというあかりの話を聞いて、クリスは次の１００ｍでその光を確かめるという。そして一緒に走ろうとあかりと約束する。

　そして最終種目の１００ｍ走に残ったのは、あかり、クリス、ラーリの３人。１ポイント差で２位とは、光を見たあかりの走りの記録にはラーリも覆せなかったということでしょう。
　それに短距離の得意なタイプと長距離の得意なタイプは筋肉の尽き方とかも全く違うはず。ちょっとご都合主義という気もしないでもない。
　骨折したミランダは病室のベッドを抜けだし、誰も居ない制御室(CONDITION ROOM)に入る。……って、大会中ぐらい制御室には誰か常駐するべきじゃないかぁ。誰もいないというのは管理体制なってないぞ。


　第５巻は準決勝までの大運動会の楽しさが描かれていました。結構楽しめました。


　今回は、脚本：倉田英之、絵コンテ：小沢一浩、演出：星川孝文、作画監督：越智信次＆堀井久美＆崔ふみひで＆柿田英樹、動画チェック：秋吉育子でした。

大運動会の記録

　ラーリ：宇宙撫子９７年度９８年度、前回記録８９７３ｐｔｓ、記録：障害物競走[4998]、玉入れ[4997]、１５００ｍ走[TIE][4998]
　ミランダ：第２位９７年度９８年度、前回記録８９６９ｐｔｓ、記録：スーパーハイジャンプ[4998]



大運動会競技結果

　第１競技　障害物競争 (Steeplechase)　
　　１位　ラーリ　　　44.9803sec.[新記録]　1775pts.
　　２位　ミランダ　　45.0707sec.　　　　　1753pts.
　　４位　クリス
　　５位　ジェシー
　　19位　あかり　　　46.????sec.　　　　　171?pts.

　第２競技　スーパーハイジャンプ (Super High Jamp)
　　１位　クリス　　　6.20 Meter[新記録]　　総合１位
　　１位　あかり　　　6.20 Meter[新記録]　　総合９位
　　３位　ミランダ　　5.90 Meter[タイ記録]　総合３位
　　４位　ラーリ　　　5.80 Meter　　　　　　総合２位

　第３競技　玉入れ (Tamaire)
　　ラーリ　　５本　　　総合5869pts.　　総合１位
　　クリス　　　　　　　総合5865pts.　　総合２位
　　あかり　　３本　　　　　　　　　　　総合６位
　　ミランダ　　　　　　　　　　　　　　総合７位
　　ターニャ　０本

　第４競技　１５００ｍ競争 (1500-Meter Race)
　　あかり　　3'07"1701[新記録]　 総合7699pts.　　総合２位
　　ミランダ　リタイア
　　ラーリ　　　　　　　　　　　　総合7770pts.　　総合１位
　　クリス　　　　　　　　　　　　総合7699pts.　　総合２位

初出：99/09/12 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/athletes_ova.htm

MISSION-6 Stage Yonder 「舞台の向こうに…」

　さて第６話の感想です。
　冒頭、１００ｍ走でラーリを抜いてクリスがトップに躍り出る。クリスは光の領域に入ったという事ですね。それを見たミランダはクリスの第２レーンをいきなり９．０Ｇにする。
　……って９．０Ｇ！？　これって宇宙飛行士の重力訓練でも結構ハードな方じゃなかったっけ。いきなりこんな重力かけられたら、転倒するのも無理ないわな。
　あかりとラーリは巻き込まれて転倒。骨折したクリスを除いたあかりとラーリで、時間を置いて再レースをすることになる。
　ここでミランダは退学処分となります。時間や構成の都合もあるでしょうが、校長の言う通りＯＶＡ版のミランダ様には救いがありませんでしたな。もっとも、なんであそこまでミランダに固執するのかが分からない以上、シナリオ的にも助けようもありませんでしたが。

　ドクターストップがかかって再試合できないクリスですが、後悔していないと言います。光を見たということと、全力で走ったということ。ここら辺が世間擦れしていないクリスらしいところですね。クリスの目的は御堂巴が見たという光を見ることにあるのですから。神は常に私たちの傍らに居て、全力を尽くしたものを祝福すると。そういって、棄権するといったあかりを叱咤激励します。
　一方ラーリのほうには、チームメイトだったターニャが励ましにきます。あかりもラーリも友達だからどっちも負けて欲しくないけど、今回はラーリを応援するというのはターニャらしいいい意味での短絡さです。

　さて１ポイント差で迎えた決勝。あかりが逆転優勝するには、ラーリに０．１秒差をつけてゴールしなければならない。１００ｍ走のトップともなると、０．１秒差を縮めることがどれほど大変か。点差が離されて決勝までくると、１００ｍ走を行なうまでもなく勝負が決まっているということにもなりかねない。かなりきつい配点ですよこれ。
　それと絵ではラーリのポイントが７７７０に対し、あかりのポイントは７６９９、これではポイント差は実際には７１あるのではないかい？

　勝ちたいという気持ちを確認するあかり。ラーリに勝ちたい。自分のために。そしてクリスに迎えられて会場に向かった時、あかりは髪を切っていた。
　再競技の直前、構えのときの回り込みはよく出来ていましたな。さすがはＯＶＡです。
　そしてダッシュ。練習通りの走りを見せるラーリに対し、あかりは意外な速さをみせる。途中ラーリは、５０ｍの着地点が２ｃｍずれたと言ってますが、確かにずれていた。ラーリって試合中そんなこと考えているんだろうか。
　あかりは巴のイメージを見て、そして超える。その向こうに神の光を感じ、その中に入っていく。ラーリもそれに引きずられるようにして入っていきます。
　そしてゴール。あかりはクリスの待つゴールに１着で入ります。ゴールの向こうに足を折って競技を断念した親友が待っているというのは、ＴＶ版１０話のいっちゃんと同じ展開ですね。もっともそこにいたるまでの状況はかなり違うのですが。
　そしてあかりのタイムはラーリに０．１秒差をつけてゴール、逆転優勝を果たして大和撫子に選ばれます。
　優勝したあかりをおいてラーリは退場します。そこに出迎えたターニャに対して、ラーリは負けたら口惜しいなという。今まで負けたことのないラーリが負けを認めるのはくやしかろう。


　数日後、超運動会の選抜メンバーとしてあかりたちが集まる。この選抜メンバーにはラーリやターニャもいましたが、なぜかジェシーはいなかったぞ。第３種目で一発も入らなかったターニャが入っているわけだから、ひょっとして２回戦で落ちたのだろうか。それともＴＶ版のように落ちたショックで自主退学したとか。どんなドラマがあったのだろう。
　しかしなぜかクリスがいない。クリスの口から、巫女になるために月に戻らなければならない事をあかりは聞く。夜遅くまで語り合い、泣き出すあかりに、クリスはキスをする。
　ＯＶＡ版でもキスをしました。クリスの部族に伝わるキスらしい。流れの中で不自然さを感じさせないのがいいですね。
　そしていつかまた、私の名前を呼んでくれとクリスはいいます。私は必ず答えてみせると。そしてティアラだけを残して、栗栖は去っていきます。


　さらに半年後、超運動会に出場するために出港する選手達ですが、あかりは第１話のときと同じように遅刻しそうになって駆け出してきます。相変わらずですな。そのシャトルを、巫女になったクリスが見上げていました。


　随分時間がかかりましたが、ＯＶＡ版大運動会の感想はいつか終えなければならないと思ってました。今回ケリをつけられて、自分的には良かったと思っています。
　あかりの戦いは、まだまだ続きます。あかりちゃん、ガンバ！


　今回は、脚本：倉田英之、絵コンテ＆演出：小沢一浩、作画監督：越智信次＆岩田幸大＆大和田直之でした。

大運動会競技結果

　最終競技　１００ｍ競争 (100-Meter Dash)　
　　神崎あかり　　　8.9999sec.[新記録] 総合１位
　　ラーリ　　　　　9.1000sec.　　　　　総合２位
　　クリス　　　　　リタイア

初出：99/09/12 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/athletes_ova.htm