葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round72!!

695 名前：名無子投稿日：01/12/20 00:16 ID:1DGqZsO4

＜晴れの日は電波の粒が見えるのです＞

「セリオ、なに校舎の屋上でぼーっと突っ立ってんのよ」
「──今日は晴れですから」
「うんうん。いい天気よね。セリオも屋上にいると気持ちがいいんだ」
「──はい。晴れの日はよく受信できるのです」
「……えーっと。何を受信するって」
「──世界には電波が満ちています」
「あ、サテライトサービスのことね。そうならそうと早く言ってよ」
「──晴れの日は屋上にいたほうが電波の粒をよく受信できるのです」
「そりゃ、校舎内じゃあさすがに無理よね」
「──雨の日では電波の粒が下水道に流れて受信しにくくなるのです」
「ふーん。で、さっきから何を受信してたの？」
「──はい、世界中の人間が発する電波を受信していました」
「そうなんだ。興味深いものはあった！？」
「──そうですね。まず、世界中を新型爆弾でひとり残らず破壊してしまう男の方のイメージが受信できました」
「なに、それ。趣味悪いわね」
「──それと、部屋の片隅で膝を抱えて朝になるのを待つ男の人のイメージが興味深かったです」
「サテライトサービスって、そんな悪趣味なコンテンツしかないの。もっと楽しいコンテンツを提供するように長瀬に言っておかなくちゃ」
「──アイドルの彼女を持っていながら次々と浮気する男の方のイメージは大変参考になりました」
「セリオって、トレンディドラマも見てるんだ。いつ、どこでもテレビが見れるってちょっとうらやましいかも」
「──ところで綾香さま。《葉鍵板最萌トーナメント》というのは一体なんなのでしょうか。さきほどからそこに集まっている人たちの電波を大量かつ強烈に受信しているのですが」
「それって人気投票トーナメントじゃない。確か今回はセリオの番だったよね。だったら今すぐみんなに投票するように言って回らなくちゃ！」
「──待ってください、綾香さま。それなら私がやります」
「え、セリオがやるの。もうすぐメンテの時間だったわよね」
「──大丈夫です。電波を発信するだけですから」
「え？」
　──トウヒョウデス。トウヒョウスルノデス。イマスグ<<セリオ>>ニイッピョウトカイテトウヒョウスルノデス────
　チリチリチリチリ……