NULL A の世界の感想

　話としてはご都合主義の塊で全くのダメダメなのですが、そのダメさ加減を含めて８０年代アニメを彷彿とさせるのが懐かしい「成恵の世界」。感想いきます。


◆監察庁機族、天堂蘭、音無麗
　とくれば３人目の姓は「諸星」か「日暮」あたりだと思っていたけど、朝倉鈴という名前でした。
　うぬー、まさかタッチ＠あだち充でくるとは。
　──すみません、分かる人にしか分からないネタですよね。

◆七瀬家を惑星地球から退去せよ
　というのがテロリストたちの大義名分らしいのですが、それにまともに応じて策を労するテイルメッサーも何か間違っている。
　七瀬家が地球に居ついているのがどういう事情なのかは知りませんが、それを惑星連盟が認めている以上惑星連盟の法的には不法滞在ではない。まず対処すべきは合法的に地球に滞在している七瀬家を勝手な主張で排除しようとしているテロリストの方です。自分たちの仕事がきつくなるからと七瀬家に工作を仕掛けるのは、テロリストの主張を認めることにつながってしまいます。物事の順序が逆ですね。

◆朝起きたらいきなり目の前に妹が
　しかもその子は主人公のことを「お兄ちゃん」と慕ってくれる。まさにオタク冥利に尽きるシチュエーションですな。
　すまん、実際に妹が２人いた身でみると、妹に妄想は抱けないっす。
　しかし、機族の一人を妹に成りすませて「お兄ちゃん」と媚びた演技をさせるとは、どこが「恋はインパクトだ」なんだろう。テイルメッサーも別の方向で間違っている気がする。

◆機族の３つの掟
　成恵の目の前で、精神コントロールパルスにて和人に無理矢理キスをさせようとする鈴。
　が、和人が拒絶したため一時的にハングってブレーカーが落ちたみたいです。
　テイルメッサーが鈴に与えた３つの掟とは
　・一つ、自己を保存せよ。
　・一つ、命令に服従せよ。
　・一つ、生命を守護せよ。
　らしいです。聞き取りにくかったですけど。
　そこで自らを庇って道路に落ち、ダンプカーに轢かれそうになった和人を守るため、ダンプカーを押さえて持ち上げて車を止める鈴。ダンプカーって前輪駆動だったっけという疑問はありますけど、なんとか事故は防げました。

◆歯を食いしばれ
　鈴の策略に引っかかっていた和人（精神コントロールパルスだから致し方ない部分はあるが）に対し、「目をつぶって歯を食いしばって」と怒る成恵。
　そして、罰としての不意打ちキス。
　うむ、ベタベタの王道展開ですな。


　というわけで、新たに３人の萌えキャラ（機械だけど）が登場してきました。主人公は優柔不断なのはラブコメの王道ですので、しばらくはドタバタが続きそうですね。
　

初出：03/ 5/19 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/narue_tv2.htm#6

　「ききいっぱつ」という四文字熟語は、「危機一発」ではなく「危機一髪」と書くのが正しい。髪の毛一本ほどの差で危険が迫っている状態をあらわします。するとサブタイトルは正確には「危機三髪」髪の毛三本の差ですか？　かえって安全になっているような。


◆夏本番までまだ先か
　日本の夏の暑さに、半分グロッキー状態の香奈花ちゃん。プールに行くことを提案しますが、彼女が思い浮かべるプールはパラソルの下のデッキチェアで、トロピカルドリンク片手にくつろぐことが出来る……高級ホテルのものでしたな。
　もちろん、そんな高級ホテルのプールは成恵によって没。贅沢は敵です。

◆市民プールの穴場では
　香奈花が紹介した穴場への入り口は、どっから見ても用務員室。しかし入ってみると、そこには高級ホテルを思わせるプールが貸切状態。
　そこへ至る空間に変な映像が次々と浮かぶのはお約束ですね。
　目の前の現実が受け入れられずに混乱するはじめと、あっさり適応している丸尾のコンビがおかしいですな。お前ら、やっぱり幼馴染だよ。

◆ワンダープロジェクトＸ
　泳げない和人のために、香奈花が取り出したのはオイル「ワンダープロジェクトＸ」。これを体に塗れば絶対水に沈まずに泳げるのだそうです。
　でも確かここってバーチャル空間だったはず。つまり沈まないように設定が書き換わるということでしょうか。
　──どうでもいいけど、アイテムを取り出して名前を叫ぶのはドラえもんですね。ポケットの無い水着からアイテムを取り出せるなんて、宇宙人て四次元ポケットを持っているのだろうか。あ、どうせヴァーチャル空間だから気にする必要ないのか。

◆密林の生態系
　次に香奈花が連れ込んだ空間は、ドードー鳥、メガテリウム、クリプトドン、始祖鳥などが繁殖する密林。三葉虫やナウマン像まで徘徊するとは、年代考証バラバラですな。
　もっとも、バーチャル空間にそんな突っ込みは無用ですが。
　香奈花のいたずらがすぎてコントローラーが誤動作し、一行はバラバラになります。謎の遺跡が登場したり、渓谷の下の川に落下したり。

◆ゲームは一日一時間まで
　今までの全ての現象は、香奈花が懸賞で当てたゲーム機のバーチャル空間でした。いたずらが過ぎた香奈花からゲーム機を取り上げるバチスカーフ。せめて一日一時間だけでもと叫ぶ香奈花がおかしいですな。


　というわけで、内容は全くありませんでした。
　

初出：03/ 5/26 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/narue_tv2.htm#7

　８０年代まっしぐらなこのアニメ、見ていてデジャブーばかりな展開が懐かしい。

◆テイルメッサーの進学案内
　影に日向に七瀬一家の地球退去を企むテイルメッサー。今回は宇宙の高校への進学案内という手に打って出ました。
　日ごろからこういう態度をとられてしまっては、成恵がテイルメッサーに対していい感情を持っていないのもうなづけますわな。

◆地球調査員・七瀬正
　１５年前に地球調査員としてやってきた七瀬正。そのスタイルはギターをかついでテンガロン・ハットというまさにテキサス・スタイル。役所をやめて一体何があったのだ！？
　きっと香奈花ママに三行半を突きつけられて、吹っ切れてしまったのだろう。多分。
　しかし地球調査していることといい宇宙から来たことを隠さないことといい、正は自分が宇宙人であることを隠すつもりはさらさらなかったのね。
　さて、その正が地球にやってきた目的は、戦争を止める手立てを見つけること。地球の日本の文化は正たちの惑星（惑星日本）の文化とそっくりであり、なおかつ１８０余りもの惑星の文化が一つになったようなこの星がどうしてうまくやっていけるのかを調べて、宇宙戦争を止める手立てを確かめたいとのこと。
　すると惑星アメリカとか惑星イギリス、惑星中国や惑星ルクセンブルクとか、そういう銀河連盟所属の惑星もあるのでしょうか。
　惑星連盟の地球に対する不可侵の決定と調査の終了を伝えに来たテイルメッサーに対し、懐から銃と勘違いして動揺し川に落ちた正。しかしテイルメッサーが取り出したのは『ミルクたっぷり男のコーヒー』……ま、紛らわしい。

◆正と成美のなれそめ
　川に落ちた正を助けたのが、当時嫁にも行かずにＯＬをやっていた睦月成美だった。
　ううむ、確かに１５年前の地方でお嫁にも行かず会社勤めをしていれば、親がうるさくて当たり前かもしれない。まだ封建的な風習も残っているのかも。
　戸惑いながらも助けてもらったお礼を言いに近寄ると、成美は会社勤めの愚痴を言い始める。ううむ、基本的にノンポリした性格とはいえ、事情が呑み込めずに戸惑ったままで半日も愚痴につき合わされたのか。ご愁傷様。
　お世話になっているお礼か、睦月家の畑仕事を手伝う正。香奈花は父親の手がごつごつしたのはそれが原因かと納得しましたけど、その後の地球の生活も原因なのではないかなあ。監察庁に地球滞在を事実上黙認してもらったとはいえ、一度は意向に逆らった以上給料が貰えるとは限らないし、事実苦しい生活をしているようです。その後も道路工事やパートなどのきつい仕事をこなして生活費に補填する必要があったのでしょう。

◆略奪愛（笑）
　そんな彼らの生活も終わりを告げる。テイルメッサーの訪問で、宇宙に帰らなければ成らなくなったからだ。
　はっきりしない正に対し好きにすればと突き放す成美でしたが、いざ帰る当日になると車を駆って参上。正を無理矢理助手席に乗せて、エスケープでランナウェイ。森の中を突っ切っての逃亡劇は、下手な男よりも度胸がある。
　そこまでして正を連れ去った理由が、自分の愚痴を最後まで聞いてくれたからだそうで。
　──男女の立場が逆転しているぞ、おまえら。
　そんな二人を敢えて見逃すテイルメッサー。われわれの介入することじゃないって、そりゃあんた、ちょっと無責任じゃないかい。とはいえ、地球滞在のために戸籍謄本と印籠を用意したから最低限の面倒ぐらいは見ていたかもしれない。

◆地球の秘密
　地球滞在後１５年。銀河系連盟の方針は変わらず、かえって状況は悪くなっているそうです。
　アバロン──それが地球に入ってくるテロリストの名前なのか。
　それでも、地球の秘密を見つけたかもしれないと話す正。『この星の人たちは、いい人ばかりですよ』──この正の台詞こそが、成恵の世界の世界観を端的にあらわしたものと言えるでしょう。


　この話は主要登場人物が善人ばかりなため、ストーリー展開が弱くなっている部分があります。
　監察庁のテイルメッサーは、本来成恵たちの人間関係にストレスを与える立場（悪役ともいう）であるはずのキャラクターですが、妙に物分りが良い部分があるためプレッシャーの与え方が半端になってしまい、結果としてストーリー展開が中途半端になってしまっているように思われます。
　同じことは成恵の同級生である八木はじめにも言える。はじめは本来成恵が宇宙人であることを否定する地球人側のキャラクターだったはず。それなのに香奈花の登場と同時にその辺をすっとばして成恵ともお友達になってしまった。登場人物性善説にたつこの作品では正しい態度かもしれないが、そのためストーリーの牽引力を一つ失ってしまったように思います。
　ちょっときつい言い方かもしれないけど、このままではパンチ力不足なのは否めないかと思います。
　

初出：03/ 6/ 2 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/narue_tv2.htm#8

　海水浴にきて潮干狩りとは、いじまし過ぎるぞ、成恵。（ノ´д`）ノ

◆海水浴？潮干狩り？
　せっかくみんなで楽しむために海水浴に来たのに、浜辺を掘って貝を探す成恵。あまりにいじましく貧乏くさいところが泣けてしまう（実際貧乏なんだろうけど）。
　和人が気を利かせてボートに誘おうとするも、お金がかかるからダメだそうで。そのくせ、浜辺に出ればあわびとかが取れると気づいたら乗りに行くし。
　ううーむ、オタクな和人もかなりイタいが、成恵の貧乏性はこれはこれで相当イタいぞ。

◆高速護衛艦『春名』
　香奈花とバチスカーフが浜茶屋で出会ったのは、高速護衛艦『春名』の機族生命体だった。
　ううーむ、いくら機族が人間のようにいろいろ人格を持っているからといって、戦闘艦のＡＩに戦闘恐怖症の人格を持たせるのはまずいと思うぞ。実際敵前逃亡していたわけですし。
　『機族はただの機械とは違う。人間の出来ることならほとんど何でもできる』と言ってハルナを励ます香奈花ですが、だからずっと一緒に居られるというのは……。一瞬、年もとれるのかとか、子供も産めるのかと考えてしまった私はいらぬおせっかいでしょうか。
　おまけに香奈花たちと仲良くなって、海で遊んでいくハルナたち。そういえばハルナとかバチスカーフって、機械の体で海を泳げるのかな。塩水でさび付いてしまわないか。比重が水より重くないか。質量保存の法則はどこに言ったのだろう。──と考えるのもいらぬおせっかいでしょうか。
　しかし普通軍隊においては、敵前逃亡した軍人は銃殺刑というのが決まりなのですがね。惑星連合もかなり甘いな。

◆大津波発生
　大津波が発生してサイレンを鳴らす島田オーナーや親父たちですが、放送機の故障で海水浴客に伝えることが出来ない。そこでハルナが意を決して護衛艦形態に変化して、津波を消滅させる！
　機族、まさか津波という大自然の災害まで無かったことに出来るとは、なんて便利な存在でしょう。
　しかも事後処理として、朝倉鈴ちゃんが海水浴場にいた客の記憶操作までやってしまうし。あれだけの記憶を集団操作できるのは、鈴ちゃんの能力でしょうね。
　ここらへんの安直さがいかにもＢ級ＳＦって感じですな。

◆大団円
　宇宙船形態に戻った自分の姿をみせて、島田オーナーに別れを告げるハルナ。しかしオーナーは、そんなの関係ないと答える。
　ベタベタにお約束な展開ですが、オーナー漢を見せてくれましたな。
　それに免じて、いきなり自分の女が目の前で光って宙に浮いてテレポートしていなくなって、その後に出てきた巨大飛行物体をハルナと認識したご都合は愛の力ということにしといてあげとこう。


　展開としてはお約束のご都合主義ながら、その分安心して見られるのが『成恵の世界』の楽しみ方でしょう。ご馳走様でした。
　

初出：03/ 6/ 9 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/narue_tv2.htm#9

　イタい和人再び……。今回は、声優きりりもコスプレコンテストの参加者も全てがイタいですな。

◆デートコースにアニメショップ
　成恵とのデート早々に、行きたいところと称してアニメショップ『ＭＡＮＩＭＡＴＥ』（元ネタはおそらく『ＡＮＩＭＡＴＥ』）に。
　彼女がオタクならオタク系ショップでデートするのも場合によりけりですけど、はっきり言ってパンピーの彼女を連れてくるところではありませんぜ。
　多分和人は成恵にデートを誘われて、しかしその日はどうしても外せない貝柱きりりの握手会と重なってしまったのでしょう。それで握手会なら時間もかからないだろうし、まあいいやと思って妥協したといったところでしょうが。
　甘い。人気声優の握手会でしかも当日券ありとなれば、行列待ちだけでも一時間以上かかるのは常識ですぜ。しかもただの握手会なじゃくステージまで用意されているということはミニコンサートもありということ。するとステージ終了まで少なく見積もって２〜３時間はかかる。
　お前はその間、彼女を外で待たせるつもりだったのかと小一時間問い詰めたい。
　まあ、恋人と海水浴に来て潮干狩りする成恵とはどっちもどっちという気もするけど。和人、お前も男ならせめて彼女用の入場券も購入しとけや（←論点がずれてるのはさり気に無視）。

◆コスプレ──？
　和人の無神経ときりりの追い討ちのおかげで逃げ出してしまう和人。ばったり出会ったはじめに泣きついてしまいます。そんなはじめが提案したのが、四号ちゃんのコスプレ。
　ヤオイでもないはじめがなぜコスプレという言葉を……と思ったが、良く考えてみたらＳＦはアニメと並ぶ８０年代オタクの２大潮流でした。コスプレという言葉ぐらい知っていても不思議ではないわな。
　惜しむらくははじめの場合は天文系オカルトがメインのため、ＳＦ小説とは縁遠いことぐらいか。ＳＦコンベンションに参加したことあるのだろうか。
　ところで資料集めと称してはじめが集めたアニメ雑誌が『Ｎｙａｔｙｐｅ』『ＳＡＦＥ』『アニメーニュ』『アイアニメ』『ザ・アニメ』
　──元ネタはそれぞれ『Ｎｅｗｔｙｐｅ』『ＯＵＴ』『アニメージュ』『マイアニメ』『ジ・アニメ』──
　な、懐かしい！　やはりこのアニメは８０年代の日本が舞台なのか！？　（……８０年代日本にパソコンやＤＶＤアニメ再生があればの話ですが）

◆裁縫と工作
　手作りコスプレに必要な技術はまずは裁縫。しかし成りきるキャラに小物がある場合、工作も必要になる。
　というわけで、期日ぎりぎりになってヘッドギア、ショルダーアーマーおよび魔砲を作ることになった成恵とはじめは、丸尾に緊急呼び出しをかける。男を手玉にとるとは、はじめも悪女ですな（ちょっと違う）。
　工作の部分では適切なアドバイスをする丸尾ですが、成恵はスカートをパタパタさせたり、はじめは膝の上に体を倒したり。男として認識されていないことに微妙に傷ついています。
　徹夜の制作で疲労困憊した３人ですが、眠っていた力に目覚めてラストスパート。そのままの勢いでコスプレしたまま街中を走り抜け（イタい）、コスプレ会場に乱入。……って、成恵ならテレポートできるか。成恵たちが目覚めた力は間違いなく睡眠不足ハイですな。
　しかし、どうでもいいけど通常コスプレって長物禁止なのでは？

◆コスプレの定義
　コンテスト参加者のコスプレイヤーたちの衣装は、みんなコスパショップで既製品を購入したものだった。
　審査委員長はコスプレは手作り派のようですが、私ははっきり言ってどちらでもかまわないと思っています。そりゃあ手作りで制作した衣装を否定するつもりもありませんが、時間がなければありもので済ますのも有りでしょう。
　しかしこのコンテストの参加コスプレイヤーの問題（というか否定的な描写部分）は、そんなものでは無い。
　はっきり言ってキャラクターに対する愛情ではなく、単なるコンテストへの売名行為で行っているとしか思えない。
　コスプレを行うということは、そのキャラクターの持つ雰囲気を再現すること。本来２次元のキャラクターを３次元で仮装するわけですから、最初から無理があることは分かっている。それをどういう方針でどこまで近づけていくのかが問われるものでしょう。
　それを衣装の値段だけを自慢しているようでは、コスプレする意味がない。ただの仮装です。１５万円のドレスを買ってパーティに出かけた方がよっぽど有意義です。
　たとえ１５万円の既製品でも、満足できない部分があるなら縫い直してカスタマイズする、その程度の根性ぐらいは見せて欲しいものだ。
　その意味では当初、作品も知らなかったくせに和人の気を引くためだけにコスプレを行おうとした成恵たちも同レベルでしょう。
　ただ成恵たちの場合は、睡眠不足もあるだろうけど制作していくうちにその気になってしまったようですね。
　オチでははじめもシャーマンちゃんのコスプレおこなってたわけですし。こちらは正真正銘コスプレして街を駆け回っていたらしい。イタすぎる……
　つーか、パンピーがコスプレするにはやっぱり一度は壊れなければならないのか？


　貝柱きりりといいいじめっ子少女三人組といい、このアニメで悪役を演じているのは決まってチョイ役なんですよね。たとえ一時的に対立していたとしても、レギュラークラスのキャラクターが悪者を演じることはまずありません。
　その代わり、１話限りの悪役とか何話登場しても準レギュラーでもない端役の方が、憎まれ役を演じている。
　これはこの世界のキャラクターたちが基本的に性善説に立っているため、レギュラー間同士の葛藤が生じない、あるいはすぐに解消してしまうため悪役を演じづらいところがあるのでしょう。そのため、悪役はキャラクターを深く掘り下げる必要の無いキャラクター、つまり１回限りのゲストとか端役とかに引き受けてもらっているのでしょう。
　結果として、話の奥行きが浅く感じられてしまうのは致し方ないところでしょうか。
　

初出：03/ 6/17 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/narue_tv2.htm#10