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１１話　バトン喪失


　今回は、「現地調達版」魔法少女ものなら必ず一度はやるといわれる魔法喪失もののストーリーでした。
　ファンキーコニーの無茶苦茶さがいい味出していましたが、コニー対ミサの状況があっても良かったと思います。勝手に変身して、勝手に暴走し、勝手に虚しくなって勝手に捨て去るので、コニーが今ひとつストーリーに関ってこないイメージがあります。


○シリーズ中盤に入ってなくなってしまった前回までのあらすじ

　……あのシッチャカメッチャカなあらすじは好きだったのですが、まあシリーズ中盤なら無くなっても仕方ないかも。


○いきなり登場、今週のラブラブモンスターその１、ニワトリ女

　いきなりでてきたニワトリ女。メスなのに何故かトサカがあるって魎皇鬼にナイスツッコミを入れられて暴走しますね。サミーにコケティッシュボンバーとは名ばかりのホームランスィングをあてられて、お空のお星様に(^_^;)


○「やったね、今夜はオムライス」

　ニワトリ女が飛んでいったお空から、卵が降ってきます。それを割らないようにお手玉……なんかするからサミー、バトンを放り出してしまうんですね。


○「やったー、世界を征服よー！」

　魔法のバトンを手にして、世界征服とはこのはちゃん、お約束。やっぱりいとこのお兄ちゃん(^_^;)の影響でしょうか？


○「私は、正義の魔法のバトンなんです」

　しかし、私はバトンがしゃべり出すのにびっくりしたぞ(^_^;)
　一応自立意識は合ったんだ、あのバトン。なんの役に立つのかはわかんないけど。


○「うわぁー、ジャンピングチャンス！」

　どこかのクイズ番組にありましたねー、ジャンピングチャンス（アップダウンクイズだったっけ？）。失敗続きでジェニミの天秤が戻ってばかりの裸魅亜にとっては、まさしく千載一遇のジャンピングチャンス！　あとはこれを活かせるかどーかなんですが……。


○「冷蔵庫にチーズケーキが入っているから持っていってね」

　第１話以来ひさびさ登場（ただし回想シーンですが）の琴恵ママ。美紗緒ちゃんにチーズケーキ（多分自作）を渡して砂沙美ちゃんと食べてなんて、いいところあるじゃないですか。第１話とはまったく別人みたい(^_^;)
　これは美紗緒ちゃんがいろいろと克服して明るくなってきたことによる周囲の環境の変化(笑)でしょうか？　小説ほど美紗緒ちゃんの寂しさの描写が描かれていないので、ＴＶ版の琴恵ママの性格が少し分かりませんね。
　たんなる仕事に忙しいキャリアウーマンなだけなのかしら？　冷めきった両親の関係などという描写もありませんでしたし＜ＴＶ版


○「あーんなちんけな事件、いちいち魔法少女が出る幕じゃないわ」

　バスのブレーキ故障に、銀行強盗、ガソリンスタンドのガソリン炎上……狙いすましたように次々と事件が怒りますが、このはちゃんは変身しない。世界征服すら夢見るこのはにとって、こんな事件はそれこそ国家権力（警察や消防署）に任せればいいのですね(^_^;)
　しかし、私は最初、これらは裸魅亜＆ミサが仕組んだ事件だとおもったぞ。


○「空から巨大な隕石が」

　……ものすごいご都合主義。これこそこのはにふさわしいスケールの事件ですな。
　本当に裸魅亜はからんんでないのか、この事件？　ビフ・スタンダードの真・世界標準化計画とくらべても遜色無いぞ。
　コニーはバトンからビームを発射して隕石の軌道を変えますが、結局地球に墜落するのね。セカンドインパクトが起きても不思議じゃない大きさだったのに。


○「変身、ちんちきちゃんちきちんちろり───ん」

　このはの変身フレーズ。あの見苦しい通過光シーンはなくいきなり魔法少女の衣装に。ショッキングピンクじゃなくてオレンジがかかっていますが、まあサミーと区別するには都合良いでしょね。
　しかし、このフレーズはいったい誰に教わったのか？　は、まさかあの津名魅なバトンからかしらん？


○「世界を平和にするためにはまず私が幸せにならなきゃ！」

　広人にであってハイテンションなコニー様。強引な論理で広人を奪っていきますね。
　魔法の効果かコニーをこのはちゃんだと認識できない広人。「わからない、わからないが言動がすっげー誰かに似ている気がする」と本人も言ってるとおり、このは当人の言動パターンなのにねえ(^_^;)


○「あなたの心の縄を、ほ・ど・い・て・あ・げ・る」

　学校の校庭に二人だけのお城をつくりだすコニー。広人に愛の魔法(笑)をかけて、自分だけの王子様にしてしまう。もっとも、失敗して出した電撃で頭がおかしくなっただけではと最初思いましたね。


○「世界平和、完了────ぉ！」

　だからってコニーよ。広人を自分の虜にしただけで世界平和完了なんて、ちょっと論理が飛躍してないかい？　まあコニーの論理じゃそうなるのでしょうね(^_^;)
　もう世界が平和になったのだから、ミサが暴れようが街のパンピーがチーズケーキまみれになろうが、コニーにとっては世界は平和なんでしょうねぇ……(^_^;)


○ジェニミの天秤が……

　あの裸魅亜がいくら挑んでも成し遂げられなかったジェニミの天秤が、とうとう悪に傾きます。すごいぞ、コニー！！！


○公園で鳥さんとチーズケーキを食べる美紗緒ちゃん

　……ううう、悲しすぎるぞ、美紗緒ちゃん。親友の砂沙美ちゃんが自分との約束を忘れて出かけていったのは、美紗緒ちゃんにとって辛い事なんでしょうねぇ。


○今週のラブラブモンスターその２、チーズケーキ女

　でたー、ラブラブモンスター、ケーキ女様……かと思ったら、実はチーズケーキ女だった。声といい話し方と言いケーキ女そっくりですが、ケーキ女様ほどインパクトがなかったのは、デザインがベタベタでＣＤ版の時のようなドラマ(笑)がなかったからでしょうか？
　声も丹下桜さん……かと思ったけど、違いましたね、全然。


○「これじゃあプリティサミーじゃなくて、プリティサミー女じゃん」

　ライバルがいないと張り合いが無いと、バトンを渡すミサ様。とおもったら、実は粗品(笑)だった。サミーの着ぐるみを来て笑われる砂沙美ちゃん。
　関係無いけど、あのサミー着ぐるみをみて、ゲーム版サミーに登場したお子様サミー（本名：ブリディザミー）を連想しちまったい。どうせならお子様サミーくらいまんまるにしても良かったような。


○アイキャッチ

　コマーシャルに出てきたアイキャッチは、いつもの奴で残念でした。５話の時のように、ファンキーコニーをアイキャッチに出した方が面白かったと思うのは私だけでしょうか？


○「あーらら、サミーってば大変なことになっているわねえ」

　自作のマシンでお空の散歩を楽しんでいる鷲羽ちゃん。着ぐるみサミーを見て現状を認識しますが……。もう、ほとんどサミーの正体バレバレですね。口に出して言えないものという説明で、サミーのバトンのありかを探し出しちゃうし……。
　さすがは天才！　ってところかな？　探し物探査機のアンテナが鉛筆型というのも、しゃれがきいてて分かってますね。


○「ボクは絶対絶命だー」

　……ほんとうにピンチなのに、小山田が言うとどうしてそう感じないんだろうか？


○「あのときから、広人は私の王子様なの」

　ついに打ち明けられたこのはちゃんの広人への思い！　小学二年の時月輪熊(ﾂｷﾉﾜｸﾞﾏ)(ｵﾋｵﾋ)に襲われていたこのはちゃんを広人がサッカーボールで追い払ってくれたとか、
　ホントかよと思うぐらいベタベタでオーバーなエピソードですが、いやーいいねえ。このはちゃんの純情が泣かせます。


○「愛してるよ、コニー」

　このはちゃんとコニーが同一人物だと認識できない広人。まあ、広人にかけられた魔法は「コニーに惚れてしまう」ものだったのでしょうね。あくまで「コニー」であって「灰田このは」じゃないと。目の前で変身を解いたり変身したりしてみせても、このはとコニーが関連づけられない……このはちゃんにはかわいそうだけど、このシーン、笑えました。


○「こんなんじゃ、こんなんじゃ、魔法があってもしょうがないじゃない」

　……あくまでこのはちゃんは、広人オンリーなんですね。魔法で世界征服してもきっと、「広人が私をふりむかなきゃ、意味ないじゃない」といって放り出すんでしょうね。ここらへん、このはちゃんちょっと甘いなあ、じゃなくて、ちょっとはプライドがあるのでしょうね、このはちゃん。


○「まさかのときのために印を付けといたんだ」

　おひおひ。それならさっきミサにバトン渡された時にも確認しろよな、って内心思わず突っ込んじゃったぜ。しかもその印は「ほんもの」。砂沙美ちゃんが言うまでもなくベタベタな印ですね。


○「無くされた時のために、自立思考回路がついているんです」

　おい、さっきからそれが何か役にたってたのか、バトンさん！？
　結局良いことをするのなら、バトンの持ち主は誰でも良いようなセリフを吐いてたように思えるのだが、私の気のせいかしらん？　本来の持ち主である砂沙美ちゃんのところには戻ろうとしてなかったし、ピーコンくらい発信すればよさそうなものを……。
　津名魅の思考回路をモチーフにしてるのじゃないか、っておもえるくらいボケボケなバトンでしたね。


○めずらしく空中戦を仕掛けるサミー

　ようやく変身できてミサと対峙するサミー。今回はビルの屋上から跳んだと思ったらプリティ空間が発生しましたね。チーズケーキ女のチーズ攻撃を空中で避けたり寸前で跳ねとばしたり。初回のころには考えられなかった描写ですが、サミーの魔力が上がってきているという演出なのでしょうか？


○「サミーをチーズまみれにしてパプワニューギニアまで流しちゃってちょーだい」

　単にいつもの不条理なミサ様の命令だとばっかし思ってたら……


○「津名魅ちゃんは女王ね」

　「さすがはプリティサミーね」「ええ、そうね」
　「サミーはすごいわね」　　　「ええ、そうね」
　「サミーはかわいいわね」　　「ええ、そうね」
　「サミーはすてきね」　　　　「ええ、そうね」
　「津名魅ちゃんは女王ね」　　「まだやってぇ！！！！！」
　大爆笑！！！　気のない返事をする裸魅亜様に津名魅ちゃんがどさくさに紛れてちゃっかり自分が女王だといいますが、さすがに裸魅亜様は捨て置きませんでしたね。いやー、この二人の漫才は面白すぎます。


○「ママがケーキ作ってくれたの、一緒に食べよう」

　うんうん、最後ににっこり笑って仲直り、いいですねー二人とも。
　しかし、公園の道路にござひいて「食べよう」なんて、さすがこの二人も「サミー」世界の住人ですね。感性がやっぱりずれています。
　ここで「家で一緒に食べよう」とか言えば普通の少女達なんだが。
　しかし出されたのはチーズケーキ！　砂沙美ちゃんと魎皇鬼がげんなりするのも無理ないかも。
　しかしあのチーズケーキは、チーズケーキ女としてお空の彼方に飛ばされたのでは？　なんで戻ってきているのかしら、ホワィ？


○「広人ぉー。広人、待ってよ」「しつこいんだよ、灰田は」

　同じ公園の広場で、追いかけっこをしているこのはちゃんと広人。小学生同士のカップルに見えなくもありませんね、このシーンだけなら。
　しかし美紗緒ちゃん、このシーンを見ても嫉妬したとか寂しそうにしてたとかそんな描写がありませんでしたね。なぜ！？　美紗緒ちゃんはもしかしたら広人に気があるのでは！？　と邪推してたのですが、全然違ってた？
　１話でうつむきながら広人に挨拶かけてたのは、広人に気があるんじゃなくて、もしかして単に内気さんだから？
　４話で跳び箱教えてもらっていい雰囲気になってたのは深い意味は無くて、ただ単に広人のおせっかい？
　うーん、これは人物相関図（そんなものはない）を見直す必要がありますね。


○「河合さーん、ボクはやっぱり、絶体絶命だー」

　……本当にパプワニューギニアまで流されてやがんの、小山田。これが今回のオチでした。



　うーん、シナリオには若干不満が残るものの、演出などで飽きさせてくれませんでした。
　今回は一種のイベント回でしたので、感想がこんなに長くなってしまいました。（長くするつもりはなかったけど）来週にも期待します。

初出：'96/12/13 Niftyserve FANTVS MES(19) #440

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