９８年冬のアニメの感想(2)
今冬放映していたアニメの２月２日時点における独断による評価です。★５つで満点です。
勇者王ガオガイガー（テレビ朝日系 毎週土曜夕方５時、１月３１日放映終了）
絵 ★★★★★
キャラ ★★★★★
ストーリー ★★★★☆
機界３１原種との最後の決戦は、未知のエネルギー「ザ・パワー」を巡る木星での戦いだった。衛星に寄生した原種たちをザ・パワーの力で次々浄化する勇者たちだが、原種もザ・パワーの力を得て合体、Ｚマスターに変化する。キングジェイダーたちの犠牲もあってＺマスターは倒され、機界浄化との戦いも終結したかに見えた。しかし地球に戻ったガイたちを待ち受けていたのは、卯都木命に寄生して進化した新たな機界新種・ゾヌダーによる、機界浄化を越える物質浄化だった。
私は途中からしかしか見ていないが、これぞヒーローものの決定版！ といったかんじの作品で面白かった。ストーリーにはご都合主義的な部分も多かったが、それを補って余りある熱いスピリットは問答無用の迫力があってかっこいい。最終回、新種の機界生命体たちを倒しに銀河へ旅立つマモルのラストシーンは、勇者と少年の友情というテーマに添っていて良かったと思う。
キューティハニーＦ（テレビ朝日系 毎週土曜夕方５時、１月３１日放映終了）
絵 ★★★☆☆
キャラ ★★★★☆
ストーリー ★★★☆☆
パンサークローとの最終決戦、人間の欲望を糧に何度でも復活するシスター・ジルとパンサー・ゾラ。ハニーはゾラに取り込まれ、ゾラごとダイヤモンドに物質変換することで決戦に終止符を打つ。そして３年後、早見青二と結婚して娘・聖羅を儲けたハニーは、お預けになっていた結婚式を執り行おうとしていた。しかしその日・パンサークローも復活していたのだった。
最終回としてはよくある、戦いはまだまだ続くという話でなかなか無難にまとめてある。旧作ではハニーの身代わりになって殺される秋夏子も、最後まで生き残っていたのはよし。シスター・ジルもフリンス・ゼラも独自の屁理屈で強引に復活して、話は終わってもハニーの戦いはまだまだ終わりそうにない。
烈火の炎（フジテレビ系 毎週土曜夜６時３０分、放映中）
絵 ★★★★☆
キャラ ★★★☆☆
ストーリー ★★★☆☆
紅麗に付け狙われ、暗黒裏武闘殺陣に出場することになった烈火・風子・土門・水鏡の「チーム・火影」。もし負けることがあれば、治癒の力を持つ少女、佐古下柳（姫）を紅麗たちに差しださねばならないのだ。陽炎の援助もあって、魔導具や八龍の力を引き出して裏武闘殺陣に挑む。
時間帯といい絵柄といい話の組み立て方といい、「幽々白書」の続編といっても信じてしまいそうな作品である。紅麗の屋敷や裏武闘殺陣などの決戦方式は、原作がサンデー掲載にも関らず往年のジャンプパターンを踏襲している。戦士達の異能力を魔導具に頼っているため、本来Ｏ−パーツであるはずの魔導具が山ほど出てくるなど、不自然な点も目につく。絵や動きに関しては、はっとするほど動きのいい回もあればそれほど動きの良くない回もある。しかし、アニメとしての水準は十分に合格している。
万能文化猫娘（テレビ東京系 毎週水曜夜６時、１月７日放映開始）
絵 ★★★★☆
キャラ ★★★★☆
ストーリー ★★★☆☆
夏目温子ことヌクヌクは夏目龍之介が拾ってきた元子猫。父親である天才科学者、夏目久作が作った万能人型アンドロイドに移植されたことによって命を救われたのだ。人間らしさを求めて高校へ通うヌクヌクだが、そこへ悪の企業ミシマインダストリィが現れ、今日もヌクヌクは正義の味方に大忙しである。
高田裕三原作のこの作品、実はコメディである。正義オタクの久作におかしなクラスメートたち、悪の秘密結社かぶれのミシマインダストリィなどまともでない人間ばかりで、マトモなのはヌクヌクの飼い主である龍之介ただ一人という恐ろしい状況である。人物登場時にキャラ紹介のテロップが入るのはいい演出だが、それが毎回になるとくどい気もする。全体的に王道をいっていて良し。
ＡＷＯＬ（テレビ東京系 毎週水曜深夜１時４５分、１月７日放映開始）
絵 ★★★☆☆
キャラ ★☆☆☆☆
ストーリー ★☆☆☆☆
テロリスト・ソロモンの襲撃を受け、極秘開発中の７基の惑星弾道弾を奪われる連合軍たち。迎撃システムＰＬＰを担当する天才プログラマー・ピートがソロモンに通じており、システムを乗っ取られた連合軍側は打つ手が無くなってしまう。特殊部隊を派遣して惑星弾道弾の回収とテロリストの壊滅を目論む連合軍だが、作戦は失敗。特殊部隊は壊滅してしまう。そして連合軍少佐、ジムは……。
まず、構成からして間違っている。誰が主人公か序盤で分からないようなアニメは娯楽として失格である。おまけにキャラも立っていない。確かに登場人物の行動にはリアリティはあるが、リアルさに埋没し過ぎてキャラとして訴えてくる部分がない。さらに最悪なのは、画面を見ててもストーリーが見えてこない点である。パソ通仲間の中には、１回目の予告編を視ただけで録画から外したという奴もいるほどである。今のところ、お薦めはできない。
星方武侠アウトロースター（テレビ東京系 毎週木曜深夜１時４５分、１月８日放映開始）
絵 ★★★★★
キャラ ★★★★★
ストーリー ★★★★☆
惑星センチネルIIIで賞金稼ぎをしていたジーン・スターウインドウとジムは、アウトローのヒルダの手によって宇宙海賊との抗争に巻き込まれ、宇宙へと旅立つことになる。その際、生体アンドロイドのメルフィナを仲間に加え、最新型の宇宙船の居場所に向かう。海賊達の抗争の最中、ヒルダが殺られてしまったが、ジーンは宇宙船にアウトロースターと名付け、宇宙に駆け出す。
独特の宇宙観と世界観を持つ作品だが、話は分かりやすくＳＦアニメかくあるべしという見本のような作品である。キャラクターも宇宙恐怖症のジーンに大人びたガキのジム、「なぜ私はここにいるの」のメルフィナなどキャラの立ちまくった連中ばかりである。ジーンを宇宙へと導いたヒルダが４話で亡くなったのは惜しいことをしたが、今後の展開が楽しみな作品である。
初出：'98/02/02 http://www.3web.ne.jp/~junhelm/talk/anime_03.htm
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