マッドブーマな感想：バブルガムクライシスＴＯＫＹＯ２０４０

ｅｐ．１１　Ｓｈｅｅｒ　Ｈｅａｒｔ　Ａｔｔａｃｋ

　今回はネネと立場が入れ代わって、ブルーに入ったリンナの話でした。憧れかなってナイトセイバーズに入ったリンナですが、なんだか倦怠期ですな。(^_^;)　さてさて、そんなときに表われたいい男攻撃に、リンナは耐えられるのか(笑)。


　そんな三流ゴシップ記事みたいな事言ってないで、感想行きます。


　冒頭は残業でミッションに遅れたリンナのシーンから。ここでは前回まで足手まとい扱いだったネネが再び復活した事を示し、その分リンナの疎外感を描いています。
　このマッドブーマは女性型だったみたいですのでセックス道具のブーマなのかな？　黒服が商売道具だと言ってたからそうかもしれない。だったらストレスたまってマッド化するわな。
　しかし周辺のやじうまの拍手に浮かれまくるネネと、スクーターが壊れてさんざんなリンナの比較はいいですな。
　あとミッション終了後、タバコを咥えた、多分クズイという男が立ち去っていきましたね。きっと彼が後で出てくる善意の市民なのでしょう。

　ナイジェルのガレージでプリスのバイクを修理するナイジェルとマッキー。現実主義というか、例えゲノムの製品でも質がいいなら使うという割り切りの良さがいいですな。まあ精度が一桁違うといわれれば、当然かも知れない。
　しかしマッキーはナイジェルになついてしまいましたな。今回は小中脚本なので、きっとナイジェルのところに住み着いているのだろう（←ってどういう意味だそりは？）。
　そこへスクーター持って来てやってくるリンナ。修理に持って来たのだろうけど、プリスとそこでだべります。リンナはネネが強くなったことを誉めますが、その裏で自分がまた追い付けなくなったと焦っているみたいですな。そしてプリスに、実家に帰るからとシリアに伝言を頼みます。

　さてその次のシーンが謎。リニアモーターカーの貨物車が走っている所を、上空からつり下げられている乗り物が荷物の受け渡しを行なっていました。これって地上と宇宙の間でショウハムプロジェクトに必要な物資の受け渡しを行なっているというシーンなのでしょうか？　ちょっと分からないが、次の宇宙のシーンまで続いていた事から考えるとそうかも知れない。
　エネルギー問題の解決とゲノムの経済支配を狙ったショウハムプロジェクトということですが、宇宙のアンブレラの方は順調、しかしエネルギーを貯める地脈であるドラゴンの工事が遅れているとメイスン副社長が報告に来ます。震災での被害が予想以上だったと。
　さてここでローゼンクロイツ会長の独り言に近い告白。会長は臓器移植を受け、機械の力によって長生きしているのは、ショウハムプロジェクトの生み出す無尽の力でこの星を動かすシステムと同一化するため。自らがシステムとなって、地球に生きる人とブーマを正しく導びいていくためだそうで。なんかよくあるパターンですな。
　ここでスティングレイ博士の発明を施設ごと買い取ったのがローゼンクロイツ会長だということが分かりましたな。会長はブーマは新しい人類の姿だと思ったけど違っていたと言っていました。自分はブーマになれないという言葉もありましたけど、博士の死によってこの辺の技術は失われたというのが正解じゃないのだろうか。そして人間からブーマになった（というかされた）のがシリアだと思うのですが。

　退去したメイスン副社長は所詮老人の世迷言かと掃き捨てました。その前のシーンで震災で親とはぐれた少年のシーンが。これってメイスンの子供の頃かと思いました。しかし後のシーンで、メイスンは震災前スティングレイ博士の助手だったというのがあったので、年齢があいませんな。これはミスリーディングのシーンなのだろうか？
　副社長室でメイスンを待っていたのがクズイ。メイスンはナイトセイバーズのことをブーマクラッシャーだと。(^_^;)　会長は既に興味を失ったらしいですが、メイスンはナイトセイバーズに興味があるのだろうか。
　しかし最後にクズイが爆弾発言、ドラゴンの建設を止めているのはメイスンだった。東京の地下で何をしているのか尋ねてたのですが、返事はなかったみたいだ。

　熊本駅に降り立ったリンナ。リンナって熊本の出身だったんだね。リニアモーターカーの時代だからそれほど時間はかからなかったんだろうか？。しかしそこから夕方になるまでバスに揺られていたのですから、かなりの田舎ですな。

　クズイからの報告を受けるシリア。クズイはシリア側のスパイだったんですな。このシリアの回想シーンからかつてメイスンがスティングレイ博士の助手だったことが分かるのですが、とても現在の陰険な男と同一人物のようには……見えるな、やっぱり。


　ここでＣＭを挟んで後半です。


　実家に法事で戻ってきたリンナですか、既に親戚じゅうが集まって宴会状態でした。リンナの家ってけっこう旧家なのだろうか？　でもリンナの父親は熊本人らしく、なかなか堅物そうに描かれてましたな。
　宴会が終わって親戚衆が帰ったあと、母親と話すリンナ。リンナを強引に帰らせたのは法事だけでなく、取引先のぼんぼんと見合いをさせるためだった。うう〜なんちゅうお約束だ。
　リンナが東京にでたのは、やりがいのあることを見つけるためだそうで。見つかったというのはナイトセイバーズの事でしょうが、なんかそれに疑問を抱いているみたいですな、リンナは。

　ナイトセイバーズのビデオを見ていたメイスンは、セイバーズのハードスーツがただのパワードスーツではないことに気付きます。そこからスティングレイ博士を想定し、ウィズラボのスタッフリストをあたる。しかしナイジェルがスティングレイ博士のスタッフだったとは。道理でハードスーツなんてものを作れるわけだ。
　メイスンは秘書ブーマに話しかける。メイスンが秘書ブーマに描いたヘブライ語のｍｅｔｈ（死）とｅｍｅｔｈ（真理）のうんちくは、ＧＳ美神にも出て来ましたが錬金術でゴーレムを作り出すための秘法です。額に描いたｅｍｅｔｈによってゴーレムは動きだし、ｅｍｅｔｈからｅを取り除く事によってゴーレムは死に致るという。ですからｍｅｔｈでただのゴーレムというのはちょっと違うんですけどねえ。ここでは今のブーマは自立意思を持たないただの思考型アンドロイドで、プロトタイプブーマは自立意思を持っていたことを暗示しているのでしょう。
　メイスンは自分が本来のブーマを取り戻すのが目的だとか言ってましたが、そのための最大の手助けであり最大の障害になるのはローゼンクロイツ会長ではなく、どうやらナイジェルの存在に気付いたみたいです。いい勘してますね。

　高級料亭でお見合いするリンナ。リンナってけっこうお嬢様だったんですね。しかし最初はお見合いを嫌がっていたみたいだけど、現れたお相手が結構美男子だったためにぽーっとなる。うう〜ん、お約束。
　相手の男性はマサキという名前だそうで、これ聞いてもしかして岡山出身！？　って思っちゃいましたが、全然関係ありませんね。大学まで東京にいて、卒業と同時に実家に帰ったそうです。
　やりたいことという話になって、東京に行って見つかったと答えるリンナですが、しかし自分だけムキになっても、向こうの世界では自分はいてもいなくても一緒という疎外感を感じていたのですな。そんなおりにいい男に出会ったわけだから、リンナでなくてもぽ〜っとするわな。

　ＡＤポリスの情報局では、５時から女であるネネが退社時にレオぴょん(笑)とデイリーに頼まれて、善意の市民からのナイトセイバーズを捕らえたディスクの解析を頼まれる。あまりのバツの悪さにげんなりするネネだけど、そのディスクがナイトセイバーズの来る所から撮られている事から疑問を感じる。

　その時、軍事用の巨大ブーマがマッド化したという報告が入る！　プリスはすぐに招集に応じるが、運悪く残業中のネネは抜け出せない。そしてマサキとお見合い中のリンナのところにもネネから報告が……。
　ここでネネから相手が軍用の試作攻撃型ブーマだと知って、ギャラも割り増しと考えるプリスがらしくていいですね。……って、ナイトセイバーズで一番報酬にこだわっているのがプリスなんですが、守銭奴なタイプとも思えないし、なにかワケありなのかしらん？


　サブタイのシアー・ハート・アタックですが、これってジョジョの奇妙な冒険にもでてきた名前ですよね。荒木飛呂彦先生はよくロックなどから名前を持ってくるという話は聞いていましたけど、今回のバブルガムのサブタイトルもロックから名前を取って来ているのでしょうか。


　今回は、脚本：小中千昭、絵コンテ：岡野倖男、演出：鈴木薫、演出助手：中山聡、作画監督：松山光治＆金山英雄でした。動画チェックはありませんでした。

初出：98/12/18 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/bubblegum_tv3.htm

ｅｐ．１２　Ｍａｄｅ　Ｉｎ　Ｊａｐａｎ

　このバブルガムＴＶシリーズ、見ていて思ったのですが、話の緩急の付け方が結構うまいのではないか、と思いました。どの回もだいたい合格点には達しているのですが、毎回同じような出来なのですが、タメと繋ぎの回では徹底してじっくり描き、いざアクションとなったらそれに重点を描いてアクションさせます。
　もっともそれでも突出していい回というのがあまりないので、話が平均して上手いという印象が強く埋没しかねないところがあるのですが、深夜アニメの予算枠の中でなかなか検討していると思います。


　感想いきます。


　国防省所属の軍用ブーマのマッド化にて戦争状態の市街地。ネネはＡＤポリスに残業で出られず、プリスが一人で出て行くところから始まります。自分の存在価値に疑問を抱いているリンナは遠く福岡で、マサキさんと見合いの真っ最中だったというところから始まります。
　国防省……、この時代、自衛隊は軍隊として認められているみたいですね。

　連絡を受けたリンナですが、リンナの田舎から熊本駅までは１時間かかるとか。到底間に合わないというのは分かっている上、ナイトセイバーズにおける自分の役割に疑問を抱いているリンナは、お見合いを続行しようとします。
　が、やはり捨て置けないリンナはメトロエクスプレスで東京に帰還する。今、自分のやりたい事をやろうということでしょうか。しかしこの別れのシーンは、リンナの回想であっさり済ませちゃいましたねえ。(^_^;)　まあ、今回の主題ではないからいいかもしれないけど、前回から伏線はっているんだからねえ。

　ネネはＡＤポリス情報センターで指令を出していました。今までスチャラカな仕事ぶりしか描いてなかったんですが、ネネってオペレータとしても結構有能なのですな。とっさの機転といい、指示の出し方といい。有能過ぎて危ないくらいに。

　国防省の軍用ブーマがマッド化したブーマを取り押さえようと出撃しますが、機動力の点ではマッドブーマの方が数段上。マッド化するとミューテーションするみたいですからねえ。しかしこのマッドブーマの動き、一瞬エヴァンゲリオン初号機を連想しちゃったい。
　国防省との所轄争いで出られなかったＡＤポリスも、俺が責任をもつという課長のタンカで攻撃に転じます。おおう、１０話の怪物騒ぎのときに、所轄外だとやる気を見せなかったあの課長（村田脚本）と同一人物とは思えない。(^^ゞ
　とはいえもとは軍用兵器、ヘリからの攻撃は対空ミサイルで逆に撃ち落とされます。
　そこへナイトセイバーズ（プリス）登場。たったひとりで攻撃を仕掛けますが、でかい図体なためコアにまで届かない。というよりコアが何処にあるのか分からない。

　ＡＤポリスではゲノムがブーマの仕様を公開しないため、ネネが国防省のサーバにハックを仕掛けます。なかなか手ごわいファイヤーウォールに、ネネはパラサイト・ボムと呼ばれるウィルスを仕掛ける！　相手のサーバに高電圧をぶち込むウィルスで、その機能が停止する直前、ファイヤーウォールが開くから、その時一気にデータを吸い出そうという大胆というより手段を選んでいないネネの作戦に、同僚の男はおののいてましたなあ。
　それよりネネ、よくそんなウィルスをゲットできたなあ。

　本当にエヴァ暴走モードで、その上ろくろ首のように首が伸びて攻撃するマッドブーマに、プリスは苦戦します。メタルも切れかけて一人で苦戦するプリスをアシストする形となったのが、レオンたちですが、相手の攻撃を一瞬逸らす事ぐらいしか出来ない。
　そしてネネがブーマのコアの位置を探りだす！　ブーマ自体には企画があり、あの巨体はいわばパワードスーツだと。しかしメタル切れのプリスはもうろくに動けない！
　そこに駆け付けたリンナが予備のメタルをもってやって来る。そしてリンナのアシストでプリスが接敵して、外殻を叩きこじ開けて中に潜り込み、そこでブーマのコアを破壊する。


　ブーマ騒ぎで問答を起こすローゼンクロイツ会長とメイスン副社長。会長は現在のブーマを人間の友として扱うためにいろいろ苦労を重ねたと言っていますが、そんな会長を鼻であしらうメイスン。
　実は今回のブーマ騒ぎは、メイスンがクズイを使って国防省ブーマのコアを入れ換えたのが原因だった！　ブーマが本来のブーマに戻ろうとするのを誰よりも早く感知し、誰よりも早く情報を得て、どんな所にいようと表われる奴だとメイスンは言っていましたが、それを確かめるためだけにあんな騒ぎを起したのですか！？
　しかもその探知能力を使って、ナイトセイバーズにスティングレーの遺産を探させようとしているみたいだし。だんだんとメイスン対シリアの構図がはっきりとして来ましたね。

　スティングレー家では祝勝会が開かれていた。なかなか豪勢な食事ですが、これってメイシオが作ったものみたいですね。この席でも年下のマッキーに呼び捨てにされたことに怒りだすネネ。というより、シリアの太るわよ発言の怒りのぶつけどころにされたって感じですが。
　その後システム復旧で妙に互いを意識するネネとマッキー。しかし自分が年上だという事にこだわってますな、ネネは。

　ナイジェルのところに帰還したマッキーですが、そこにナイジェルをスカウトに来ていたらしいメイスン博士の姿を見て愕然とする！　その事を聞き出そうとするマッキーですが、ナイジェルは取り合わない。
　しかし小中脚本ではやっぱりマッキーはナイジェルのところに居候しているみたいですね。村田脚本ではシリアと同居していたみたいだったのに。
　しかしナイジェルはスティングレイ博士の助手だったはずですから、だとすると人付き合いの悪いナイジェルがマッキーを受け入れた訳がなんとなく分かる気がする。

　クズイからの報告で、メイスンが探しているのがウィズラボ、すなわちスティングレイ博士の研究所である事がわかります。震災で所在不明となった研究所に何があるのか分かりませんが、シリアの慌てぶりからただ事ではなさそう。
　そしてガラッテアンという言葉、それには何があるのだろうか。
　シリアに報告していたクズイの傍らには、メイスンの姿が。やはりクズイは二重スパイだったのか。それもメイスンの側の。情報をより高く買ってくれる方に付くというクズイも抜け目がないが、しかしメイスンの相手では無かった。正当な報酬をといって、（別の）秘書ブーマにクズイの首を絞めて殺すんだからなあ。
　クズイ、甘かったな。
　やはりメイスンにとって、金しだいでどちらに転ぶか分からないような奴は、用済みになったら即お払い箱ってとこか？

　ネネのマンションではネネがコアラの森というスナック菓子を食べながら、スティングレイの家族構成を調べていた。やはりマッキーのことが気になるらしく、これで年下じゃなかったらねえと言ってましたし。やはり自分が年上だという事にコンプレックスを感じていたのか。
　しかし何処のサーバに入ったのかは分からないけど、よく１０年前、２０３０年の写真が手に入ったなあ。
　そしてそこに映っていたのは、今と変わらない姿のマッキーだった……！？　まだ少女だったシリアより少し年上で……


　今回見ていて敢えて気になる所といえば内容詰め過ぎの感が。濃いわけではないけど一言で言ってどういう話とは言えないほどいろんな展開が詰まってます。リンナのお見合い話とか、メイスン副社長の野望、マッキーの正体への伏線など。これだけ要素を詰め込んだら、下手したら話が散漫になってしまうと思うのです。
　まあ、脚本や演出でまとめているため、ただ見ている分には気にならないんだけどね。


　今回は、脚本：小中千昭、絵コンテ：黒田やすひろ、演出：小田雅、作画監督：布施木一喜でした。動画チェックはありませんでした。

初出：98/12/25 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/bubblegum_tv3.htm

ｅｐ．１３　Ａｔｏｍ　Ｈｅａｒｔ　Ｍｏｔｈｅｒ

　バブルガムクライシス、いよいよ折り返し地点に入りさまざまな謎が噴出して来ました。メイスンは何を探しているのか、シリアは何を封印したがっているのか、マッキーは一体何者なのか。疑問の提出と再確認が今回の話の内容でしたね。
　今回の話の展開は、やけに素直に感じました。なんでかなあと思ったら、村井脚本だった。(^_^;)　別に小中脚本がひねくれているというわけではないのですが（←墓穴）。
　でも、自分の脚本の中で出してきた怪物という伏線を使用するあたり、自分の脚本の中でストーリーを構築している部分が無きにしも非ず。小中脚本だけ、村井脚本だけでバブルガムを見てみるのも面白いかも知れない。


　速攻感想行きます。


　冒頭、雑多な人手にぎわう、おそらく外区にある中華街の奥深く、華僑の元締めであるシャン先生に会いにシリアが出向く所から始まります。彼らの地下に対する情報から、ウィズ・ラボの在りかを探し出すのが目的らしい。
　シャン先生とシリアは古い知り合いみたいで、シャン先生はシリアお嬢ちゃんと呼ぶような関係だったらしい。ブーマの研究にはシャン先生の華僑も出資していたみたいですし、その関係からでしょうか。
　シャン先生の話に出て来たメガトーキョーですが、これは地図を見ると（震災で多少変った）東京湾の真ん中にある埋め立て地に作られているみたいですね。その地下にゲノムがミミズの穴（竜脈）を作っているが、おかげで気脈が乱れてしかたがないらしい。
　メイスンがその地下でウィズ・ラボを探しているのを的外れと談ずる先生。おそらく風水を使用したのだろうが、組織を総動員して地下の地脈の流れを調べ上げたという。ゲノムの持つ地下情報が点であるのに対し、こちらは線の情報をもっているそうで。その情報の変数さえ分かれば、候補地が絞り込めるという。
　その情報をシリアは戴く事になる。あの研究にはシャン先生側も随分投資したため、せめてもの罪ほろぼしだとか。

　ナイジェルのところによってバイクの調子を見てもらうプリス。そこにネネがやってくる。その場にはマッキーもいたのだが、また今度ねと謝ってプリスを連れ出す。
　プリスを連れ出したネネなのだが、やはり様子がおかしい。シリアのことを尋ねたり、ナイトセイバーズをなぜ作ったのかの疑問を持ち出したり。何故そんな事をとプリスが聞き返すが、ネネは打ち明けようとしてやはり黙ってしまう。
　先週はマッキーが昔からずっと変っていないという証拠写真をネットで見付けてしまったネネですが、そこからいろいろと調べたみたいですね。さすがはスーパーハッカー、あなどれない。
　マッキーはメイスンについてナイジェルに尋ねようとしますが、子供だからとあしらわれてしまう。

　ネネはＡＤポリスの情報局からアクセスして、何か情報を得ます。しかしいいんですかねえ。警察のサーバを私用でアクセスするなんて。まあネネならアクセスログに足跡残すなんてマネしないと思うけど。

　シリアは９話１０話に出て来た怪物が、コアのバイオ生成実験過程で生まれた突然変異であることを突き止める。そしてそのブーマ捕食の方法から、コアの固有振動数を探り当てる事で、ソナーを用いて地下の探し物を探り当てられることを実験で確認する。
　その実験に（リンナの）ハードスーツを用いているのも意味深。やはりハードスーツはスレイブモードのブーマなのでしょうか。
　ソナーの有効範囲はせいぜい半径３００ｍくらいだが、すでに候補地を２７ヶ所に絞れていると。シャン先生の情報ですね。さらに探し物の処分には、ゲノムに手伝ってもらうと。７年前にはなかったものが今はあるって、それって龍脈（ドラゴン・ライン）のことでしょうか。ショウハム・プロジェクトで作成した宇宙のアンブレラからエネルギーを龍脈（ドラゴン・ライン）に送り出して、それによってやっつけようと想像するのですが、如何でしょうか？


　コマーシャルを差し挟んで、宇宙と地上との間の貨物受け渡しのシーンが挟まれていました。これって前のシーンから察するに、やはりシリアの言っている事がショウハム・プロジェクトを指していると考えていいのだろうか。


　ネネのことでリンナを訪れたプリス。リンナはネネのことは全然気付かなかったらしい。(-_-;)　シリアに関しては気になるが、ナイトセイバーズをどんな個人的な理由で作ったにしても、それでもかまわないと割り切っていましたね。自分達だって正義とかじゃなくて、もともと個人的な理由で参加しているわけだしということで。
　しかしあのプリスが、自分からリンナを訪れるなんてねえ。やはり村井脚本だからだろうか。小中脚本の流れからだとまず想像できない。一見クールだけど内面は徹しきれないというのが村井脚本のプリスだろうか（１０話ではドレス着てたし）。

　ナイジェルにシリアの事を聞くマッキーですが、ナイジェルは適当にはぐらかすだけでまともに答えようとしない。注文されたものを作っただけだというナイジェルにマッキーは、メイスンからは何を注文されたのと聞き返すが、答えはなし。しかもそのメイスンの使者がやってきて何やら話しているみたいで。
　マッキーにはネネがやってくる。ネネはなにやら昔のことをマッキーから聞き出そうとするが、マッキーはどんな子供だったのという質問にはさすがにマッキーもとまどってましたね。僕も今と変らないよという言葉は、昔から全然成長しない少年であるマッキーにはどう響いたのだろう。
　ネネもこの質問におけるマッキーの様子から、探りを入れているのだろうか。

　シリアがシャン大人（たいじん）の組織に接触した事を、メイスンに報告する部下（名前なんだろう？）。シャン大人は世界経済の裏で暗躍するもう一人の老人とか。ゲノムとは背負っている歴史が違うが、そんな相手でも掌の上で弄ぼうとするメイスン。
　またメイスンがナイジェルにこだわるのは、スティングレイの残した遺産は全て自分が使うからだと。わがままなところもあるな、この男。

　ナイトセイバーズのメンバーを招集して、ウィズ・ラボ探しを依頼するシリア。正義感に駆られたリンナとギャラ２倍の好条件に断る理由のないプリスは承諾するが、ひとりネネだけがシリアへの不信感から拒否する。
　ネネはなぜマッキーにこのミッションだけは知られちゃいけないのかと問いただす。パーソナルデータをいくら調べても、スティングレイ博士に息子がいたという形跡がないことを。マッキーが何者なのか尋ねるが、シリアからの返答はなし。
　さらにラボの事故のことを聞き出す。ＡＤポリスのメインフレームからアクセスした極秘文書によると、その前年、バイオスケープ社はゲノムに買収され、ブーマの開発もそちらに引き継がれる。その後スティングレイ博士はコアの開発に成功し、ブーマの量産が始まる。突然研究所で謎の事故が発生し、極秘裏に警察部隊が派遣されるも、事態の収拾に失敗。何があったのかは不明だが、事態の収拾は不可能と判断したゲノムのクインシー・ローゼンクロイツ会長は、開発中だった人口地震発生装置の始動を命じた。
　そうまでして隠さなければならないラボの秘密は何とネネはシリアに尋ねるが、シリアは解答を拒否する。だがマッキーはその事故とは何の関係も無いとだけは答えるが、そんなシリアへの不信感からネネが逃げ出してしまう。

　結局プリスとリンナの二人がラボ探しに出かけるが、その様子をメイスンの部下が報告する。これって、ナイトセイバーズの本拠地がメイスンにバレたってこと？　まあクズイ君だって裏切ってたワケだし、メイスンなら調べ上げられないでもないか。


　バブルガムにかぎらず、ＡＩＣはなかなか安定した品質の作品作りをおこなってますな。その分面白みに欠ける部分もあるのですが、安心してみていられる事もできます。こういう作品では、ＡＩＣの実力はやはりあなどれないかもしれない。
　あと村井脚本は、やはり全体的に素直な作りをしているように思える。敵と戦えるわけでもないミッションでシリアへの不信感を突きつけられたシーンで、それでもあのプリスが、危険なものだから放っておくことはできないだろと言うなんて、まるで通常のヒーローアニメではないか(笑)。あるページで小中脚本はインケンだという評価を呼んだことがあるけど、そういうヒロイックな展開は小中脚本では確かに想像もできないので、あながち間違っていないのかもしれませんね。


　今回は、脚本：村井さだゆき、絵コンテ＆演出：嵯峨敏、作画監督：大下久馬、演出助手：石田楊、動画チェック：渡辺美佐＆福永啓人でした。

初出：98/ 1/15 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/bubblegum_tv3.htm

ｅｐ．１４　Ｓｈｏｃｋ　Ｔｒｅａｔｍｅｎｔ

　今回のバブルガムを見て、私はもう一つ村井脚本の特徴を見つけてしまいました。村井脚本においては、プリスはおもちゃにされている(笑)ということです。せっかく小中さんがプリスを人付き合いの悪い、ニヒリストで無愛想な性格に描き込んでいるというのに、村井さんはそんなプリスにドレスを着せたりエステに通わせたり。もうシナリオの中でおもちゃにされているとしか思えない。
　もっとも小中さんも、基本的な設定とはいえメイスンをなかなかブーマフェチにしているので、一概にどちらが間違っているとはいえませんが。面白い話さえ描いてくれればそれでいいです。


　感想いきます。


　今回の冒頭は例の宇宙からの貨物受渡しのシーン。プラットフォームから地下の龍脈（ドラゴン・ライン）に高圧の静電気が放出されているみたいでした。

　ナイトセイバーズがウィズ・ラボの探索を始めてから５日、一人拒否したネネはＡＤポリスで落ち込んでいた。
　　いやーそれとなくレオぴょんにプリスとのことを聞きだすネネですが、プリスが（ラボ探索に）頑張っているという言葉を深刻に受け止めるレオンはお約束。

　シリアの指揮の下、ラボ探索を行なうプリスとリンナですが、あと６ヶ所というところでプリスのソナーに反応が起こる。シリアの帰還命令を無視して一度はラボに潜り込もうとしたプリスですが、メタル切れのため探索を断念して帰還することになる。
　ソナーの反応にあった　ＧＴＡ　ＲＥＡＣＴＩＯＮという文字ですが、ＧＴＡとは何の略でしょうか。もしかしていつぞや呟いていたガラティアのこと？
　プリスは独断でラボに赴こうとしてましたが、もしメタル切れじゃなかったら本当に行ってただろうなあ。帰還した二人にプリスは後は一人でやると告げるが、プリスとリンナは最後まで付き合う事を申し出て、シリアもそれを承諾し、いったん二人を帰らせる。
　ラボ探索の仕事が終わってエステに通う二人ですが、これもきっとシリアの報酬の一環なんでしょうなあ。しかしエステに通うのは初めてのプリスでしたが、リンナじゃないけど本当にガラじゃない。あの泡風呂のようなジャグジーっていうんですか？　アレを温泉みたくしているし。こういうプリスに似合わない事させるのが村井さん、好きなのかな。

　一方シリアは、探索物の大詰めとしてエネルギーを引っ張るラインを探していた。震災前のラインを利用している工場をつきとめてそこからエネルギーを引っ張り込むことにする。
　そしてシャン先生の組織の人間と接触し、あるモノを受け取る。探索物を始末するための兵器だと後で分かるのですが、しかしあの大きさにしては生身のシリアでもなんとか持ち運べるなんて、相当軽くできているんだろうな。(^_^;)

　一方シリアの動きを見張っていたメイスンの部下（多分クラタという名前）は、メイスンにシリアの動きを報告する。昼中に動きを起したシリアに不振なものを感じとりながらも、スタンバイを報告させる。
　ううーん、ここで秘書ブーマと１１話のＥの文字のエピソードを再び持ち出して来ましたが、ちょっとあっさりしているかも。メイスンはブーマフェチなんだから、もう少し関っても良かったのでは。

　地下ハイウェーでスタンバイしたムラカミは、その壁を爆破してしまう！　そこからメイスンを地下に案内するためだが、その動きは当然ＡＤポリスにも通報されるが、しかしＡＤポリス署長のマイルズの連絡でＡＤポリスは事態を静観する事に。ううーん、さすがはメイスン。やる事にソツが無い。
　ＡＤポリスにいたネネは、事件が外区のサウスエリアで起きた事とウィズ・ラボ探索の件から、この事件にシリアが絡んでいる事を察する。実際にシリアは一人でラボに向かっていった訳だし、正解なんですけど。ネネはプリスとリンナに事態を説明し、ナイトセイバーズを招集する。
　ううーん、普段はお気楽のーてんきなネネちゃんなんですが、なかなかどうしてとっさの状況判断も適切ですな。だてにＡＤポリスのオペレータをやってないということか。いや、ＡＤポリスとしても規格はずれでしたから、シリアの人を見る目はさすがに鋭いという事か。
　シリアが最初から一人で行くつもりだったことに気付いた３人は、ゲノムが後をつけていることからも急いで後を追うことにする。

　一方誰かが読んでいるという感覚をずっと受けていたマッキーは、シリアがエネルギーラインの供給点として目をつけた工場に置いた無人の指揮キャンプカーに入り込んで、ゲノムのハイウェー爆破事件現場を突き止める。そしてその事故現場から地下に潜り込む。
　……よくゲノムの見張りに引っかからずに潜り込めたなあ。アレだけの事故を起して揉み消しているメイスンですから、当然その事故現場には見張りを残していると思うんですけど。

　シリアはラボの変電室で操作をし、エネルギーをラボに供給させる。そのラボの奥深くの一室に繭みたいなものが存在していた。持って来た秘密兵器にラボの電源を接続し、ブースターユニットを繭に取りつけてお別れを言い、兵器を向ける。
　そこにタイミング良くやって来たのがメイスン御一行様。シリアの後を付けて来ていたのだ。
　メイスンはシリアの用意して来た兵器がマイクロウェーブ砲であることを知り、シリアが繭のようなものの封印を解かずに中身を破壊するつもりであることに気付く。そんなものでは破壊できないと余裕しゃくしゃくのメイスンだったが、シリアは１２時ちょうどの宇宙との貨物受け渡しの際に生じる、地回復設置の荷電流を電源に強力なマイクロウェーブを放出し、探し物の処分を実行する！
　ううーん、まさか宇宙との貨物受渡しの際に生じる静電気みたいなものを電源にするとは思わなかった。考えてみれば結構あの貨物受渡しのシーンは多かったし。
　繭を電子レンジにして中身を破壊したシリアですが、そこにマッキーが登場する。メイスンは（封印の中身と）引き合うものがあるようだとか言ってたけど、確かにそれに反応して体が光ってたし。
　マッキーの登場と同じくして封印が解け始める。どうもマッキーに反応して目覚めたような描写ですね。そこにネネたち３人も駆けつけるが、夢遊状態になったマッキーは封印の解け始めた繭に近づき、それと同時にメイスンの連れて来たブーマがマッド化を始める。そして、ナイトセイバーズの４人のハードスーツもマッド化と似た症状を起こし、装着者の言うことを聞かなくなる……。

　うう〜ん、ハードスーツがスレイブモードのブーマであることはよく言われていた事ですが、どうやら本当にそうだったみたいですね。そうするとブーマとしてマッド化を起こす事もあり得るわけですが。メイスンはかつてブーマがマッド化するのは本来のブーマに戻ろうとするからだという意味のセリフを述べたことがありますが、どうやらブーマの素体が覚醒するとブーマがマッド化を起こすのは、そういうことなのかもしれませんな。

　繭が解けて、中からシリアそっくりの少女が現れる。少女に手を差し延べようとしたマッキーは倒れ、代わりにメイスンが少女に手を差し延べて連れ去っていく。彼女こそメイスンが捜し求めシリアが忌み嫌っていた、ブーマの素体だった。


　ううーん、ＡＩＣの演出・作画はなかなか安定していていいです。その分変化に乏しく新規性に薄いという弱点はあるものの、安心してみていられるのはいいですね。満点とは言わなくても十分合格点です。
　脚本はどうやら小中さんと村井さんのリレー状態にあるみたいですが、現在のところそれほど話に矛盾している所はなく両者ともなかなか頑張っていると思います。作家性の違いというものはあるものの、今のところ単なるツッコミ程度のものでしかありませんし。


　今回は、脚本：村井さだゆき、絵コンテ＆演出：吉田英俊、作画監督：佐藤道雄、動画チェック：浅井智栄でした。

初出：98/ 1/22 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/bubblegum_tv3.htm

ｅｐ．１５　Ｍｉｎｕｔｅ　ｂｙ　Ｍｉｎｕｔｅ

　今回は今までの謎解きの回でした。話としては盛り上がりにかけますが、謎解きだけで十分内容がありますし、おまけにプリスとレオンの間柄にも進展が出て来ました。なかなか手堅くまとまっていましたね。


　感想いきます。


　ハードスーツを捨てて脱出するナイトセイバーズですが、プリスはその途中でレオンに出会う。地下から帰還するも素体（ガラテア）をメイスンに奪われたシリアは放心状態。マッキーの元を訪れたネネはナイジェルから、シリアの過去について聞かされる、というのがＡパートの内容です。

　メタルをイジェクトしてスーツを脱ぎ捨てるプリスたち。放心状態のシリアのメタルは、プリスが素手の拳骨でむりやりメタルを抜きとる。
　放心状態のシリアはリンナとネネが背負って地上へ向かいますが、このシーンにはマッキーがいませんでした。確か前回地下にやって来てそのまま倒れたはずなのに。……いつ地上に向かったんだろう？
　プリスは地下道に誰かの気配を嗅ぎつけて一人で対面しますが、相手はレオンでした。レオンはほとんどレオタードなインナースーツ状態のプリスがこんなところにいることに疑念を持つが、プリスはそっけない。ううーん、さすがにレオンもプリスがナイトセイバーズだということに確信を抱いたか？　レオンもまた、ＡＤポリスはこの件には関与するなという命令で、ここにいるのは自分の独断だからといって、懐中電灯をその場において見逃します。
　レオンも男ですな。仲間をかばうプリスの姿を見て、さりげなく帰りの手助けになるように照明を渡したということですか。

　タワーではメイスンが、素体の少女に話しかけていました。メイスンは少女にガラテアの名を与えますが、この名前って以前シリアも言ってなかったっけ？　おそらく以前から名称は決まっていて、メイスンもそれを知っていて名づけたというところでしょうが。
　メイスンはガラテアに、ブーマを目覚めさせてくれと語りかける。君のような、人を超えた新しい人類をと。

　ナイジェルの住処にいるマッキーのところに見舞いに来たネネは、そこでナイジェルにシリアの過去とマッキーの正体について聞かされます。マッキーはブーマではないが、人間でもない。しかし、普通の子かどうかはネネがどう思うかで決まると、ナイジェルは言ってました。
　マッキーと素体の少女はシリア肉体から分かたれた分身、ウィズラボではドッペルゲンガーと呼ばれていたという。幼い頃のシリアの脳に父親があるメカニズムをインプラントした。それはシナプス伝達をコピーし、シリアの脳の中で進化を遂げた。そのナノメカニズムはシリアの母親の松果体から得られたデータを元に組み立てられたため、シリアしか拒絶反応を起こさなかったという。
　そうして生まれたのがマッキーであり、素体の少女だった。先に生まれたのが素体であり、今のブーマのアーキタイプになっているという。マッキーは人間に近過ぎたために捨てられたそうだ。
　ナイジェルはあのままだったら７年前の被害はあの地震の規模程度ではすまなかっただろうと言います。

　西暦２０３３年１０月２９日、ウィズラボでは地上に出ようとする素体の少女の暴走によって危機的状況に陥っていた。金属を操る素体の少女になす術もなく、鎮圧に来た警察もその武器などの金属類がミューテーション化するために逆にやられてしまう。
　ここのシーンでフェノベノンが地上にまで波及したら人類は終りだとありますが、そのフェノベノンってなんなんでしょう？
　ローゼンクロイツ会長に事件の報告を行なうメイスンは、地震兵器による研究所ごとの素体の封印を提案する。メイスンてこの頃から会長に仕えていたのか。このころはまだスティングレイ博士の助手を行なっていたのではなかったのか？　しかし提案だけして決断は会長に押しつけるところが悪党ですな。人の影に隠れて


　Ｂパートは回想シーンの続きで、事情を聞いたネネが自己嫌悪に陥るマッキーを受け入れます。そしてプリスとリンナは今後の事について話し、シリアたちに嫌悪感を抱いたプリスはナイトセーバーズを辞めることを匂わせる。そしてプリスは、やって来たレオンとデートを行ない、自分の気持ちを漏らすという話です。

　スティングレイ博士によって一旦は戻った素体の少女ですが、結局スティングレイ博士は少女によって死亡、地震兵器が稼動し、その研究所で生き残ったのはナイジェル一人だけだった。
　プリスが暴走するブーマを憎む事情の裏にこういうのがあったんですね。マッキーも暴走したと言ってますが、これは７年前にマッキーも暴走したということでしょう。僕はここにいちゃいけなかったんだ。ここに来たのはシリアに会いたかったからではなく、素体の少女に導かれたからだったというマッキーに、ネネはマッキーはマッキーじゃない、いちゃいけない人なんているわけないと泣いて抱きしめます。
　ネネが自分を人として受け入れてくれた事で、とりあえずマッキーは助かりましたね。正体を知った自分を受け入れてくれたということに、マッキーが自分の居場所を見つけられればいいのですが。でもそう単純にはいかないと思いますが。

　プリスのライブ会場で話をするプリスとリンナ。プリスは二度とハードスーツは着ないという。素体の少女が現れてからおかしくなったハードスーツという地下での出来事から、ハードスーツの正体がブーマだと喝破するシリア。自分達だけがそれを知らされていなかっことに、プリスは強い反感を抱く。リンナはスーツがブーマならコアがあるはずと反論しますが、どこかに埋まってるのさとプリスは答える。
　ううーん、ハードスーツがブーマというのはミエミエの伏線でしたが、そういえばコアはどこにあるかという問題がありましたな。まさか中に入っている人間をコアの代わりにしているのでは……。
　そこにレオンが現れる。正体のバレた二人ですが、レオンは今日は非番だからと言ってすっとぼける。リンナはこれで終りなんていやだからと言って去りますが、プリスはレオンをさそってドライブにでかける。
　二人で高速道路を走ったり、海岸で話したり、しかしこれって全くのデートではないかい？　ＡＤポリスを毛嫌いしていたプリスですが、レオンには特殊な感情を抱き始めているのだろうか。でも相変わらず嫌う理由は明かしませんな。
　プリスはそろそろ潮時だという。ブーマが暴走することは段々知られているし、マッドブーマの数は増えている。自分達だけてどうにかできるなんて、もう無理だと。一種の諦念を抱いているのですな。
　レオンもＡＤポリスの上の動きがおかしい事を告げます。部長も何か隠していると。

　道路交通法違反で捕らえられそうになると職権乱用して返すレオンに呆れるプリスですが、その時プリスの頭の中にとあるイメージが。それはネネやマッキー、リンナにも同時に起こる！　それはシリアの過去のイメージだった。
　このシーン、なんでこの４人にシリアのイメージがと思ったのですが、マッキーはシリアの分身ですし、プリス、リンナ、ネネはハードスーツ（＝ブーマ）を着ていたのでそこからでしょう。ガラテアか素体の元となったシリアに共鳴したのではないかと予想するわけですが、シリアの身の上に何か起っているのでしょうか。でも今シリアは放心状態のはず。


　さて、小中脚本に戻ったらまた急にそっけなくなるプリスでしたね。今回はもうやめるとか言っちゃってますし。でもレオンと少しは進展したしいいかも。
　でも謎解きの回とはいえ、まだ何かありそうな気配ですね。どんな隠し玉があるかも。
　そして気になるのが次回予告。“もう一つのナイトセイバーズ”とありましたが、もしかしてそれってＯＶＡ版が元ネタだったりして。でも私はＯＶＡ版を見た事が無いから、何とも言えないんだけどね。


　今回は、脚本：小中千昭、絵コンテ：岡野倖男、演出：鈴木薫、作画監督：金本英雄でした。動画は星山企画にに一括外注でした。

初出：98/ 1/29 http://www.tky.3web.ne.jp/~junhelm/consider/bubblegum_tv3.htm