新・天地無用！　感想無用！

１０話　くちびるに 想いを託す ルージュかな

　今回は前半ラブコメ、後半はメロドラマでしたね。めずらしくおめかしした魎呼の普段は見せない女らしさと佐久耶の切ないいじらしさが良かったと思います。

　冒頭の魎呼の厚化粧ぶりはびっくりしましたね。まっしろな顔に分厚い口紅、長いまつげ……結構切れてたね。阿重霞さんたちが笑うのもむべなるかな。

　留守電でデートのバッティング。魎呼がみんなに抜け駆けして天地にお誘いをかけたかと思うと佐久耶も一緒に散歩しましょうと。一応この場合、魎呼の方が先約になるので魎呼の方に応じたのは正解なのですが……。うーみゅ天地め、一応佐久耶ちゃんにお断りの電話を入れておいたほうが良かったのではなかったのかな？

　魎呼と天地のデートは前半結構笑わせてもらいました。柄にもなくおめかしして女の人らしい姿の魎呼には天地だけでなく私も見とれちゃいました。髪型も変えて結構に合ってるんだもん。この姿を見せてもらえただけでも今回は見た甲斐があったな。
　デートシーンはどことなくずれているのが笑えました。牛丼屋で女子高生にトレンディ(笑)な牛丼を食べたり、ゲーセンのパンテングマシーンを魎呼が壊したり（とーぜんだろーなー(^_^;） プリプリワールド（プリントクラブ）じゃなくて証明写真でポーズきめたり、カラオケの採点で２８点だったからぶっこわしたり……、暴虐の限りを尽くしていますなぁ。
　あと全然関係ないけど、プリプリワールドやカラオケの採点マシンにサミーやミサが出てきたのには思わずにやりとしました。
　夜の公園での天地と魎呼は、傍から見ると恋人同士の語らいにしか見えませんね。とっても素敵でした。自分の高校時代はとてもこんな素敵な生活を送れなかったので、なおさら素晴らしく感じたのかもしれない。いつに無く素直な魎呼とか。

　一方可哀想なのは佐久耶ちゃん。いくら断りの電話が無かったからといって、昼から夜になるまでずっと公園で待っていたのですね。ずっと夢見ていたシチュエーション、学校から一人で帰ると長い影の向こうであの人が待っていてくれる、あるいはあの人を待っている。そんなことを夢見ていたのでしょうか？
　佐久耶ちゃんは恋に恋していた少女だったのかな？　だから、転校生の天地を好きだと思っていたのだろうか。転校生の素敵な彼氏と恋に落ちるなんて、典型的な運命の出会いのワンシーンじゃないですか(^_^;)

　とにかく今回は邪魔な幽戯の横槍が入らないのも手伝って、とても良かったと思いますね。幽戯が途中で妨害に入って、話のテンポが狂ってしまうのがとても心配だったのですが、さすがに必要ないこと分かってらしたみたいですね。でも、佐久耶ちゃんが「さよなら」といって別れたとき、なぜ幽戯も涙を流していたんだろうか？　もらい泣きってわけでも無いだろうし。


　でも一番気に入ったのは、パンチングマシーンや夕食時に出てきたフーセン魎呼だったりする。

初出：'97/ 6/ 3 Niftyserve FANTVA MES(13) #751

９話　かの地から 悪夢運びし 地下遺跡

　９話の感想を行きたいと思います。
　前回前々回と新・天地無用！　のバックストーリーが語られたわけですが、今回は幽戯側の背景が語られましたね。地震によって石棺の封印が破れ、幽戯が解放されたということですね。しかも封印を施したのが樹雷皇家らしいということ……これで幽戯も、樹雷皇家がらみの人間らしいことがわかりました。勝仁はこのことを知っていたのだろうか？

　冒頭のＴＶ番組、『愛の中央線』はベタベタでしたね。で、そのあとのＣＭ、「電池無用！」はちょっとにやりとしました。
　あとそれに続くチャンネル争いはらしさが出ていていいです。
　えーと、阿重霞がお昼の奥様劇場『白いカマドウマ』（だから行き遅れなんて言われるんだ）、砂沙美ちゃんが美星に頼まれて『宇宙警察ポリスマン』の再放送の録画（録画ならＴＶを見てなくてもできると思うが）、魎呼が『暴れん坊侍一人旅ファイブ』（宇宙海賊が時代劇……）、魎皇鬼がＴＶゲーム(;^^)、鷲羽ちゃんが『良い子の理科』（なんで宇宙一の天才科学者が小学生向け教育番組を）、で、火美猛が『男の楽しい３分料理』
　で、鷲羽ちゃんが出した発明品「バイバイテレビ」を出しますが……ＴＶの中枢駆動部にミドコンドリアの分裂ＤＮＡを組み込んだのはいいけど、分裂しすぎて部屋を突き出して暴発……。しかも鷲羽ちゃん一人が逃げ遅れて。鷲羽ちゃんらしくないぞ。今回の鷲羽ちゃんは、ほんとに魎呼・阿重霞レベルで騒いでるだけですねー。

　遺跡発掘の社会見学で、天地は馬之介や尼ヶ崎とともに穴に落ちて地下遺跡に。そこで出会ったのは、破壊された石棺と樹雷のガーディアン（名称不明）。尼ヶ崎王国なんて世迷言をほざいている尼ヶ崎はほっといて、三千五百年前に幽戯がここで封印されたということですね。
　二体のガーディアンは最初天地たちに攻撃をしかけますが、そこへ都合よく阿重霞（とミホキヨ）がやってきます。阿重霞の命でガーディアンたちは一旦退きますが、幽戯のちょっかいで暴走させられます。
　阿重霞のピンチにガーディアン阿座化と火美猛が文字どおり飛んできて（しかし岡山から東京まですぐに駆け付けられるものなのだろうか？）暴走ガーディアンと交戦します。傍からみてると丸太どうしてぶつかりあっているようにしか見えないのが間抜け(^_^;)
　結局最後は阿座化・火美猛の新天地オリジナルの武器でやっつけました。阿重霞の口から石棺が樹雷の封印であることが明かされます。
　幽戯は地球を自分の遊び場かなにかにしたいのでしょうか？

　最後になりましたが、今回はストーカー（じゃないけど）佐久耶ちゃんが元気ありませんでしたね。その分ネタばらしがスムーズにいった回でしたけど、来週はまた元気な姿を見せてくれるのかな？
　しかし、佐久耶が下手に頑張ると「天地無用！」らしくなくなるのがつらいとこなんだよなあ(-_-;)

初出：'97/ 5/27 Niftyserve FANTVA MES(13) #718

８話　気がつけば 貴方がずっと そばにいた

　今回は前回の続き。天地と女性陣がどのようにして親しくなったかを述べていましたね。

　母の形見の首飾りの宝玉が、見た事もない（それこそ視聴者も(笑)）大剣にメタモッて魎呼を返り討ちにしてしまった。戸惑った天地が勝仁に詰め寄ります。このとき勝仁が、いつかその宝玉を使うときがくると言います。あからさまな伏線ですが、これは今シリーズの幽戯のことを指しているのでしょうか？
　もし幽戯の事件を指しているのなら、今シリーズの勝仁は幽戯のことを予測したことになります。天地の能力も幽戯関係かもしれないと推測できます。
　私は今回の新・天地が「天地無用！」という大河ドラマの中の１エピソードを扱っているものと邪推していただけに、ちょっと意外でした。もしそうなら、新・天地の世界の中では幽戯がメインの事件という事になるのですから。
　もっとも、新・天地は「天地」のパラレルワールドでもあるのですから、そういうのもありかもしれませんが。

　天地が阿重霞の看病を一生懸命しているというのは、天地らしくて良かったです。ＯＶＡでも前作のＴＶでも、天地と阿重霞の出会いは典型的なボーイ・ミーツ・ガールでしたから。
　年頃の男女が出会い、心を通わすうちに恋におちてしまうという……、もっとも恋に落ちたのは阿重霞だけで、天地は家族程度にしか想っていないのですが(^_^;)

　逆に魎呼と天地の方はちょっと違和感感じましたね。うまく言えないけど、なんか魎呼らしくないというか、いくら治療中だからといって、魎呼が眠れる森の美女(爆笑)をやっているのですから。
　しかし魎呼の気持ちの流れからすると自然な経緯かもしれない。最初、自分を負かした天地が憎かった、許せなかった。しかし毎日天地に言葉をかけられていくうちに、しょうがねえ奴だと思えるようになってきた。そのうちに、こいつなら負けても仕方ないかと許せるようになり、憎悪がそのまま愛情に転化した、と。こういうことじゃないのかな？
　しかしやっぱり描写が不十分だったというような気がしますね。時間的な制約はあるのでしょうが、今回の魎呼は嫌な役なのでなおさら丁寧に書いて欲しかったです。

　最終的に首飾りの宝玉は魎呼達がばらばらにして一つずつ持つようになりました。あの宝玉にどんな力が込められているのかはまだ分かりませんが。

　分からなかったのは幽戯の動向。佐久耶がかわいそうだと言うのはよしとして、あのズイモトサトルとかいうお猿狗麗卑吐を出した目的はなんなんでしょう？
　きっと、天地と柾木家の女性陣の宝玉を盗みだすことで、天地との絆を断ち切ろうとしたのだと思いますが。しかし逆に魎呼と阿重霞に佐久耶ちゃんが濡れ衣を着せられて嫌な思いをさせられましたからね。
　最後には天地と柾木家女性陣との結束の固さを見せつけられて。岡山まできて想いを伝えようとした佐久耶ちゃんの苦労も報われません。もっとも、勝仁と信幸に気に入られたらしいという効果はありましたが。

　宝玉がなくなったときに活躍したのが鷲羽ちゃんの発明品、宝玉探知機。天狗の鼻が指した犯人が魎皇鬼！　じゃなくてその後ろのお猿狗麗卑吐だったのには笑えました。一瞬びっくりしたもんな、私も。

　あと幽戯。あっさりお猿狗麗卑吐が敗れたのを見て「結束の固さが分かっただけでも良しとするか」とか言ってましたが、本当に今後にフィードバックするつもりなのでしょうか？

初出：'97/ 5/20 Niftyserve FANTVA MES(13) #687

７話　恋い恋いと 呼ばれたるかな 宇宙船

　今回は天地たちの出会いと世界観が描かれましたね。久々に天地らしい（ってこれ、一応「天地」なんだけど）ものを、見せていただしました。やっぱり幽戯と三つの僕や狗麗卑吐（こまびと）達が出てこなかったのが良かったのでしょうか？

　まず、佐久耶ちゃん。先週、あんなにやんわりと交際を断られたにもかかわらず、すごく積極的ですね。天地を見送りに新幹線ホームまでいったり、思い切って岡山まで押し掛けたり。
　とくに先週、あれだけ気まずい雰囲気で別れたのに、それを全然引きずっていないのはどうしてでしょうか？　お友達から始めましょうといって仲直りしたのかな。ちょっと先週と繋がらないのが違和感感じました。

　天地記念日に盛大にパーティの準備をする天地ガールズたち。しかし、先週お金に困って砂沙美の貯金箱にまで手を出そうとした女性陣たちのどこにパーティを行う余裕があったのかはこれまた謎ですね。ちょっと突っ込んじゃいました。

　天地達のの出会いのシーン行きます。

　まず魎呼。
　魎呼の双蛇モドキはずいぶん小さいですね。阿重霞の乗る樹雷の木造船よりも小さいし、双蛇モドキが墜落してできた湖があれだけの大きさしかないんですから。まあ、ＯＶＡ版神我人の双蛇に比べるのが間違っているのだろうけれども、ずいぶん違和感ありました。
　あと、樹雷から樹雷の力を封じ込めた樹雷鉱石を盗みだしたというのも新しい設定ですね。追い詰められた魎呼が樹雷鉱石で怪物化するというのも、なかなかグロテスクです。

　次に阿重霞。
　阿重霞の乗ってきた木造船は龍皇……ではなくて阿重瀬なんですね。樹雷の最新鋭戦艦だとか。しかし最新鋭にしては、地球に降下したあと、雷一つで木っ端微塵になっちゃったみたいなんですけど……。
　あと、切れやすい性格は相変わらずで。

　３番、砂沙美。
　砂沙美ちゃんと魎皇鬼は、やっぱりこの時から一緒だったんですね。とうとう魎皇鬼は砂沙美ちゃん専属か。
　あと、天地と最初にであったのが砂沙美ちゃんだというのもおいしいかな？

　４番、ミホキヨ。
　ミホキヨの乗ってきた宇宙船は矢神ではありませんでしたね。どっちかというと、ＯＶＡ版の美星の宇宙船に近いような気が。
　魎呼を捕まえれば、辺境から栄転、昇進出来ると胸算用する清音がいじましい。やっぱり美星とコンビを組んでから、運に見放されていたのか。

　最後、鷲羽ちゃん。
　研究資材確保のため、魎呼に雇われて手を貸す鷲羽には驚きました。そんな可能性、全然考えてなかった。やっぱり鷲羽ちゃんは、魎呼や阿重霞ぐらい手玉に取らないといけませんね。
　おまけに完璧に近いバリアーだが、エネルギー消費量を考慮してなかったとかいうのも鷲羽ちゃんらしくない。鷲羽ちゃんは、もう少し抜け目がなくちゃ。
　どうも鷲羽は、ＯＶＡ版や劇場版みたいな超然とした部分がまったくなくなってしまったようですね。なんか魎呼や阿重霞たちと同レベルで騒いでいるだけという気がします。よくも悪くもすべてを見透かしているような部分があるのが鷲羽なのに……。

　まあ、こんなところでしょうか。と、そうそう天地を忘れてました。
　天地が持っていたクリスタルは母親（この世界でも阿知花？）の形見らしいですね。しかも幾つか束になっていて、天地が危機に迫ると奇妙な形の剣に変わってしまいました（天地剣ではない）。いまは記念に天地と女性陣達が一個ずつクリスタルを持っているみたいですけど。
　やっぱり新・天地でも、天地は樹雷の血をひいているのだろうか？　それともこの力を狙って、幽戯たちが天地にちょっかいかけているのだろうか？

初出：'97/ 5/13 Niftyserve FANTVA MES(13) #627

６話　誘われて 不思議の国の 迷宮

　今回も、なんといってよいのやら(^_^;)

　新天地の話が進むにつれて、ますます情けなくなる一方の、「砂沙美ちゃんを除く」女性陣一同。わずか８才（だとおもうけど）の女の子の貯金箱を狙う、大人の女性５人の情けなさは、もう言葉にしたくありませんね。
　お金が切れて生活苦しい宇宙海賊に、帰す宛のない借金のために装備を質入れしていたＧＰ、モルモット代捻出に四苦八苦する宇宙一の天才科学者、そして借金してまで美容に力を入れる実の姉……。砂沙美ちゃんが恐がる気持ち、よく分かりますね。

　で、天地の元に逃げてきた砂沙美ちゃん、天地と東京にショッピングに出かけますが、そこで砂沙美ちゃんに興味を抱いた幽戯に出会います。今回の僕は東日流（これ、なんて読むのかな？　「つばる」って聞こえたけど）（正解は「つがる」でした）。東日流の経営するアンティークショップで出会いを演出します。 　しかし、この出会いってやはり前作の美零ちゃんとの出会いを思い出しますね。でも、同じお友達でも実際の役割はミサ様(^_^;)　金髪だし……。なんかであったけど、砂沙美ちゃんのお友達って本当に普通なのがいないねえ(-_-;)　（動物に幽霊に二重人格者に今回は妖怪の親玉だからなあ）

　でも、最後まで幽戯ちゃんの心配をする砂沙美ちゃんがよかったですね。そういえば天地も砂沙美ちゃんとショッピングしているときに、「デートみたいだね」って何気なく言っちゃったりして、赤くなった砂沙美ちゃんが良かったです。あと、佐久耶の恋人としてのお付きあいをしっかりと優柔不断に断る天地もらしくてよかったです。今回はこういうさり気ないシーンがあっただけでも良しとしよう。

　さて、以下は蛇足ですが。
　今回の天地は剣道の達人だという設定はなくなったのでしょうか？　運動不足を砂沙美ちゃんに指摘される天地が情けないです。
　飽食の時代に空腹に悩まされる柾木家居残り組は自業自得ですね。普段お世話になっている砂沙美ちゃんをあそこまで追い詰めたのはあなた達ですから。
　鷲羽ちゃんはＯＶＡ版じゃ料理はそこそこ上手だったのに、今回はぜんぜんからきしなのね。その方が話としては面白いんだろうけど。

　次回は柾木家の宇宙人居候たちと天地との出会いが描かれるみたいですね。やっぱり前作とは世界観が違ってたのかな(-_-;)

初出：'97/ 5/ 7 Niftyserve FANTVA MES(13) #556