葉鍵板最萌トーナメント!! 準々決勝 Round154!!

403 名前：名無子投稿日：02/02/26 22:31 ID:ke4ZYvv6

＜ああっ綾香さまっ・朝の食卓編＞　その１

　普通の高校生のオレのところに、ある日突然、綾香がやってきた。
　勉強でもスポーツでも何でも熟す綾香は、始めてのゲームでもその天才ぶりを遺憾なく発揮してくれた。
　オレは改めて、綾香の凄さを思い知った。
　詳しい詳細は、>>206>>208>>210 を参照してくれ。

　ダンスゲームで思いっきり自信喪失させられたオレは、そのまま寝ることにした。
「綾香、オレはもう寝る」
「ねえ浩之、ちょっと待ってよ」
「ん、なんだ」
「……あたしはどこで寝ればいいわけ」
　そういいながら顔を赤らめる綾香。なんとなくモジモジしているみたいだ。
「どうした。オレと一緒に寝たいのか」
「自惚れないで、そんなわけないでしょ」
　そういうと、綾香は呆れたように顔をすくめた。
「そうだな。狭いけど、客間を使ってくれないか」
　そういって、オレは６畳一間の部屋に案内した。
「本当に狭いわねえ」
「ほっとけ」
　来栖川の豪邸に住んでいる身には分からんかもしれんが、都内の一軒家で空き部屋が存在しているだけでもすごいんだぞ、本当なら。
「なあ、綾香。どうして家出なんかしたんだ」
「ん。言ったでしょ。お爺さまとケンカしたって」
「だからって、何も俺んちじゃなくても……」
「浩之の家じゃないとダメなのよ」
　そういった綾香の目は真剣だった。少なくとも冗談を言っている目ではない。
　しかし、それってどういう……
「だって、学校の友達の家だと、親がお爺さまに連絡しちゃうもの。ここだと、その心配はないでしょ」
　……そういうことですか、このお嬢様は。

411 名前：名無子投稿日：02/02/26 22:32 ID:ke4ZYvv6

＜ああっ綾香さまっ・朝の食卓編＞　その２

　ちゅちゅんちゅん……
「よぉっ！　はぁ！」
　朝だ。日が昇っている。
　本来ならまだ惰眠を貪っている時間なのだが、オレは何かの奇声で目が覚めてしまった。
「おいおい、朝っぱらからうるせーぞ」
「あらっ浩之。おはよう」
　窓から外を眺めていると、綾香がトレーニングをしているのが目に映った。
「ごめんねえ、起しちゃった？」
「いや、どうでもいいけどよお」
　せめてもう少し静かにやって欲しい。
　綾香はエクストリームの女王である。毎日のトレーニングは欠かせないのだろう。
「もうすぐ終わるわ。そしたら朝食にしましょ」
「大丈夫か？　お前料理は作ったことないんだろ」
　昨日の夕食を思い出して、オレは疑わしい目付きになった（お料理編参照）。
　お嬢様である綾香にとって、料理は今まで手にしたことのないジャンルだったのだ。
「大丈夫よ。あたしだって同じ失敗は繰り返さないわ」
　そういう綾香の態度は、自信満々だった。

414 名前：名無子投稿日：02/02/26 22:33 ID:ke4ZYvv6

＜ああっ綾香さまっ・朝の食卓編＞　その３

　なるほど大丈夫だった。
　綾香が用意してくれた朝食は、パンとジャムとコーヒーだったのだ。
「……どうでもいいけど、パンはレンジでチンするもんじゃねえぞ」
「あ、そうか。どおりでなかなか焼けないなって思ってたのよ」
「そこにオーブンがあるからそこで焼け」
　綾香の温めてくれた『柔らかくなった』パンを食べながら、オレは綾香にパンの焼き方を教えた。
　コーヒーはインスタントしかないはずだったが、こちらは美味しく入れてあった。
　しかしオレは、綾香が制服姿に着替えていることが気になった。
「ところで綾香、お前は今日は学校どうするんだ」
「もちろん行くに決まってるわよ。そのために着替えたんじゃない」
「ちょっと待て。もしかして、うちからか」
「当たり前でしょ」
　さも当然といった顔つきで、綾香が答える。
　ちょっと待て、それはまずい。それはオレと綾香が同棲（じゃなくて単なる同居）していることがバレてしまいかねないぞ。
　ピンポーン。
　その時、玄関からチャイムが鳴った。
　そして続けて聞こえてくるセリフは、オレにとっては聞き慣れたもの。しかし今この状態では、あまり聞きたくは無かったものだ。
「浩之ちゃ〜ん、朝だよ。起きてるのー」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　──続く──のか！？