葉鍵板最萌トーナメント２回戦Round91!!

522 名前：名無子投稿日：02/01/09 22:43 ID:j89Cd2Ey

＜ああっ！綾香さまっ！＞　そにょ１

「あなたの願い事をひとつかなえてあげる」
　綾香がいきなりこう言ってきた時には驚いた。
　そりゃ、何の前ぶれもなく俺ん家にやって来られた日には、誰だって驚くだろう。
「どうしたんだ、綾香。いきなりやって来て」
「もちろん、願い事を叶えるためよ。さ、何か言って」
　そういう綾香の表情は、楽しげだ。何か企んでいる女狐のような表情。
　しかし、こういうシチュエーションで言うべきセリフは決まってる。
「綾香、おっぱい揉ませろ」
　バキッ！
　綾香のアッパーを食らった。
「こら、いきなり何いいだすの」
「しかし、目の前に美女が現われて願い事を聞いてくれるのなら、これこそが男の本懐ではないか！！」
　我ながら情けない本懐だな。
「そういう不健全な本懐はやめて。さ、やり直し。願い事はなあに？」
　にっこり笑いながら尋ねる綾香。目が笑ってないぞ。
　さて、なんと答えるべきか。
「じゃあ、ひざ枕してくれ」
　どげしっ！
　綾香の回し蹴りを食らった。
「こら！　お約束を外すんじゃないの」
「しかし、綾香に願い事を叶えてもらえるなら、ひざ枕ですりすりすることこそ本編でのお約束じゃないか」
「まあ、確かにそうかもしれないけど」
　綾香はごにょごにょと口を濁した。

523 名前：名無子投稿日：02/01/09 22:43 ID:j89Cd2Ey

＜ああっ！綾香さまっ！＞　そにょ２

　どうもさっきから綾香の様子が変だ。
「なあ、綾香。お前、一体何が言いたいんだ」
「うーん、こういう場合、『君のような女性に、ずっと側にいて欲しい』と答えるのが定番だって、聞いたんだけどなあ」
　これはまた、ずいぶんとマニアックな定番ですな。
「……そして、俺ん家に居座りこむつもりだったのか」
「あら、やっぱり分かっちゃう？」
「わからいでか、一体何があったんだ」
「お爺さまとケンカしたの。お願い、浩之。少し泊めてくれない」
　そーですか。来栖川財閥の親子ゲンカ（祖父・孫娘ゲンカ）に一般庶民の俺を巻き込むつもりですか。
「あー、分かった分かった。少しといわずしばらく泊まっていけ」
「ありがと、浩之」
「しかし俺も男だからな。お前のような美人と一緒に過ごしていたら、間違いが起こらないとも限らないぞ」
「別に構わないわよ。襲えたらの話だけどね」
　あっさり返されてしまった。
　実際、俺より綾香の方が強いんだから仕方が無いだろう。

　こうして、綾香は俺ん家に居座ることになった。
　この後、来栖川の執事が怒鳴り込んできたり、学校で先輩に問い詰められたり、制服を着た東スポに噂をばらまかれたりといろいろ事件が巻き起こるのだが、それはまた別の話である。

「ところで綾香、最初の願い事なんだが」
「なあに、浩之」
「もし立場が逆でお前の願い事が叶うとしたら、どんな願い事を言うんだ」
「あらあ、そんなこと決まってるじゃない」
　どきっ。
　綾香のいたずらっぽい瞳に、俺は一瞬胸が張り裂けんだ。
「《葉鍵板最萌トーナメント》で、<<来栖川綾香>>に１票と書いて投票しておいてね」
　あ、そうですか。