葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round36!!

921 名前：名無子投稿日：01/11/15 22:25 ID:vXJjHG0z

＜主宰さまの野望・春こみ編＞　そにょ１

　ここは東京都のとある一軒家。
　一見なんの変哲もない民家であるが、その地下にはこみパ征服を企む暗黒サークル『腹白い姉妹』の本拠地があったりする。
「主宰さまにおかれましては、今日もお健やかに暮らして戴け、吾ら愚民どもと致しましても大変ご慶福の限りであります」
　壇上にある小さな人影を前に片手をあげて挨拶しているのは九品仏大志。この暗黒サークルの構成員にして怪人Ａ（自称・幹部）である。
　ゴレンジャーで言えば日輪仮面の役回りか。
　その前の壇上に小さいながらも威風堂々と立っている……
「ぐふ……、ぐふぐふ」
「ああ、主宰さま！！」
「大したことありません。いつもの心臓の発作です」
　心臓が発作起こしたら大したことだと思うが、その言葉で無数のおたくたちは平静を取り戻した。
「それより計画はどうなっています」
「は、春こみ参加者の３分の１は我らが『腹白い姉妹』の傘下に落ちました。みなぷに萌え本を出すと言っております。計画は３％の遅れもありません」
　胸を張って答える大志。
「あのね〜、コスプレの方も大丈夫だよ。女子のうち半分はメイドさんものをやってくれるって」
　お気楽に報告したのは由香・美穂・まゆの三人娘。彼女たちも幹部だ。
「わ、わ、我々も人数集めたのでござる」
「こ、こ、これだけいれば、企業ブースの限定グッズは買い占めできるんだな」
　顔の見分けもつかない無数のおたくの中から、おたくたてとおたくよこが報告した。悪の秘密結社にはつきものの戦闘員というところか。
「いかがです、主宰さま。これで春こみは、我々のものになったも同然。これも全て、主宰さまのおかげです」
　大志はいかにも自分の手柄そうに高笑いした。

922 名前：名無子投稿日：01/11/15 22:26 ID:vXJjHG0z

＜主宰さまの野望・春こみ編＞　そにょ２

「足りません……」
「はっ？」
　お誉めの言葉を戴けるという大志の期待に反し、帰って来たのは不満の言葉だった。
「千堂和樹はどうしたのです」
「そ、それが千堂和樹のやつめ、こみパに熱中しすぎて大学を落第してしまったため今年は出られないとか。あの軟弱者めが」
「言い訳は聞きません。私たちの宿願こみパ制覇には、彼の存在が欠かせないのです。九品仏大志さん、貴方が出て行きなさい！」
「ははあっ！」

「というわけだ千堂和樹！　我が魂の兄弟よ！　我らが宿願こみパ制覇のため、その力、思う存分揮ってもらうぞ」
「なにがと心の兄弟だ、大志！　俺が今、進級が危ないの知ってるだろう」
「えーい、女々しいぞ。我らの力をもってすれば、今年は壁サークル間違い無し！　男たるもの、春こみのためなら、１年や２年の留年ぐらい甘んじてうけんか！」
「えーい、五月蝿い！」
　バキッ！
　和樹の怒りの一撃が炸裂した。
　こうして、第一の怪人、九品仏大志は倒された。
　しかし暗黒サークル『腹白い姉妹』の野望が潰えたわけではない。
　がんばれ、千堂和樹。負けるな、千堂和樹。
　こみパの平和を守るのだ。


「……というわけで、次はあなたに行ってもらおうかしら。澤田真紀子さん」
「ちょっと立川さん、何で私がそんなことしなくてはならないの」
「今度、あなたの会社の株式の５１％は私の名義になったんだけど」
「是非とも行かせてもらいますわ、主宰さま」

　次回、＜主宰さまの野望・プロデビュー編＞に……続かない。