新・天地無用！　感想無用！

２０話　初夏知らず ミホキヨ、ドタバタ 潜入捜査

　ＪＵＮです。新・天地無用！２０話の感想行きます。
　うーん、いい話だ。宇宙海賊に戻ってしまった魎呼を潜入操作しているうちに、柾木家にいた頃の仲間意識を思い出してしまい、本来の目的を忘れて魎呼を説得する美星と清音。ミホキヨに対して素直になれない魎呼と、かつての親友を思いやる美星や清音の思いやりがしっとりと表現されてて、傑作とは言わないまでもなかなかの佳作にまとまっていると思います。
　……………この話だけだったならね！！(`_')

　いい話なんだけど、いい話なんだけど、素直に楽しめなかったのだ。その原因は清音、お前だ！
　はっきりいって先週、阿重霞がやってきた時にあれだけけんもほろろだった清音が、今週いきなり魎呼の説得役にまわるという展開そのものが信じられない。あれだけ出世の鬼に成り下がった清音が、過去の友情も思い出も振り切って魎呼逮捕に全力を尽くす（で、お約束通り失敗する）という展開なら納得できる。キャラの扱いは別として、人間として当然の感情の流れだからだ。しかし、柾木家の事は忘れたいのとか、魎呼と仲間だと思われたら逮捕されるとかまで言っていた清音が、魎呼相手にお姉さん役を演じてまで説得するとは思えない！！
　今回の話は、魎呼も美星も清音も、それぞれ本来のキャラクターの持ち味を十分に活かしていた。この話だけだったらそこそこ楽しめるいい話だっただけにもったいないのだ。はっきりいってシリーズ構成が全然できていないとしか思えない（ああ、言い切ってしまった。情けない(T_T)）。


　さて、今回は最初に一番言いたいことを言ってしまったので、残りは補足の蛇足です。

　冒頭、期末試験を受けている天地たち。このシリーズの天地は秀才なんですね。佐久耶と並んで秀才カップルと呼ばれています。他のシリーズでの天地は平凡さ以外にほとんど取り柄の無かった天地なだけに意外。それでいて友達たちの中心にいるわけだから、これはもう人徳ですね。
　しかし佐久耶よ。普通秀才はストーカー行為はしないと思うぞ。

　魎呼はミホキヨをからかって楽しんでましたね。もっともあれだけマッチョな手下しかいない魎呼のアジトに、女性であるミホキヨが変装して潜入操作なんて、バレて当たり前。本当にこいつら特級刑事か？
　しかし鷲羽ちゃん特製の隠し芸セットを使って火を吐く美星ってのも結構きてたな。清音、いと哀れなり。
　その秀眞の集めた手下というのが、まるでショッカーの戦闘員かポリスマンだし(^_^;)　しかも最後はギャラクシーポリスの攻撃からアジトを死守せよなんて、捨て駒にしたてるし。だんだん秀眞が本性を表しはじめましたね。ミホキヨと魎呼の仲が元に戻るのを阻止しようとして、ギャラクシーポリス特捜課親衛艦隊に通報するし。

　最後、もっともっと柾木君のことが知りたいと、ますますストーカーの誓いをたてる佐久耶ちゃん。今度はなにをやってくれるのだろうか？
　その佐久耶ちゃんを後押ししていた幽戯は、今度はこれ以上はダメだよだなんて言ってるし。これから話がクライマックスに入るから、これ以上天地と佐久耶にラブラブになられると、柾木家の関係を戻すのが難しくなるということだろうか？　すでに話が分裂症しているから、これ以上もへったくれもないと思うのだが。


　いまいち幽戯の行動基準がはっきりわからないから、感情移入が出来ないんだよなあ。それに、柾木家でまがりなりにも幽戯に直接注意を払っているのって鷲羽以外にはいないし、その鷲羽も、天岩戸状態だし。
　幽戯側と天地側のキャラクターの意識が噛み合っていないために、話が分裂症状態になっている気がしますね。

初出：'97/ 8/12 Niftyserve FANTVA MES(13) #1027

１９話　友去りて 阿重霞告白 届かぬ想い

　今回はアレですね。またしても阿重霞の行動がスパークしています。１４話ほどではありませんが、阿重霞は熱意が空回りする役回りが多いですね。

　冒頭は天地と佐久耶のデート。佐久耶の想い（思い込み？）が通じたのか、もう完全に公認のカップルですね。尼ヶ崎や馬之介にはもう公認の彼女ですし、終盤ではまたも佐久耶は夜討ちしてるし。
　もっとも、今回は魎呼を見間違えたりとか、岡山の実家での喧騒とかを節々で思い出したりしています。とても１７話で、実家のことを無視して佐久耶ちゃんを岡山に誘っていた天地と同一人物とは思えないですな(^_^;)
　しかし馬之介よ。「まるで田舎に恋人を置いてきたような顔をしてたぞ」って、そのものずばりじゃないですか。お前はエスパーか！？w(･_･)w

　岡山では阿重霞が今の状態をおかしいと考えはじめています。
　石化された柾木家女性陣たち。とまどう阿重霞の前に幽戯の姿が。そんな悪夢を見た後、池の前で再び阿重霞は東日流と出会います。東日流はどうも、よく空回りする阿重霞を焚き付けるために現れているみたい。
　さすがにおかしいと思いはじめた阿重霞さま。そのパワフリャーな行動力で、みんなと繋ぎをとろうとしますが。
　ここでの砂沙美ちゃんとのやりとりは漫才でしたね。お味噌が切れて味噌汁は合わせ味噌にしたとか、ほうれん草はすこししなびてたとか、里芋の煮っ転がしを少し焦がしたとか。砂沙美ちゃんは冒頭寂しくなったと言ってましたけど、適応力高いみたいですね。どうこうしようとか考えていないみたい。

　それから鷲羽の研究室をこじ開けようとかしますが、全然歯が立ちません。鷲羽ちゃんは対幽戯の研究をしているみたいで。その研究室への扉を破ろうとしますが。木槌でも、ハンマーでも、のこぎりでも、電気ドリルでも歯が立たない。最後はガーディアンたちを使って、樹雷絶対破壊完全撃滅砲（ベタベタなネーミング(^^;)）を放ちますが、ちっとも破れない。さすが鷲羽ちゃん、防犯設備は完璧ですね。鷲羽ちゃんのセキュリティーを破れるのは、美星さんだけでしょう。
　次に魎皇鬼を使って、冥王星まで美星と清音に迎えに行こうとしますが。急がせたためスピード違反でミホキヨに検挙されてしまいます。阿重霞は二人に、帰ってきて欲しいと訴えかけますが、清音はにべもなく、さらに断固としてそれを断ります。しかも魎呼が凶悪な海賊に戻ったと言って、魎呼を捕まえて出世するとまで言い切ってますし。
　しっかしあれだな。ここでの清音はもう、出世欲に目の眩んだエリート刑事に戻ってますね。描き方は嫌らしいが。美星じゃないけど、この頃の清音はちょっとおかしいのって感じ。清音にしてみれば、岡山での暮らしの方が異常だったとのことですが、その分反動が出たというところでしょうか？
　さらに狂暴な宇宙海賊に戻った魎呼。秀眞と一緒に宇宙船のガイエン（漢字不明）でギャラクシーポリス相手に大立ち回りしています。こちらも岡山の暮らしでの反動が出てきていますね。魎呼も清音も岡山でのんびり暮らしていた時の反動が、宇宙に戻ったら出てきたっていうところでしょうか。あるいは天地を中心とした岡山での暮らしが得られなくなった代償行為か？
　それはそうと、今度は阿重霞さまが「天地ファミリー」(^^;)　当人達もそう思ってたなんて。

　最後に天地のところへ電話して、帰ってきて欲しいと訴えます。岡山の状況の異常さ、阿重霞が漠然と感じている不安をそれこそ切々と訴えますが、その場にいない天地には通じない。まああれだな、東京でなんの問題意識も無く、佐久耶といちゃいちゃやっている天地に感じ取れというのもアレですけど。しかし天地も甲斐性がないなあ。
　だが阿重霞の思いを込めた告白のシーンの演出は、なかなか良かったと思います。阿重霞の告白が、やかんで沸かしたお湯の音で遮られて天地には通じないという演出。阿重霞のいじらしい想いが出ていたと思います。絵柄はそれほど変わってないので、ここは声優の高田由美さんの実力でしょうか？


　全体的に、阿重霞の暴走ぶりと切実さの両面が出ていて、良かったと思います。その分魎呼や清音が嫌な役になっていますが、それはまあ、今後の展開しだいですね。


　余談ですが、今回の新・天地は、作画というかカッティングに気になる部分がありました。
　まず阿重霞の悪夢。石化のシーンですが、どうも石化の描写がありきたりというか、チープに見えます。石化される恐怖が感じられない。
　それから池の前で東日流と出会うシーンでは、最初から影に隠れてですけど東日流がいましたね。ここは阿重霞のモノローグのシーンでは東日流のシルエットは出さず、いったん阿重霞のアップを映した後のシーンでシルエットを出した方が良かったと思う。セル枚数の都合があるにしても、この程度の演出はしても良かったのでは？
　あと阿重霞と清音の取り締まりのシーンで、清音がボタンを押して消したはずのデスクが、後のシーンでまた復活していたし……。まあこちらは本当に些細ですが、なんかこういう部分にこだわりが感じられないんですよ。
　私の気のせいでしょうか？

初出：'97/ 8/ 5 Niftyserve FANTVA MES(13) #1016

１８話　離れゆく 心とこころ 別れの日

　今回の感想ですが。
　話の中心は魎呼と秀眞のピカレスク・ロマンですね。それに美星と清音の栄転話に、寂しくなる一方の柾木家の状況が絡んできます。
　ピカレスクロマンの方はシリーズ構成から見たら無くても良いような話だと思うのですが（事実「天地無用！」の色からは大幅に外れている）、しかし全２６話もあるのですから、１話くらい入れておくのもかまわないかもしれません。でないと魎呼、お前秀眞と組んで何やっていたんだ。と突っ込みいれられかねない事でしょうし。
　本来の状況から次々と状況が変わっていく中で、その変わったシチュエーションを元にした外伝的なエピソード、それが今回の話の位置付けでしょう。


　さて冒頭、銀河連邦規模のテロリスト、ベント・クーガを追いかけるミホキヨたち。大物のベントを捕まえた功績で本部栄転、エリートコースの栄光を取り戻そうと執念を燃やす清音。美星じゃないけど、
　「清音がどんどん壊れてく〜(T_T)」
状態です。第８話では好きでここに残ったはずの清音が、また第１１話の時のように出世欲に目が眩んでる(;_;) 　美星に壊れてると言われてはお終いだと思うのですが。
　そのベントですが、辺境の地球付近にワープアウトしたのはベントにとっても不測の事態みたいでしたね。画面には出てきませんでしたが、幽戯がミホキヨに手柄を立てさせるために影で仕組んでいたのでしょうか？
　それと気になった点、今までの天地無用！では美星のお守役（突っ込み役ともいう）として清音がいましたが、新・天地では清音のおまけに美星がいるように見えるのは私の気のせいでしょうか？　まつやさんがおっしゃってるように、どうにも美星の役割というか存在意義が見えてこないのですけど。（補注：まつやさんは、Ｎｉｆｔｙでよく発言している。的確だが激辛な感想をアップすることで有名）もっとも美星の最大の特徴である「超幸運の持ち主」という設定がほとんど描写されていないため、その分影が薄くなっているのでしょうが。
（はっきり言って今までの話の中で、美星がいないと成立しない話なんてほとんどないような気がする(;_;) かろうじての例外が第５話のアルバイトの話と第１１話の魎皇鬼家出の話だけど、あれは幽戯側の陰謀がワケワカメだったりそもそも話として成り立っていなかったりしたからなあ）


　そしてメインは魎呼と秀眞のピカレスク・ロマン。銀河連邦銀行本部に銀行強盗に入りますが、ここらへんは内容がないようも同然なのであらすじはパス。しかしこの部分、難攻不落の銀行強盗に入る、息つまるスリルとサスペンス……銀行側のセキュリティ対魎呼＆秀眞の知能ゲームのはずなのに、ギャグに走るのはちょっと関心しないなあ。まあ、宇宙海賊とはいえ肉体派の魎呼に知能犯罪が無理なのは分かるけど、中途半端にギャグかましたおかげで興が削がれているところがあると思うんですけどね。
　この話、銀行セキュリティおよびギャラクシーポリス対魎呼＆秀眞の海賊コンビの本格的な銀行強盗劇にした方が、天地無用！らしくなくてかえって印象に残る良い話になったと思ったんですけど、どうでしょうか？　またその方が、魎呼と秀眞の関係もより一層深まったと思うんですけど。
（魎呼と秀眞の関係が深まれば深まるほど、魎呼が天地じゃなくて秀眞を信頼する理由もできるし、例えば後の話で秀眞が裏切ったときの効果も高くなる）
　あと不思議に思ったのは、魎呼の光線が曲がるほどのマイクロブラックホールの重力場で、なんで警備ロボットや魎呼達が普通に動けるんだろう（←無用なつっこみですね(^_^;)）


　終わりに、指名手配犯逮捕の功績によって特級刑事に昇進し、冥王星に出来た第６２ギャラクシーポリスステーションに栄転が決まった清音と美星。栄転をずっごく喜ぶ清音と別れたくないと駄々をこねる美星ですが、結局は別れてしまいます。
　鷲羽ちゃんはずっと研究室にこもりっぱなし。おそらく１４話と同じ理由で幽戯対策に没頭しているのでしょうが、それにしては１５話、１６話で東京に遊びに出かけていましたね。ここらへん、キャラクターの感情の流れが矛盾しているのでちょっと気になります。
　そして柾木家は、阿重霞と砂沙美、信幸と勝仁だけが残る。崩壊寸前の天地ファミリーに阿重霞が悲しみます。そして何かの予兆ではないかと熟考する勝仁。何かどころか既に幽戯に宣戦布告されているんだから（１３話参照）、それに気付かんかい！なんて思っちゃったりしましたね。
　今回はこの程度ですが、まだまだ崩壊過程は続きそう。柾木家の積み木崩しですね。

初出：'97/ 7/29 Niftyserve FANTVA MES(13) #999

１７話　彷徨よいて 宇宙の彼方に 魎呼たつ

　さようなら、魎呼。貴方のことは永遠に忘れない。
　というのは大嘘ですが、前回の衝撃のキスシーンを受けた魎呼は、当然ながら大ショックみたいでしたね。そこに駄目押しを畳み掛ける幽戯たち。いよいよ天地ファミリーの切り崩しがはじまります。
　一方既成事実を獲得したストーカー少女佐久耶ちゃんは、こちらも天地のマンションに入り込みます。夜討ち朝駆けまでやってしまって、新・天地が深夜枠の放映だったら、一晩お泊まりという状況ですな。夕方枠の放映で良かったのか悪かったのか。
　天地も天地で、昔話を話したりして一緒に岡山行きの約束までしてしまいます。昼間（前回）あれだけ阿重霞たちと気まずく別れたというのに。うーん、普通なら佐久耶を応援してやっても良いかなと思うところですが、佐久耶の後ろに明らかに幽戯の陰謀が見え隠れしていますので、一視聴者としては純粋に応援できないところが辛い。

　前回の話は新・天地のターニングポイントで、ここから終盤にかけて一気に話が展開していくシナリオ構成だと予想できます。襲撃を受け、秀眞の誘いに乗ってしまう魎呼。東日流の誘い水に、天地に電話をかけてさらに疑惑を深めてしまう阿重霞。そんな柾木家の異変を知らず、佐久耶と青春ドラマを演じてしまう天地。見ていてイライラさせられますが、さすがにシナリオでなにを描きたいのかが明確なだけあって、ドラマの流れがけっこう自然です。
　第１クールはシリーズ構成上その大部分の話が新・天地世界でのエピソードの積み重ねを主目的としていたと思います。しかしその分各話のエピソードでどうすればよいかスタッフの側も混乱し、キャラ描写の矛盾やストーリーの空回りが目立ってしたように思います。うーん、ファンの誘い水となるべき序盤での失速なだけに残念。しかし第２クールでは、今まで積み上げてきたドミノを倒すようにドラマが展開していく構成と思うので、その分何をやるべきか分かり、各話のストーリーもしっかりしてくると思いたい。

　キスシーンの衝撃を受けた魎呼に襲撃する無数のギャラクシーポリス対第１級犯罪者用戦闘バイオロイド。幻の屋形に紛れ込み、そこで秀眞に助けられる。秀眞は魎呼を説得し、一緒にコンビを組んで海賊稼業をやろうとさそう。今回は今までのまわりくどいやり方に比べて実にシンプルで分かりやすい(^_^) 　最初は拒絶していた魎呼だが、天地と佐久耶のキスシーンを思い出して、また戦闘バイオロイドの攻撃もあってついにぶちきれ、秀眞の誘いに応じてしまう！
　うーん、天地を信じていた分裏切られた思いが高じ、またＧＰの攻撃を受けて居場所をなくしたような思いのところに甘い誘いの言葉を受け、気の迷いから応じてしまったということろでしょうか？　ラストでは秀眞の宇宙船で地球を離れます。実は幽戯と秀眞が仕組んだこととも知らずに……。

　一方天地に拒絶された阿重霞さま。柾木神社の境内をさまよい歩き、神木のある池で東日流と出会います。東日流は阿重霞に巧みに粉をかけ、天地と佐久耶のキスシーンを見せます。そして透明なカードを渡し……。
　翌朝、天地に電話をかけるか迷う阿重霞。砂沙美が気を利かせて天地に電話をかけて間を取り持つが、天地は阿重霞の思いを知らず、さらに阿重霞は疑惑を深める結果に……。いや、あれじゃー完全に誤解（理解？）したかも。

　今回はシリアスなだけに（ギャグが全然なかった）、構成はしっかりしていました。天地が離れていったため求心力を失った天地ファミリーが分解し、離散していく様をみせてくれるのは辛い部分があるのですが。


追伸：
　なんかこの感想書いてたら、ステロタイプで勘違いな天地無用！を見せつづけられた今までのファンが離散していく姿が魎呼や阿重霞の姿とだぶっちまったような気がした(^_^;)　で、一度バラバラになった天地ファンが新たに集合してくるのが新・天地無用！のテーマだったりして。
　……………冗談です、真に受けないで。

初出：'97/ 7/23 Niftyserve FANTVA MES(13) #987

１６話　桜散る 華の都の 恋模様

　ＪＵＮです。今回のサブタイトルは１話のタイトルに対応してますね。ってなどうでもいいことはほっといて、今回は佐久耶のラブラブ成就！　魎呼衝撃ってな内容でした。８話の魎呼とデートとは対照的な話でしたね。


　冒頭、文化祭（天満宮白鳳祭）で、佐久耶たちのクレープ屋を手伝う天地。友人の馬之介がいい味だしてます。女の子たちが後ろで佐久耶に天地との仲をはやし立てているのを聞いて、赤くなってますね。

　一方、前回暗黙のうちに戴いた信幸のへそくりで東京、渋谷に向かう阿重霞たち女性陣。
　魎呼だけは一度は行きませんが、ここら辺の魎呼の扱いは丁寧ですね。天地にも付き合いがあるとか、クソまじめな天地が佐久耶といちゃつくわけがないとか、魎呼とは思えぬ(笑)ほどの気配りぶり。でも退屈になって後から東京へテレポートするあたりが魎呼らしい。

　それとは対照的なのが阿重霞たち先発隊。もうすっかりギャグ用員(T_T) もっとも、中盤のドタバタ騒ぎのためにはしょうがないとは思いますが。
　まず、天地の部屋についたとたん、鍵のかかった玄関をパワードグローブで破壊する鷲羽ちゃん(O_O;)　文化祭に着いたら着いたで、まず射的にＧＰ用のブラスターを使う美星。生物部の実験動物にされそうになってロボットにメタモる魎皇鬼に、おばけ屋敷で結界を張る阿重霞さま。そして迷路を走るラットロボットを勝手に改造して鷲羽ちゃん特製ラットロボットに変え、校内を爆走して止められなくなる鷲羽ちゃん(^_^;)　魎皇鬼にはまだちょっと情状酌量の余地があるけど、周囲に一般人しかいない文化祭でこんな騒動やられた日には歩く迷惑ですなー。
　そしてついに天地はプッツンします。当然といえば当然ですけど、我慢の限界にきたのでしょうね。とうとう「迷惑なんだ、帰ってくれ」と叫んでしまいます。自業自得とはいえおとなしく帰ってしまう阿重霞たち。

　一方後夜祭では、天地と佐久耶がいい雰囲気になってついにキス。あそこまでうまく雰囲気を盛り上げられると悔しいけど少しは納得してしまう。かつてはただのストーカー女だったのにやるようになったな、佐久耶め。
　そしてそこを、後からやってきた魎呼が目撃！！！　今まで天地を信じてきただけに、反動もでかそう。思ったけどスタッフは、天地ファミリーの中で魎呼だけを別格に扱っているような気がしますね。対佐久耶のヒロインにするつもりかしらん？
　そして今回見ていただけの幽戯。何もしないうちにとうとう蒼い水晶とピンクの水晶がくっついてしまいました。下手に動かない方が目的が果たせるという気がするのは、私の気のせいでしょうか？　変に狗麗卑吐を出さなかったため、却って良くなったような気がします。もっとも今回は、特製ラットロボットが狗麗卑吐の代わりをしていたんですけど。


　ドラマの演出や盛り上げ方もなかなかで、今回ケチをつけられるとしたら阿重霞や鷲羽達のキャラクター性ぐらいのもの。第１クールに比べると格段に良くなっています（単に第１クールが低レベルすぎただけという話もあるが）。
　これから佳境に入るのですが、このレベルを維持できるのでしょうか？　維持してくれたら嬉しいのですが。



　蛇足ですが、魎呼の見ていた昼メロ「愛の巨大隕石」はなかなか切れた話でしたね。魎呼じゃないけど、実際こんな話があったら呆れてしまふ。
　それと幽戯が「天地ファミリーの崩壊が始まる」といいましたね。天地ファミリーとは天地という作品の外から、天地レギュラーに対して付けられた名前で、作品内部で使うような名称じゃないと思ったのだが(^_^;)

初出：'97/ 7/15 Niftyserve FANTVA MES(13) #967