アニメのメモ帳


舞-HiME
第１話　「それは☆乙女の一大事」　(9/30)
　今期から始まる新番組その１。
　実はこの時間帯は、来週から「下級生２」「なのは」のｔｖｋと、「ジパング」「ローゼン」のＴＢＳに挟まれた真ん中にあるため、視聴が難しくなります。今週見れたのは１週だけ開始が早かったから。なんというか時間帯が不遇です。
　あらかじめ言っておきますが、私は原作を読んだことはありません。従ってファンの方には感想が勘違いになっているかもしれませんが、そこら辺はご容赦を。
　作品評価ですが、第１話としては十分に合格点を上げられます。アニメの第１話は視聴者に如何にして面白さを伝えさせ、作品世界に引き込むかが一番大切です。前半は弟と一緒に風華学園へ船旅へ向かう鴇羽舞衣が、少女の人命救助に関わったのがきっかけで一気に非日常的な戦いの世界に巻き込まれる。話の緩急の取り方が非常に上手い。
　また戦闘シーンの描き方も秀逸です。特に刀を振るう少女（命）の描き方。自分の背丈より長い刀を持つ少女が、刀に振り回されながらも円を描くように引きずって威力を高めつつ放つという演出がたまらなく上手かった。それに比べれば機械獣を従える少女（なつき）や舞衣本人の能力はいささか（画面演出的に）見劣りする。がんばれ、主人公。
　もっとも、舞衣が何に巻き込まれたかはまだ分からないため、そこら辺は保留。次回以降の解説に期待します。制作にサンライズが関わっているので、そこら辺は手抜かりは無いでしょう。というか、抜かりがあったら困るんですが。
　でも、他の裏番組との関係はどうしよう……
第２話　「ヒミツの放課後」　(10/7)
　今回は前回とは打って変わって、風華学園での出来事が主体となっています。
　生徒会やら執行部やら、いろいろとキャラクターが登場してきましたけど、風華学園の生徒会はHiMEの戦いのことをどこまで知っているのでしょうか？　どうやら知らないっぽいみたいです。
　双銃と機械獣を操る女、なつきが同じ生徒であると知って、拾ってきた刀を振り回す少女を探す舞衣。命（みこと）という名のその少女は、物凄い野生児でしたね。ほとんどペットか愛玩動物。食べ物で釣られるところなんて、「大運動会」のターニャを思い出しました。
　弟の巧海が化け物に襲われているのを知り、なつきのバイクの後ろに乗って駆けつけるなつき。化け物に襲われて能力を発揮するというのはどこかで見たような展開ですので、今回の評価はちょっと低い。さて、来週は戦闘シーンで魅せてくれるか？
第３話　「炎の舞／星の誓い」　(10/14)
　前半Ａパートは化け物（オーファン）と鴇羽舞衣、玖我なつき、美袋命たち HiME との戦い。HiME としての舞衣の守護者（チャイルド）がカグツチという超巨大な機械獣（まだ言うか）だと判明。炎凪という少年はそのことを知っていたみたいですが、自分の知らない自分のことを何から何まで分かったような奴って嫌だな。
　後半Ｂパートは美少女理事長の風花真白から、オーファンと HiME のことについて聞かされる。理事長が舞衣の奨学金を許可したのは、 HiME としての素質に目をつけたから。つまり第１話のなつき対命の HiME 同士の戦いは、 HiME の本業じゃなかったのね。
　生徒会長や執行部の連中は本当に HiME じゃなさそうですな。
　野生児命とルームメイトになった舞衣。舞衣は命を、本当に餌付けしてしまいましたな。命は中等部３年で、舞衣は高等部２年。普通ルームメイトって同学年にしないかと思うのだが。
第４話　「風のイ・タ・ズ・ラ」　(10/21)
　下着ドロオーファンを捕まえるため、玖我なつきがむきになって暴れまくるお話。クールを装ってきたなつきの壊れっぷりがなんとも楽しい娯楽編でした。
　ブラも知らないＡＡカップの野生児命（みこと）と、下着コレクターのなつきの対比がおかしかった。今までなつきのキャラは戦闘専門のクールキャラとして描かれてきただけに、これでキャラが立ったというところか。
　さて、なつきの口から語られたところによると、HiME は舞衣たち以外にも何人かいるらしい。誰だか知らないけど確実に何人かはいるのだそうだ。となると、今まで登場してきた数多くのレギュラーの中にも何人かは HiME だったりするのだろうか。例えばあの生徒会長とか……
　今回のバトルシーンは、一瞬でしたけど四肢のチャクラムみたいなものを駆って空中を滑走し、オーファンに蹴りをかます舞衣の姿がかっこよかったです。このアニメはやっぱりバトルシーンがキモですね。これからももっとカッコいい演出を見せて欲しい。
第５話　「雨──。涙……」　(10/28)
　今回は、オーファンが登場したのに珍しくバトルシーンはなし。主に舞衣の事情が語られます。
　バスに憑り付いたオーファンの事故を隠蔽工作する『一番地』の組織。なつきにそれを聞かされて舞衣はショックを受ける。HiME である自分の立場を思い知らされたところか。
　そのショックと、弟の拓海の心臓病のことを知ったクラスメートたちに変に気を使われたことで二重にショックを受ける舞衣。一応取り繕ってみせたが、そのことが舞衣のコンプレックスになっているのは間違い無さそうですね。しかし楯祐一の無遠慮な気遣いの無さが、逆に舞衣の心を救ったのか。
　その、バスに憑り付いたオーファンと戦った新たな HiME ですが、今回の描写を見る限り候補は二人、バスに乗り合わせながら無傷だった日暮あかねと、バスの外側からオーファンを感じ取ったらしい深優・グリーア。深優の方が怪しいんだけど、ミスリーディングの可能性も高いから何ともいえませんね。
第６話　「もえる十七歳(^^;)」　(11/4)
　十七歳（自称）の日本史教師、杉浦碧登場の巻。その正体は、４人目の HiME だった。
　ちなみに十七歳は自称で、公式サイトによると二十四歳なのだそうだ。情報だだ漏れ、やな時代になったものだな。
　神社の土蔵の中に勝手に入って封印を解こうとしたり、その中にある歴史的価値のある稀少本に夢中になったりと学校の先生の割には思慮が浅いお方ですね。その猪突猛進さからか、HiME としての武器は槍であり、チャイルドの逆転王（碧命名）はチャリオット型の突撃タイプでした。
　まあ猪突猛進タイプなだけに勢いに乗れば強いタイプでしょう。
　あと、今回の見所は舞衣たちが巫女姿で神社のアルバイトをすることですね。HiME の徴（しるし）を見たときの反応から判断すると、宗像詩帆ちゃんは HiME ではなさそうですが。
　気になるのは冒頭部、客の中に深優・グリーアの姿を見ておびえる日暮あかねですね。前回のバス騒動を解決した HiME はどちらかなのは明らかなのですが、この反応は？　素直に考えると、HiME の力を振るった深優を一般人のあかねが目撃したと考えるのが普通なのだが。
第７話　「迷子の仔猫たち」　(11/11)
　５人目の HiME 、結城奈緒登場の巻。というより、HiME にもいろいろいるんだよというお話。
　少女売春（援助交際）を装い、HiME の力を使って追い剥ぎを重ねる中等部在籍、結城奈緒。その犯行現場を命に見られた……と思ったら翌日には仲良くなっていました。口先で丸め込まれたんだなと思ってみていたら、本当にそうだったとは。
　舞衣に子ども扱いされてすねる命を、自分の仲間に引きずり込む奈緒。奈緒の HiME としての武器は鉤爪からのモノフィラメントウィップ。チャイルドもいるみたいだけど、その姿はまだ不明でした。奈緒は、HiME としての力をどのように使おうとも勝手だ、と勝手なことを主張しましたが、実はその場にいた人間（舞衣、なつき、命、碧、凪）の全員がそれを否定していないんですよね。どうなっとるんじゃ。
　舞衣は HiME としての力に迷いがある状態だし、なつきは HiME を集めている一番地の組織を快く思っていないから否定できないのも無理ない。碧ちゃんは、まあ酔っ払いの戯言ということで説得力０の説教をかましただけで終わりでした。
　他にも月杜町には神崎黎人と晶、拓海たちも。こちらは生徒会の用事で高級レストランにご招待。楯祐一と宗像詩帆はデートでした。
　命の探している兄とは黎人のことではないかと匂わせて、月杜町の夜は終わります。崩れ落ちるビルから命を助け出すとは只者ではないぞ、黎人。
第８話　「たいせつなもの。」　(11/18)
　６人目の HiME はやはり日暮あかねちゃんでした。と同時に、HiME の宿命も語られます。
　創立祭である風華祭の風景。一流レストランが風華祭に招待されただけで格が上がるってどういうことよと思ったけど、お金持ち高校だと知って納得。本来なら、風華学園は上流の子女しか入学を許されないような格式の張った学校だったのですね。
　──その割にはあかねや奈緒のような格式や品性の劣る生徒も多いなあと思ったけど、彼女たちはきっと HiME としての力を評価されての入学だったのでしょう。
　そのあかねちゃんの HiME としての武器は変形二重トンファー。通常のトンファーにもう一本、自律回転する棒がついており、振り回すことで竜巻を起こします。チャイルドはハリーと名付けられた黄金の虎。あかねちゃんは美優に HiME として力が振るわれたところを見られていたため、美優を敬遠していたわけですね。
　今回あかねちゃんは、恋人の倉内和也くんの前で HiME としての力を振るいましたが。やはり美優・グーリアが HiME だと思わせていたのはミスリーディングだったか……と思わせておいて美優のハリーへの攻撃。ハリーは倒され、それと連動して和也君が消えてしまいます。HiME の力の代償に賭けるものは自分の命ではなく、大切な人の命だと凪が告げる。
　左手が武器に変形した美優もまた HiME なのか？　という疑問は残りますが、私は美優が素直に HiME だとは思えないんですよね。チャイルドを解析したことといい腕そのものが武器に変形したことといい、もしかしたら美優は、アリッサ・シアーズのチャイルドなのかもしれない。
　さて、あかねと同様、オーファンに追い詰められて黎人の前で HiME としての力を振るった舞衣。黎人には何も言わないでといいますが、……舞衣が賭けている大切な人は一体誰なのでしょうか？　現時点では弟の拓海だと思うが。
　あと、高等部の生徒会長が理事長代理とは一体どんな学園なんだ！？　大人たちを相手に立派に勤めている藤乃静留さんも凄いけど、もしかして真白ちゃんの親戚か何かですか！？
第９話　「海とオトメとなつきのヒミツ♪」　(11/18)
　今回はインターミッション。特に本筋というものはなく、サブタイトルのなつきのお話は後半部からです。
　前回消失した和也と、日暮あかねは長期欠席ということになっていました。凪と真白の会話から、凪が一番地に属していること、そして美優たちがそれに対抗する別組織に属しているらしいことが分かりますね。
　海へバイトに来ていた舞衣たちと、文化祭の打ち上げに来ている生徒会関係者たちが遭遇。夏休みに海の監視員のバイトとは、舞衣も大変だな。
　後半部、なつきと、偶然遭遇した舞衣、および舞衣を追いかけてきた命の３人で研究所に忍び込む。その研究所はなつきママの玖我紗江子が務めていたところ。そして紗江子はなつきを逃そうとして死んでしまったと。なつきの目的は、その一番地を潰すことだというわけですね。
　しかし、１０分しか時間がないのに、思い出のぬいぐるみを見つけて感慨にふけるのはどうかと思うが。
第１０話　「ケーキ大戦!!!!」　(12/2)
　杉浦碧が取り仕切って、すっかりイベントと化した補習授業の光景。碧、お前司会者の素質あるぞ。
　補習参加者は
　実習およびペーパーで赤点を取ったもの：珠洲城遥、宗像詩帆、美袋命
　止むを得ない事情で欠席したもの：鴇羽舞衣、藤乃静留、深優・グリーア、菊川雪之
　実習をさぼりさらに補習までふけようとして捕獲されたもの：玖我なつき、結城奈緒
　まあ課題のケーキ作りの出来はお約束ということで。
　この手の学園ドラマの場合、快活なヒロインはえてして料理がど下手というお約束がありがちですし。とくに男性キャラに線の細い少年がいたりするとそいつが料理上手というのもお約束でした。
　さて、それとは別にケーキ作りに勤しむ鴇羽巧海くんとその手伝いをする尾久崎晶くん。
　朝、晶くんが起きて服を脱ごうとするとき、胸にふくらみがあったところから彼が女の子だということは分かりましたが……というか今回まで彼が女の子だということに気付かなかった＿|￣|○　女の子が男子生徒として正体を隠す理由はこの作品上では一つ、HiME だからしかあり得ない。と思ったら、本当に HiME でした。しかも勘違いくノ一忍者。武器（エレメント）はクナイの一種で、チャイルドはガマガエルを模したデザインで源内という名前でした。
　さて、今回判明したことはもう一つ、オーファンの出所について。
　オーファンは一番地に属する炎凪が放つものと、学園内にある教会の地下組織、ジョセフ・グリーアがアリッサ・シアーズの能力を使って放つものの二種類があるわけなんですね。ジョセフの組織は、HiME のことをワルキューレと呼んでることから完全に理事長側の一番地とは別組織であり、なおかつ学園にいる HiME の全貌を把握していないことから学園側と対立しているか、あるいは潜伏していることが分かります。で、美優はジョセフの手下であるということですね。
第１１話　「光と闇の輪舞」　(12/9)
　今回の吸血鬼騒動は、一番地と対立する「教会」の勢力が HiME を調べるために仕組んだことでしょうか。被害者の女性を裸にするのは刻印を調べるためだし、血を抜くのは遺伝子を調べるためだというが。唯一はっきりしているのは、今回の被害者、野々宮清音と瀬能あおいが HiME ではないということでしょう。
　吸血鬼騒動を調査するため、教会を接収する生徒会執行部。「教会」側は上の聖堂を使わせても、下のヒミツの空洞でアリッサがオーファンを召還する。
　さて、どうやら８人目の HiME はシスターの真田紫子（ゆかりこ）のようです。月の側にある赤い星が見えていましたし。その武器は弓のようですが……。問題はシスター自身が、「教会」の勢力に属しているか否かですね。吸血鬼の被害にあったあおいを助けるために力を発現したところを見ると、自身が HiME であることどころか HiME の存在も知らなかったと思われるのですが。
第１２話　「天使のほほえみ」　(12/16)
　吸血鬼事件の黒幕はシアーズ財団で、その本当の代理人がアリッサ・シアーズ。美優・グリーアはジョセフ・グリーアに作られたアンドロイドだったということですね。
　──風花真白といいアリッサといい、この世界では年下ほどしっかりしているというか精神年齢が大人だったりするのですか。
　真田紫子はやはり８人目の HiME で、しかも吸血鬼事件で目覚めたのだから「教会」ことシアーズ財団の勢力下にはなかったということですか。
　そして９人目の HiME が菊川雪之さん。珠洲城遥の金魚の糞だと思われていたのだが実は HiME だったと。遥は知ってるのだろうか？　そしれそのエレメントが鏡（八面鏡）で、チャイルドがダイアナ。巨大な菌糸類生物みたいなチャイルドで、胞子を飛ばすことで鏡にその状況を映す。偵察後方支援型だから直接戦闘力は弱そうだけど、というか無さそうにしか見えないが、情報収集に長けたチャイルドだからある意味稀少だと思う。
　あと、今回の真白の連絡により、学園内の HiME のある程度の把握は理事長側でもしていることが分かりましたね。まあ一番地と繋がっているので、ある意味当然ですか。
第１３話　「〜たまゆらの夜〜」　(12/23)
　今回のお話はいままでのまとめ。この風華の地で繰り返された戦姫の神事があり、HiME の力はそれに基づいていること。HiME は全部で１２人おり、現在８人まで判明していること（日暮あかねを含めれば９人）。凪に言わせればアリッサ・シアーズは偽りの HiME であること、などなど。
　となると風花真白の目的は、HiME の神事を無事終わらせることになるだろうし、シアーズ財団は HiME （ワルキューレ）の力を研究して掠め取ろうとしていることになるのでしょう。
　そんなことよりも今回は鴇羽舞衣の周辺があわただしくなってきました。たまゆら祭に絡んでの神崎黎人のお誘いと、弟の巧海の自立宣言。拓海の自立宣言にショックを受けたり、黎人とのデートに当初コブ（美袋命）をつけたりしたのは、まだ色恋に真剣に悩みたくない微妙なオトメ心の表れでしょう。あるいは自分でも気付かない本心では楯祐一のことが好きで、それに正面から向き合うのが怖いのかもしれません。
　ところが、クラスメートのおせっかいで黎人とデートをする羽目になり、さらにはキス直前で祐一に妨害されてしまう。y祐一を好きな詩帆も居合わせ、一気に三角関係の泥沼に陥ってしまう。そういう恋の関係に正面から立ち向かえるほど、舞衣が長けているとは思えないので泥沼の関係に陥りそうですね。
第１４話　「ねらわれた学園」　(1/6)
　アリッサ率いるシアーズ財団黄金艦隊の強襲で、学園全体が制圧されてしまう。さらにシアーズ側は HiME の確保に乗り出した。
　でもばれている HiME の中でまともに学校に来ている生徒は舞衣だけで、命やなつきはサボりの常習犯のため難を逃れる。さらにシスター紫子は匿われて……。
　シリーズ中盤に入り、今回の話はまさに転換点でした。舞衣だけがいったん捕らわれたのは、アリッサや美優たちと話をさせることで現在の状況を確認させること。祐一や詩帆に話をする状況に追い詰めたのは舞衣に自分の立ち位置を認識させるため。望まずして得た力とはいえ、それでも力には責任が伴うということでしょうか。
　碧や奈緒が自力で脱出したのはらしかった。雪野は性格上一人で逃げる度胸は無かったが、執行部の遥の機転で逃げられました。晶は男子生徒として在籍していたため、最初からシアーズ側のチェックより外れていたようです。元 HiME のあかねは精神障害に陥ったようです。
　地下の洞窟に集まった HiME は、舞衣、命、なつき、奈緒、紫子、碧、雪野の７人。晶とあかりを除くと残りは３人ですが、彼女たちはシアーズ側に捕まったのでしょうか？
第１５話　「天翔ける ミ☆ 女子高生」　(1/13)
　サブタイトルはアレですけど、シアーズ財団編のクライマックスにふさわしく内容は全編バトルシーンでした。
　乙女たちがエレベータに駆け入り、チャイルドを駆って学園を取り戻す。おおうなんだか戦隊ものみたいです。
　雪之のチャイルド、ダイアナの特殊能力の１つが判明。なんと結界を作り出し、その外側に虚像をみせることができる。その結果、結界の内部で起こったことが外からは見えなくなるということです。まさしく後方支援型チャイルドの本領発揮ですな。
　アリッサはシアーズ財団が作り出した人造の HiME で、人工衛星エクリプスワンをアリッサがチャイルド「アルテミス」にしていたのか。アルテミスは遠距離砲台型のチャイルド……というよりむしろコロニーレーザー？
　それにしても、そのアルテミスの直撃を防ぎながら無傷で変形し暴走するカグツチはスケールが違いますね。主人である舞衣すらも無視して成層圏に到達し静止軌道上にあるアルテミスを破壊してしまう。──以前舞衣が、カグツチは完全に制御しきれていないと言ってた意味が分かりました。
　しかし祐一の方はいかがなものか。舞衣たちが戦っているのにただ見てるだけが我慢ならないのはわかるとしても、本当に何も出来ないで終わってしまったとは。さらに最悪なことに、妹のような存在の詩帆まで危険にさらしてしまうとは最悪の展開です。
　シアーズ財団が手を引いてしばらくはまた学園ドラマが再会するのだろうけど、HiME にすらなれない男子では HiME の事件には関われない。祐一が感じたこの喪失感をどう回復していくのか。
　でもシアーズ財団がわずか３回で表舞台から去っていくとは思わなかった。真の敵とは言わないまでも後半の主敵になるかとも思ってたのだが……
第１６話　「Parade♪」　(1/20)
　凪の口から明かされる HiME の本当の戦い。それはバトル・ロワイヤルだった。
　……あの小説が発売されてから、多人数でのサバイバルマッチという設定を見るとどうしてもそれを思い浮かべてしまう。「Fate/stay night」でもやってたし、まあありがちな設定だと言われればそれまでなんですけどね。
　HiME のみが見える紅い星が蝕に入ったとき、HiME 同士のチャイルドを賭けた戦いが始まるということ。１２人の HiME どうし争わせる一番地の理由は一体何なのでしょうか。
　とまあ最初に結からはいったけど、今回の話は舞衣の無事の帰還と HiME 戦隊結成式のお話。前回成層圏で死んだかと匂わせておいて随分あっさり返してくれましたけど、地上に降りれたのならなぜすぐに帰って来れなかったのか説明が欲しかったなあ。
　HiME 戦隊の結成は碧ちゃんの発案。なつきや奈緒までむりやり拉致して結成式をあげるところなど碧ちゃんらしいところです。カラオケでなかなか自分の番が当たらずいじける舞衣が可愛かった。お前カラオケ魔だったのか。
　あと、詩帆の病室でのやりとりですが、祐一が詩帆に掛かりっきりになったのは多分、自信喪失からでしょう。なんだかんだ言っても祐一が舞衣に対して好意を持っているのは明らかです。しかし前回の事件で祐一は、舞衣の力になりたいと願いながらも結局何の力にもなれず、それどころか自分が抜け出したおかげで詩帆が傷ついてしまった。つまり祐一は、自分では舞衣の力になることすらできないという現実から逃避していると解釈できる。
　もちろん詩帆はそんなことは重々承知している。しかしそれでも祐一を独占できるチャンスには違いないし、このまま祐一を自分のものに出来るかもしれないと思えば舞衣を遠ざけるのも当然でしょう。中学生にして既に恋の駆け引きを身に着けている。ここら辺が命（みこと）と違うところですな。
第１７話　「うそつきな、唇」　(1/27)
　HiME の使命がバトルロワイヤルで、１２人いる HiME が１人に淘汰されないと厄災の HiME 星が襲い掛かってくるという設定ですか。
　チャイルドが倒されると、大切な人が消える。ここで HiME たちの賭けている人は。
　鴇羽舞衣：鴇羽巧海、楯祐一、神崎黎人のいずれか
　美袋命　：行方不明の兄（神崎黎人？）
　玖我なつき：藤乃静留？
　杉浦碧：佐々木？
　結城奈緒：？
　尾久崎晶：鴇羽巧海？
　真田紫子：石上亘
　菊川雪之：珠洲城遥
　アリッサ・シアーズ：祖父。シアーズ財団の会長（脱落）
　日暮あかね：倉内和也（脱落）
　そして未だに登場していない HiME が２人。
　多分１人は姫野二三さんで、もう一人がコクヨウの若様でしょうか。
　もともとがバトルロワイヤルが目的だったんだから、奈緒のような力を自分勝手に使うギャルの存在も見逃していたのも納得ですな。そんなこと、それこそ些事に等しい。
　あと病院で祐一と別れを告げた舞衣。あれは明らかに祐一が詩帆を選んだということでしょうから、これで振られたということになるのでしょうか。
　あとシスター紫子の相手役である石上先生ですが、この人は何か裏がありそうですね。
第１８話　「──はじまり。」　(2/3)
　バトルロワイヤルの定石はまず最強の敵を他の全員で潰すこと。しかし黒烏のチャイルドを持つ白い着物の HiME は、単独で最強のチャイルドを持つ舞衣を強襲しました。これって黒烏（仮名）がカグツチと同レベルの強さを持つチャイルドということでしょうか。舞衣のことを真っ先に狙って「いなくなっちゃえ」とか言ってましたし、今のレギュラーキャラで舞衣に個人的恨みがあるのは詩帆のみ（アリッサ、美優は脱落）。こうなるとＢＢＳで出ていた、白い着物の HiME の正体が詩帆（の生霊）であるという説も真実味がでてきましたね。この作品のキャッチコピーは恋を賭けたモンスター退治でしたので、私としては詩帆には普通の女の子の視点を持っていて欲しいのですが。だって今 HiME のことを知っている女性キャラで、HiME じゃない恋愛をしているのは詩帆しかいないし。
　シスター紫子の相手役である石上亘先生ですが、彼はやはり一番地の人間でした。彼が１２分の１１の確率で消滅するにも関わらず HiME である紫子に接近したのは、勝利したときに得られる星の力が目当てだったらしい。そのために紫子を説得して嘘をつかせて、HiME 同士を戦わせて漁夫の利を得ようとしたと。
　すると HiME が賭けている大切な人は、その HiME が優勝したときには星の力を得られると言うことでしょうか。ひょっとして、それが「コクヨウの若君」のこと？
　その「コクヨウの若君」ですが、前回ミスリーディングに引っかかって黒烏の HiME と混同してしまいましたが、今回確かに真白が「彼」と言ってましたから男で正解のようです。しかもその封印は、男性キャラのうちの誰かに封印されていると言ってました。レギュラークラスの男性キャラと言えば、黎人、祐一、巧海、凪あたり……まさかＢＢＳで言っていたように、本当に楯祐一か？　奴には普通の無力で非力な男の子でいて欲しかったのに（笑）。あるいは実は巧海で、彼の心臓病は実はそのための伏線だったというのはいかがか？
　紫子の言葉を信じ、奈緒を襲撃するなつき。これは日ごろの言動の差ですね。あとはキャラ同士の相性か。
　なし崩しに戦闘になり、顔に怪我を負ったまま逃げる奈緒。あれはどうみても左目がつぶれてました。……いくら日ごろの行いが悪いからって、何てことだ。
　そして真白を問い詰める碧ちゃんを前に立ち塞がる姫野二三。１１人目の HiME はやはり彼女で、そのエレメントは大鎌でした。
第１９話　「こころの迷宮」　(2/10)
　１１人目の HiME が姫野二三というのは、ある意味納得できます。シアーズ財団の学園占拠は、学園内にいる HiME の確保が目的でした。ですから学園中の女子生徒と女性教師の身体検査を行い、また脱走した女子生徒の追跡も行っていました。そのシアーズ財団が把握できなかった HiME に晶くんがいますが、彼女は男子生徒でした。すなわち女子生徒と女性教師でなければシアーズ財団の把握を逃れられると推測できます。
　ですので、真白付きメイドである二三さんもその時点では把握されていなかったと。もっとも彼女の場合は、真白と一緒にとっとと逃げてしまったので把握もへったくれもなかったのですが。
　ですので１２人目の HiME である白無垢の女も、シアーズ財団が把握できなかった、すなわち学園内の女子生徒や女性教師ではないと推測できます。ただし、それでも詩帆が HiME である可能性は捨てきれない。というのはシアーズ財団占拠において、詩帆は祐一とともに、たまたま遅刻していて難を逃れているからです。彼女もまた、シアーズ財団が把握できなかった HiME である可能性は残されている。媛星の痣は……きっと背中とかうなじとか本人が把握できない位置にあるのかもしれない。
　さて、その二三さんと碧ちゃんの対決は省略（笑）されて二三の勝ちでした。あっさりやられてしまったのか？
　次に神埼黎人さん。命の相談に乗って優しい人を演出していますが、彼もまた HiME 星のことを認識しているらしい。ってことはやはり一番地の人間ですか？
　でも舞衣が拓海や祐一、命のことでボロボロになっても、黎人のことはちっとも思い浮かべていませんでした。しょせん舞衣にとって黎人はその程度の存在だったのか。ちょっと哀れ。
　あと、迷惑携帯メールで雪之を追い詰めて舞衣を襲わせたのは、どうやら石上先生のようです。ストーリー前半の優男ぶりが嘘みたいだ。雪之は一番弱いと書かれてますが、ダイアナは他と違って情報戦に長けたチャイルドですので、戦い方によってはもっとも厄介な敵になるのですが。もっとも、雪之にそんな戦い方はできないか。
　ただでさえ HiME のことでいっぱいなのに、拓海には姉離れを起こされ、祐一は詩帆に奪われ、命を拒絶してしまう。相当余裕がなくなったのでしょうが、「あなたがいると迷惑」とまで吐いてしまうのですから命にはショックだったのでしょう。
　そして入院した拓海の元に、奈緒の影が……
第２０話　「炎の舞／涙の運命」　(2/17)
　奈緒が拓海を狙い、晶くんがそれを庇って逃走。逃げ出せないように幻覚で舞台を整えたのは紫子と石上先生。なつきと碧と雪之が止めに入る。さらに白無垢の HiME が舞衣と交戦した後、拓海を強襲。そこに暴走した命が乱入。烏のチャイルドは撤退するもゲンナイを破壊。拓海が消滅して舞衣もカグツチを暴走。命とカグツチの戦いの巻き添えをくらいそうになったなつきを、最後の HiME が乱入して庇う。カグツチの攻撃により、命は生死不明。
　と、これが今回の大乱戦の経過でした。……あまりに展開が速くて訳分からない。
　とりあえず、今までの星取表を見てみますと。
　
HiMEエレメンタルチャイルドモチーフ大事な人備考
鴇羽舞衣チャクラムカグツチ龍楯祐一？
神崎黎人？
美袋命剣──なし？生死不明
玖我なつき銃デュラン犬藤乃静留？
杉浦碧斧槍顎天王獅子佐々木？
結城奈緒鉤爪ジュリア蜘蛛？
尾久崎晶クナイゲンナイ蛙鴇羽巧海→美袋命
真田紫子弓聖ヴラスユニコーン石上亘
菊川雪之鏡ダイアナ菌糸類珠洲城遥
日暮あかねトンファーハリー虎倉内和也→深優・グリーア
姫野二三大鎌？？風花真白
（白無垢のHiME）？？烏？
（最後のHiME）薙刀？八俣大蛇？
アリッサ・シアーズ─アルテミス人工衛星シアーズ会長→鴇羽舞衣
　
　今回登場した八俣大蛇をチャイルドに持つ HiME ですが、未だチャイルドの判明していない命か二三という可能性はありません。あのチャイルドは命からなつきを庇うために現われましたし、持っているエレメンタルの形状はどう見ても薙刀でした。というか、あのシルエットはどう見ても制服姿で、メイド服ではありませんでしたし。
　とすると１３人目の HiME ということになりますね。
　その最後の HiME の正体ですが、私はなつきを庇うために現われた点から藤乃静留と推測します。HiME 同士なら、静留がなつきの事情を察していた理由も判断できますしね。問題はシアーズ財団の占拠のときに何故 HiME だとばれなかったのかですが、見直してみたとき静留は生徒会室にて待機していて検査が後回しになっていたのですよ。私設とはいえ軍隊のくせに詰めが甘い。
　この推測に難があるとすれば、あの晩静留は、制服ではなく浴衣を着ていたということでしょうか。＜ダメじゃん。良く考えれば制服姿だったとするなら、珠洲城遥という可能性もありますな。
　さらに今回、烏のチャイルドを持つ白無垢の HiME の正体が詩帆だと判明しました。断定したわけじゃないのですが、あの演出は明らかに詩帆だと明言しているようなものでしょ。というか、詩帆ちゃん怖すぎ。顔ゆがんでるよ。
　HiME が全部で１３人になってしまいましたが、アリッサは祭りとは関係ない偽りの HiME だと仮定すれば勘定があいます。碧ちゃんの「あと２人」というセリフはミス・リーディングだったわけね。思いっきり引っかかってしまった ＿|￣|○
　さて、拓海を失った舞衣の回想シーン。舞衣は身体の弱い拓海を置いて遊びにいったおかげで拓海は川におぼれかけ、それを助けるために舞衣の母が逆に事故死したことがあるというエピソードでした。自分が目を離したおかげで拓海を死なせかけ、母親を殺した。この過去のトラウマが、弟の面倒を見なくてはいけないという脅迫概念になっていたということですね。
　あと、命はHiMEとしての実力をつけるための稽古によって、大好きな祖父を殺したという過去がありました。そのため、本当に大切な者がなかったと悟ります。なるほど、大切な者がいなかったからこそ、今まで命のチャイルドが現れなかったのか。
　あとさらりと命の兄がコクヨウの若君であるという事実まで。HiME である命はコクヨウの若君である兄しか大切な者にしてはいけないとは、どういうことなのでしょうか。
　拓海まで失った舞衣ですが、カグツチが消えなかったところを見ると大切な人は他にいるみたいです。その候補は祐一でしょう。しかしそれよりも、舞衣とカグツチが暴走したことが、真白と石上にとっては不本意な出来事であり、一番地の凪にとっては笑い叫ぶほどおかしい事だったということでしょう。このことから真白と一番地は、同じ祭りを進める立場でも目的が違うと推測できます。また舞衣のカグツチは、他のチャイルドとは違った意味合いがある可能性もありますね。
第２１話　「黒の君、目覚めるとき」　(2/24)
　黒曜の君が神崎黎人で、水晶の姫が風花真白。この二人が３００年前の魂の持ち主で、この二人の対立関係が祭の裏側にあったわけですね。もしかしたら水晶の姫とは、前回の祭で優勝した HiME だったのかもしれない。
　あと、真白が鬼女に化けた件ですが、真白はどうやら姫野二三のチャイルドに魂を封じることで今の時代に顕現していたようです。真白の目的は黒曜の君を倒して、HiME の祭りを断ち切ること。その一点で一番地の連中とは相容れなかったんですね。
　一方一番地とは、黒曜の君を頂点に戴き３００年ごとの HiME の祭りを執り行う国家機関。……てちょっとまて。３００年前って西暦１７００年ごろは江戸時代。そのさらに３００年前の１４００年は室町時代ではありませんか。本当に国家が祭りを取り仕切っていたのか！？　ま、まあ確かに江戸時代は国が安定していた時期だけど、室町時代のほうは南北朝統一がなった直後でまだまだ不安定な時期だったはず。どうなんでしょ？
　なつきの前に現れた男はジョン・スミス。この安直な名前はどう見ても偽名ですな。かつて母親が自分をシアーズ財団に売り飛ばそうとしたと聞かされ、ショックを受けました。
　前回登場した最後の HiME が、藤乃静留であることが判明しました。あのチャイルドはヤマタノオロチだと思っていたけど、良く見たら頭が６本しかなかったです。なつきを庇うために現われた彼女は、やはりなつきに特別な感情を抱いていたのか。
　そして黒曜の君は神崎黎人を器に復活しました。命が黎人を兄と言ってましたが、真白も兄と呼んでいたことを考えるとこれは一種の洗脳で、HiME の祭の目的は黒曜の君と結ばれる HiME を決めるための戦いなのかもしれない。
　あと気になるのは、碧ちゃんに託された封印の鍵ですね。「彼女」と呼ばれるからには HiME に関係ある人間なのかもしれないけど、正体不明の HiME はもう白無垢の HiME しか残っていない。先週まではそれを宗像詩帆ちゃんだと推測していたのですが、もしかしたら実は正体は封印された詩帆の祖母とかいう設定で、詩帆は彼女と意識がシンクロしているだけだったりして。
第２２話　「くずれゆく……」　(3/3)
　黒曜の君として覚醒してからも、生徒会副会長としての表向きの顔をそつなくこなす神崎黎人。二三が操られていた事や命が兄上と信じきっていること（私は黎人が命の実の兄だとは思えない）から推測すると、黒曜の君の能力は洗脳というところでしょうか。
　碧から黒曜の君の存在を聞かされる舞衣。HiME 同士の殺し合いを止めさせる方法は、黒曜の君を倒すしかないという。しかし舞衣が選んだ道は、失ったものを取り戻すために戦うというものだった。
　なつきは奈緒に襲われたとき、デュランに呼びかけたが呼び出せなかったという。HiME のチャイルドは、大切な人への想いを育てることで強くなるという設定です。あの当時、なつきはジョン・スミスから母親に裏切られていたことを聞かされて、ショックを受けていたことを考えると、なつきはたいせつな物への想いを失いかけていたと考えることができる。だからデュランは呼び出されなかったのでしょう。
　シアーズ財団のジョン・スミスは、黒曜の君（ブラックプリンス）に取引をもちかける。シアーズ財団が作り出した祭りを危うくするものというのは、もしかして前回なつきへの取り引きに持ち出した「深優・グリーア」のことでしょうか？　確かにただのロボットでありながら HiME のチャイルドを倒すことができるあれが復活したら、祭りが崩壊しかねないが。
　生徒会長の職務を放棄してなつきの面倒を見る静留に、遥が詰問してくる。雪之によると、遥は静留に振り向いてもらいたくて、ライバルと認めてもらいたくて頑張ってきたとのこと。なるほど、遥の静留への対抗心はそこから来ていたわけですね。
　その静留が、雪之になつきへの想いを指摘された途端に豹変。エレメントの薙刀を取り出す。これはもう、同じ HiME である雪之への宣戦布告でしょう。ただの一般ピープルである遥も静留相手にタメはってたけど、さすがに理解不能なものを持ち出されてはね。
　そして地下の封印を解きに来た碧の前に、操られた命が襲い掛かる……
第２３話　「愛情と友情、非情」　(3/10)
　真白が碧ちゃんに託したものは、深優・グリーアでした。本来なら記憶を消去して新たなマスターを登録することもできたのですが、あの状況下では仕方がないかもしれんが、アリッサの記憶を持ったまま復活した深優がどんな行動をするのか予測もつかない。
　あと、深優の名前に対する強引な当て字がすばらしい。
　Multiple Intelligent Yggdrasil Unit
ですか。意訳すると「多機能型知的ユグドラシル個体」。ユグドラシルというのは、シアーズ財団が HiME をワルキューレに例えていたことからも分かるとおり北欧神話からの引用でしょう。
　さて、ジェットコースター型展開はますます続き、今回も２名のリタイアが出ました。現時点での星取表は。
　
HiMEエレメンタルチャイルドモチーフ大事な人備考
鴇羽舞衣チャクラムカグツチ龍楯祐一？
神崎黎人？
美袋命剣？ヤマアラシ？黒曜の君
玖我なつき銃デュラン犬母親？現在戦闘不能
杉浦碧斧槍顎天王獅子佐々木教授→美袋命
結城奈緒鉤爪ジュリア蜘蛛？
尾久崎晶クナイゲンナイ蛙鴇羽巧海→美袋命
真田紫子弓聖ヴラスユニコーン石上亘
菊川雪之鏡ダイアナ菌糸類珠洲城遥→藤乃静留
日暮あかねトンファーハリー虎倉内和也→深優・グリーア
姫野二三大鎌風花真白鬼姫風花真白→美袋命
（白無垢のHiME）？？烏？
藤乃静留薙刀清姫六頭蛇玖我なつき
アリッサ・シアーズ─アルテミス人工衛星シアーズ会長→鴇羽舞衣
　
　見て分かるとおり、既に６人の HiME が倒され、柱が６本立ちました。──ってちょっと待て！？
　現在 HiME は１３人登場しているが、柱は全部で１１本立つとされている。一人多いのはアリッサが偽りの HiME として参戦してきたから。つまり正当な HiME は５人しか倒されていないのに、柱が現時点で６本立っているのはおかしいということになる。確かにアリッサの大切な人も消失したが、媛星のシステムはアリッサも HiME としてカウントしているのか？　このまま祭りを続けていったら、HiME が２人残った時点で柱が全部立ってしまうことになってしまうぞ。
　案外そこがシリーズの最終的なオチだったりして。
　さらに、最後に残った HiME は、黒曜の君の妻になる運命と引き換えに媛星の力を自在に得ることができるという。すると水晶の姫である風花真白は、前回の祭の優勝者で黒曜の君の妻だったのかもしれない。……という邪推はさておき、HiMEは大切な人の命を賭けて戦うという設定なのに、優勝者にはどこの馬の骨とも知らない黒曜の君と結婚しろということか！？　なんか矛盾しているぞ。
　なるほど、だから美袋のお爺さまは命に黒曜の君だけを愛せよと教育したのか。
　さらにその黒曜の君であるところの神崎黎人の本名が美袋黎人であることも発覚。本当に命の兄だったのかぁ！？　いや、以前命の兄が回想シーンで出てきたときは、ＣＶが違ったのでてっきり別人だとばかり。正体ばれを防ぐためわざと別のＣＶを当てたのでしょうか？
　さて、今回前半の見所は珠洲城遥消滅のシーン。主要登場人物の中では HiME ではなく、確かに一般人の彼女でしたが、その誇りは決して HiME である藤乃静留にも負けていませんでした。というか、HiME の力を得て禁断の恋に堕落した静留よりも、HiME の祭りに理不尽に巻き込まれながらも最後まで誇りを貫き通した遥の方がよっぽど魅力的に描けていました。思えば何も知らない一般人の立場の彼女は道化的な役割を背負うことも多かったのですが、それすら最後には魅力的になって輝いていたように思います。
　後半もまた混乱の展開。シスター紫子の嘘を知った舞衣が紫子に詰問するが、紫子は本当の望みは何かを問い詰める。
　そして祐一はなつきから、HiME の戦いの真相を聞かされ、自分を突き放した舞衣の態度を理解する。舞衣を追いかける祐一だが、それは詩帆との３時の約束を破ることでもあった。この朴念仁は女との約束がどれほど重いか理解していないのでしょうなあ。
第２４話　「コイ・ハ・タタカイ」　(3/19)
　前半Ａパートは、紫子のチャイルド、聖ヴラスの見せた幻の世界でのお話でした。
　拓海と命が妹で、祐一と詩帆が実の兄妹。そして自分と祐一が公認のカップル。なぜか黎人は出てきませんでしたが、それが舞衣の理想とする世界だとすると、これもまた随分と残酷な世界だと思います。
　要は、全てが舞衣の都合が良いように収まっている世界なんだから。
　この幻の世界でもたせて、最後のシーンで幻覚を破った舞衣の前でシスター紫子が石上先生と心中するという展開だけで１話としては十分に話が成り立ちますね。それなのにそれを半分以下に端折ってしまうのだから、相変わらず展開が速い。
　もうひとつの戦いは、なつきを人質にとった奈緒と静留の戦いでした。人質にとられたなつきですが、奈緒の身の上話を聞くにつれて、自分と境遇を重ねてしまう。つまりなつきと奈緒の仲が悪かったのは、近親憎悪だったということですか。
　そしてなつきの復活。自分が奈緒のようにならなかったのは静留を始めとする仲間たちがいたからと悟る。ここでなつきは自分の一番大切なものに気付きましたが、それってやはり静留のことでしょうか？
　その静留さんは、事のついでに一番地の本部を倒してしまいました。禁断の恋に燃え上がり、狂気に捕らわれてとはいえやはり格が違いますな。
　後半Ｂパートは、対決、白無垢の HiME ＶＳ 舞衣。
　白無垢の HiME の正体は、やはり宗像詩帆でした。「見たくないものは見えない」だから媛星も見えなかったという凪の説明は確かにご都合主義なのですが、それなりに理屈が通っていて納得できるものでした。なぜなら、詩帆は１３話の時点までは HiME の存在も知らず、舞衣の説明を聞いただけでしたので。自分は舞衣とは違う普通の女の子なんだと思いこんでいたから、HiME 星が見えなくなっていたのでしょう。
　しかし、本人でさえ気付かなかった白無垢の HiME の正体を、凪は知っていました。……たぶん学園側と通じて身体測定とかで、こっそり本人の観察をおこなっていたのでしょうか。一番地の連中はムッツリスケベだったと。
　ここで舞衣と詩帆は、ともに祐一を一番大切な人として賭けていました。これはこの祭りの主催者である黒曜の君の保証つきですので間違いはない。どちらが負けても祐一を失う戦いに、しかし黒曜の君は命を派遣していた。
　前回私は、大切な者を賭けさせるのに勝者には黒曜の君の妻にされるのは矛盾だと書きましたが、それの解消法がこれでしたか。２人の HiME が同じ人間を賭けてしまえば、どちらが負けても大切な人は消滅する。その上で生き残りの勝者が優勝すれば、最後に残った HiME は大切な者がいなくなって黒曜の君の妻になれると。
　さらに（実は拓海消滅では無実だった）命に祐一消滅の手を下させることで舞衣と命の共闘の芽も摘んだということですか。
　さて現在までの星取表は。
　
HiMEエレメンタルチャイルドモチーフ大事な人備考
鴇羽舞衣チャクラムカグツチ龍楯祐一←消滅
美袋命剣ミロクヤマアラシ？黒曜の君？
玖我なつき銃デュラン犬母親？
藤乃静留？
杉浦碧斧槍顎天王獅子佐々木教授→美袋命
結城奈緒鉤爪ジュリア蜘蛛母親→藤乃静留
尾久崎晶クナイゲンナイ蛙鴇羽巧海→宗像詩帆
真田紫子弓聖ヴラスユニコーン石上亘→心中
菊川雪之鏡ダイアナ冬虫夏草珠洲城遥→藤乃静留
日暮あかねトンファーハリー虎倉内和也→深優・グリーア
姫野二三大鎌風花真白鬼姫風花真白→美袋命
宗像詩帆横笛─八咫烏楯祐一→美袋命
藤乃静留薙刀清姫六頭蛇玖我なつき
アリッサ・シアーズ─アルテミス人工衛星シアーズ会長→鴇羽舞衣
　
　残ったチャイルドは、なつきのデュランを除けばいずれも大物ですね。おまけに今回は姿を見せませんでしたが、祭り自体を崩壊しかねないワイルドカード的な存在の深優・グリーアも残っています。どんな決着を見せてくれるのやら。
第２５話　「運命の刻へ」　(3/24)
　命対深優、なつき対静留、そして黒曜の君と対峙する舞衣。
　最後の一日を終え、それぞれの相手のもとへ向かう舞衣となつき。なつきは静留を止めるために、舞衣は黒曜の君と対決するために。
　なつきと静留の対決では、なつきのデュランが今までとは比べ物にならないぐらい大きくなって登場しました。清姫とほぼ互角の大きさ。なつきも言っていたように、これは HiME の育んだ思いの大きさがそのまま反映するらしいです。
　──特訓とか代償とかを支払わずに、目に見えない思いの大きさ（真実の愛とか）だけでいくらでも強くなれるのはちょっと少女漫画っぽい設定だ。HiME は乙女限定なんだし、ヒロインだから強さの源が精神論に偏るのも仕方の無いことか。
　そしてデュランが清姫を倒したと同時に、なつきと静留が消滅。なつきが消滅するのは静留の想い人だから当然として、静留まで同時に消滅したというのはちょっと意外でした。なつきの一番大切な人がいつの間にか静留に変わっていたということでしょうか。母親を失って荒れていたなつきに踏み込んできたのが静留であり、なつきが立ち直ったのは静留のおかげでした。だから静留のようには愛せなくても、今のなつきにとって一番大切な人が静留ということだったのでしょう。
　次に凪くんですが、この子もやはり見た目と年齢が一致しないキャラでした。というより、代々続いた祭りを見続けていた人物らしいから、ということは不老不死？　オーファンを召喚することといい、実は最後のボスキャラだったりして。
　神殿の柱が１１本たち、黒曜宮への扉が開く。「一本多いね」という言葉に舞衣も凪も命が倒されたものと解釈しましたが、こいつらアリッサの分を勘定に入れてなかったみたいですね。まあ確かにイレギュラーであり偽りの HiME でもあるからとしても、結果として黒曜宮への道が開いた時点で HiME が２人残ったという異常事態が起きたということですね。
　そして黒曜の君が悪役らしく事件の全貌を語る。祭りが終わり最後に残った HiME は水晶宮に封じ込められ、風華の核となって媛星の力を導くゲートとなるのが本来の祭りだと。……これってやっぱり蠱毒の呪術そのものですか！？
　それと前回の祭りの勝者はやはり真白で、彼女が水晶の姫と呼ばれているのはその本体が水晶に封じられていたからなのですね。さらに彼女が前回のカグツチをチャイルドに持つ HiME ということは、チャイルドは代々の祭りで引き継がれてきたものと解釈できます。
　しかし今回は黒曜の君が HiME と共に、腐った世界を破壊して新しい世界を作り直す──ってお前はどこぞの三流悪役かー！？　ラスボスとしてはちょっと陳腐すぎるぞ。
　おまけに勝者は舞衣と宣言したにも関わらず、もう一人の HiME である命が現われたところがちょっとマヌケに見えたりして。
第２６話　「Shining☆Days」　(3/31)
　「舞-HiME」最終回、いろいろありましたが大団円で終わってしまいました。
　確かに大団円でしたね。HiME とその大切な人が全員復活して媛星は破壊、祭りのシステムそのものが崩壊したのですから。というか、チャイルドを９体集めて特攻かければ HiME 星を崩壊できるのなら最初からそうすればいいじゃんと思ったのは内緒だ。
　もっとも、最初からそれが出来なかったからこそここまで遠回りしたのでしょうが。
　黒曜の君にとって、チャイルドと祭りは最初から諸刃の剣だったのでしょう。思いを育てた HiME がチャイルドで特攻すれば、媛星は破壊されることもありうる。そうだとすれば、媛星のシステムによって生み出されたチャイルドでありながら、カグツチの力が封じられていたことも理屈がつく。だから、祭りを通じてバトルロワイヤルをさせることで HiME の団結を防ぎ、なおかつ勝ち残った HiME を水晶宮として封印してわずかばかりの力を与えることで逆に媛星の方がチャイルドから力を守っていたと考えることも出来るわけです。
　水晶の姫である真白が消滅した想い人が復活した件ですが、それは深優が１１本の柱を破壊したからということでしょう。深優の右腕の武器は「アンチ・マテリアライザー」、つまりチャイルドなどの高次物質化能力への対抗装置だという設定がありました。だからあかねのハリーがあっさり敗れた。それと同じ理屈で、同じ高次物質化現象である柱をも破壊できたのでしょう。なるほど、真白が切り札として隠匿し、黒曜の君が破壊したがっていた理由はそれだったんですね。
　そして消滅した想い人たちが復活できたのも、破壊されたことで柱に封印された彼らが復活できたと考えることが出来ます。
　舞衣のカグツチと命の巳六は、チャイルドの中でも別格だったと想像できます。カグツチはわざわざ黒曜の君が剣で封印していたことから、黒曜の君を倒すことが出来るほどの強大な力を秘めていた。そして巳六は、命が倒れてからも黒曜の君を守ろうとしたことから、最初から黒曜の君の支配下にあるチャイルドだった。だから黒曜の君が目覚めるまで、命にはチャイルドが顕現しなかったのでしょう。
　でも「巳六」という名前は、命の鬼型チャイルドよりも静留の六頭蛇型チャイルドの方がふさわしいと思うのだが。
　あと凪くんが最後に言っていた「こうならないようにいろいろ仕組んでたのに」は、HiME たちが団結してチャイルドを使って媛星を倒そうとしたということでしょう。凪と真白が扉の向こうに向かったのは、もともと彼らがこの時代においてはこの世のものではなかった──黄泉比良坂へ旅立ったと考えられます。
　でも上記の理屈だと、なぜアリッサまで復活できたのかが分からなくなりますが。アリッサはジョセフ神父に射殺された上、深優と一緒に氷の湖の中に入水したはずですが。まあ、真白は奈緒の片目を治すこともできたわけですから、死んだ人間を生き返らせることも可能だったということにしておきましょう。これも媛星の力を操れる水晶の姫の特権ということで。
　あと復活した１０人の姫のうち、真白をチャイルドにしている二三が特攻に参加しなかったのは分かりますが、狂気に犯されていた詩帆が素顔で参加していたのには驚いた。あれだけの凶相を以ってチャイルドを操っていた詩帆の姿と全然結びつかなかったです。そんなこと言えば今まで精神病院に閉じ込められていたあかねや、ひねくれていた奈緒たちが参加していたのも不自然といえば不自然ですが。まあ少なくとも詩帆の狂気は HiME 絡みチャイルド絡みの面が多分にあったので、真白が水晶の姫の力で正気に戻してくれたということで。
　後日談がきっちり描かれていたのも面白かったです。
　あかねちゃんは和也くんとラブラブになり、雪之は遥から執行部を引き継ぎました。深優と奈緒がシスターになったのもおどろきですが。……って、奈緒はまだ中学生のはず。シスターはともかく生徒の相談役になれるのか。なれねーだろうなあああいう性格じゃあ。
　HiME 絡みの事件で出席日数が足りなくなったなつきがパパイヤ先生に補習あるいは留年を言い渡されるところは今までの人間関係が逆転しておもしろかったですね。確かに特別扱いはいかんよ。
　そして祐一、黎人、命、詩帆の五角関係の中心に位置する舞衣は、恋にも学園生活にも前向きに行くことを誓う。手始めにまずはカラオケ同好会を結成というのは、そういえばそういう設定あったなあ。学生らしい生活を送れなかった舞衣の唯一の娯楽という設定で。
　というわけで、半年間ありがとうございました。