葉鍵板最萌トーナメント!!決勝 Round171!!

810 名前：名無子投稿日：02/03/09 04:22 ID:cpfLBPsh

＜料理王決定戦＞　その１

「楓、どうしたんだ？」
　──夢をみたの。とても恐くて、そして悲しい夢。
「楓がそんなこというとは穏やかじゃないよなあ。姉妹のうちでも、楓はとくにそっちの方面向けだからな」
　──それは予知夢だったかもしれない。
「予知夢！？　一体どんな夢なんだよ、それは」
　──葉鍵の料理王を決定するクッキングバトルが開かれるの。
「ほう、それってあたしの出番じゃないか」
　──ううん、梓姉さんはその予知夢には登場しなかったの。
「なに、一体どういうことだ」
　──分からない。とにかく、Ｋｅｙの代表は大きなリボンをつけたやたら明るそうなお嬢様だったの。
「ああ、Ｋａｎｏｎの倉田佐祐理さんね。確かに料理が得意だという設定があったよなあ」
　──でも、Ｌｅａｆの代表がなかなか登場しなくて。
「一体誰なんだよ。あたしじゃなくても、いろいろいるだろ。東鳩の神岸あかりちゃんに、こみパの高瀬瑞希さん、まじアンの江藤結花さんとか？」
　──みんな待ちくたびれて困っていたところに、千鶴姉さんが表われたの。わたしが代表ですよって。
「千鶴姉だあ！　おい、千鶴姉の料理の腕前はみんな知っているだろうが！　一体どう言うことなんだろ」
　──分からない。あの時の千鶴姉さんのにんまりとした笑顔が忘れられなくて。夢なのに血の匂いまでしていたような気がして。
「それってシャレになってねえぞ」
　──あずさお姉さん。わたしたち、どうしたらいい？
「どうしたら良いって言われても……」

813 名前：名無子投稿日：02/03/09 04:22 ID:cpfLBPsh

＜料理王決定戦＞　その２

「ねえねえ、梓。今度料理王を決定するクッキングバトルが開かれるんですって。わたしも挑戦しようかしら。どう思う」
「どう思うって、千鶴姉。自分の料理の腕前分かってんのか！？」
「そんなあ、挑戦するくらい、自由じゃない」
「ダメなものはダメ。だいたいそうやって今までどれだけ世間様に迷惑かけてると思ってるんだ。まあ偽善者の千鶴姉には自覚なんてないのかも……ヒッ」
「梓ちゃん……今、なんて言ったの」
「ちょっと千鶴姉、鬼の力を解放するのやめてよ。生理的な寒気がゾクゾクしてるぞ」
「止めないわよ。あたしのことを、確か偽善者とかこの口で言ってなかったかしら」
「言ってない言ってない。千鶴姉が人様の迷惑を省みない偽善者なんてこれっぽっちも言ってない」
「じゃあ、わたしが料理対決に出ても、かまわないわよね」
「で、でも千鶴姉以外にも料理上手なキャラはたくさんいるよ。千鶴姉が出場できるとは限らないじゃないか」
「大丈夫よ。いろいろとやりようはあるのよ」
「やりようって、一体何するつもりなんだよ」
「それはひ・み・つ。じゃあどんな料理を作ろうかしら」

　──どうだった。
「ダメだ、楓。暴走した千鶴姉は、あたしじゃ止められない」
　──そう、やはり悲劇は巻き起こるのね。
「なあ、楓。クッキングバトルの顛末はどうなるんだ。予知夢で見なかったか」
　──見たわ。とても悲しい結末。真の悲劇はそこから始まったの。
「まさか千鶴姉。殺人料理で審査員を全員病院送りにしたんじゃないだろうな！？」
　──ううん。もっと悲しい結末。
「もっと……って、一体どんな！？」

「ねえねえ、梓、聞いてよお。審査員が全員急病を起して、クッキングバトルがお流れになっちゃったのよ。せっかく材料を自前で用意してあげたのに」
「そ、そう。審査員は千鶴姉の料理はとても恐れ多くて頂けないって思ったんだよ」
「うーん、材料がもったいないわねえ。よし、梓！　今日の夕食はわたしが作っちゃうわ」
「それだけは止めて──！！」