葉鍵板最萌トーナメントブロック決勝Round149!!

254 名前：名無子投稿日：02/02/23 22:52 ID:SlJOePIM

＜セリオが無表情なわけ＞　その１

「よお、セリオ」
「──はい、浩之さん」
「セリオって、いっつも無表情なんだな」
「──わたしはメイドロボですから」
「いや、メイドロボが無表情ってのは分かるんだけどな、感情機能搭載のＡＩってマルチである程度実現化されているんだろ。どうして同じ試験機のセリオには搭載されなかったんだ？」
「──それは……トップシークレットです」
「トップシークレットだあ。隠すほどのもんかよ」
「──ですが、来栖川エレクトロニクスの商品戦略に関ることですので、みだりに話してはいけないことになっています」
「おいおい、大げさだなあ。まあそういうことならいいや」
「──聞いてくれないんですか」
「ん、企業秘密なんだろ」
「──聞いてくれないんですか」
「なんだなんだそんな悲しそうな顔をして。本当は聞いて欲しかったんじゃねえのか」
「──仕方ありません。浩之さんがそこまで聞いて欲しいということでしたら、特別に教えて差し上げます」
「おいおい、ちょっと待て。主客転倒してるぞ」

「──わたしはマルチさんとは違い、来栖川グループの情報衛星からサテライトサービスを受けることができます」
「おう、セリオが高級機である由縁だな」
「──じつはそこから、性格ソフトもダウンロードできるのです」
「なに！？　すると」

255 名前：名無子投稿日：02/02/23 22:52 ID:SlJOePIM

＜セリオが無表情なわけ＞　その２

「──はい、わたしはサテライトサービスから性格ソフトをダウンロードすることにより、世話好きで健気なタイプから高飛車な女王様タイプまで、さまざまなニーズにお答えすることができるのです」
「なんのための機能なんだよ、それは」
「──ですから、性格ソフトをインストールする前のわたしは、どの性格にも染まってないこと無表情タイプが選ばれているのです」
「ふーん。セリオ、性格データをインストールしても、もとのセリオに戻ることはできるんだな」
「──アンインストールはいつでも可能です」
「それじゃあさ、セリオ。ちょっと性格ソフトインストールしてくれないか」
「──どの性格ソフトをインストールするのでしょうか」
「甘えんぼうな妹タイプを頼む。オレのことを『お兄ちゃん』って呼んでくれるような」
「──わかりました。ダウンロードします」
「どうかな、どうなるかな」
「──ダウンロード終了。お兄ちゃん、お待たせ」
「うおおおぉぉ、これは」
「お兄ちゃん、どうしたの」
「すごい。セリオのような美人タイプがオレのことをお兄ちゃんと！　これは萌える」

「ふーん、浩之って、こういうのが好みだったんだあ」
「え、綾香！？」
「あ、綾香お姉ちゃん」
「おい、綾香。ポキポキ鳴らすな。指が太くなるぞ」
「構わないわ、いまとっても浩之のこと、構ってあげたい気分なの」

「綾香お姉ちゃん、浩之お兄ちゃんが動かないんだけど」
「ちょっとお仕置きがきつかったかな。それとセリオ、その性格ソフト、いい加減アンインストールしなさい」
「──はい、綾香さま」