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１２話　いつも心に青空戦隊


　今回のサミーは初恋もの。まるで少女マンガのようなストーリーで泣かせました。
　あ、サミーって確か少女アニメだったような(^_^;)
　こんないいストーリーに私の無用な駄文の感想をつけるのもなんかもったいないような気がしますが、まあ、印象に残ったシーンをいくつか思い付くままにあげて見たいと思います。


○「あっ、ごめん、大丈夫」

　木漏れ日に見とれてバッタンコ。少女マンガにはよくある出会いのシチュエーションですが、とても恥ずかしいものを感じます。足をくじいてしまったところを抱きかかえられて、家まで連れて返ってもらいます。
　出会った青年のあまりにも好青年ぶりに、さわやかな印象がバッチグーです。


○「みゃ、みゃー、みゃん」

　しかし、ぶつかった拍子にフルーツの入った買い物袋を落としたのはご愛敬。魎皇鬼が持ち上げようとして結局落とすのは、ワンポイントになってていいですね。


○「萌えました？」

　家まで送ってもらった天地に対し、ほっきゅんが「少女マンガなら、恋の炎がメラメラ燃(萌)えそうなシチュエーションですよねー」って。いくらなんでも１０歳の女の子にドキッなんってったらロリコンのレッテルを貼られても仕方ないと思いますが。
　でも他のワールドではけっこういいセン言ったりするから、あまり気にすることも無いかも。


○「ボク、この番組の助監督をしているんだ」

　自分の製作している「青空戦隊クウレンジャー」の人気を気にする天地。番組の助監督をしているなんて、童顔に見えるけどこの世界の天地の年齢はいったい何歳なんでしょうね(^_^;


○「うーん、いつ見ても戦隊もののオープニングは、血湧き肉踊るなあ」

　うお！　１回だけのアニメ内番組に、ちゃんとオープニングまで用意してあるなんてこだわってますね。
　「銀ちゃんはもう２０年以上、血沸き肉躍らせているのよねえ」ということは、もう２０年以上も戦隊ものを見続けているというつわものぶり！！　うーんさすがは銀次パパだ。
　「ライショ戦隊ゴニンジャー」（漢字不明）（注：正解は「内緒戦隊」でした）から始まる戦隊もの。ゴニンジャーのモデルはあの「秘密戦隊ゴレンジャー」ですよね？　胸のマーク以外そっくりでした。


○「もう日本の、伝統芸能の一つだな」

　本当か！？　本当に伝統芸能なのか！？　いくら２０年以上続いているからって。
　だから砂沙美ちゃんが本気で信じちゃったじゃないですか。
　こういう小粒なギャグがぴりっと効いてますね。


○「銀ちゃんはそのゴニンジャーの悪役、悪花仮面の中に入ってたのよ」

　またまた判明、銀次パパのお仕事ですね。悪花仮面ったって、着ぐるみの中でしょーが。着ぐるみ専用アクターのバイトをやってたのかな？　うーむ、ますます謎のパパだ。しかし、２０年以上前の特撮のバイトをしていたとは、今の銀次パパは若くてもとも３０代後半、下手すれば４０代かな？　とてもそうには見えないけど(^_^;)
　やられっぷりにメロメロのほのかママも、独特の感性をしているような。


○「子役の子？　ここは編集室よ」

　恵子ちゃん登場。最初はただのチョイキャラかと思わせる登場が憎いです。しかし、「あいつ、ぼーっとしているから」とさりげに伏線もはってますね。ナイスシナリオです。


○「ボクはボクのやり方でやって見たいです！」

　他の世界では見られないほど自分の意見を押し通そうとする天地。大人の世界でそれでも自分の意見を主張するなんて、他の世界では考えられないほど自己を確立しているようですね。いい男度が１２０％ほどＵＰしているみたいな天地クンでした。
　しかし……、外で待っている砂沙美ちゃんが哀れですぅ……。


○教科書の落書きに天地を書く砂沙美ちゃん

　知らないうちに天地のことを考えてしまう砂沙美ちゃん。となりで寂しそうにしている美紗緒ちゃんが悲しいですね。帰りにはゴメンて一緒に帰らないし。


○「あのね、砂沙美、いつごろ大人になれるのかな？」

　天地に「大人の話だから」と相談を持ち掛けられなかった砂沙美ちゃん。まだまだお子様だからと自分を気にしていますね。
　それに対する銀次パパとほのかママの答えもキュンときました。「大人になりたいと思った時が、大人への第一歩」「砂沙美は砂沙美らしく砂沙美のままでいい」
　素敵な両親ですね。じーんときちゃいました。自分の娘の相談に、人生の先輩としてここまで素敵に受け答えできるなんて、本当に理想の家族ですね、河合一家は。


○「砂沙美ちゃん……」

　しかし魎皇鬼は複雑な心境のようですね。やっぱり砂沙美ちゃんに惚れてるのでしょうか？　それとも飼い主(？)が心配なだけかな？


○「砂沙美ちゃんここに遊びに来てたんだ。どうして教えてくれなかったの」

　女が友情より大事なものは「仕事」と「恋」に決まってるから(^_^;)
　……こっそりあとをつけてきた美紗緒ちゃん、なにか寂しいものがありますね。やっぱりまだまだ砂沙美ちゃんに依存している美紗緒ちゃんには、砂沙美ちゃんが他の男の人に夢中になるのはつらいのだろうか？


○「真面目なのはいいけど、監督はそれだけじゃダメなんじゃないの？」

　不器用なほど真面目な天地監督に、女優はヒスをおこし、撮影は中止。見かねた砂沙美ちゃんはサミーとなって、代役を申し込みます。
　天地はサミーの熱意を買うし、スポンサーは怪我の功名と喜んでいるし。
　それにしても、ミサがらみでないサミーの変身はＴＶ版では初めてでしたね。（正確には第１回の変身に続いて２回目だけど）普段なら着るのも恥ずかしがるくせに……。


○今週のラブラブモンスター、特撮女

　そんなサミーの撮影を、ミサとラブラブモンスター特撮女が見てる！
　撮影がクライマックスになってからぶち壊し、精神的ダメージを与える……。相変わらずお手軽ながら今回は気をうかがってるだけ慎重になってますね。ハイテンポなのはこのシナリオにあわないから、ここはこれでいいと思います。


○「もちろんこの撮影現場を、ぐっしゃんぐっしゃんのぱーにするのよ」

　クライマックスシーンに乱入して、ぐっしゃんぐっしゃんのパーにしようとするミサ様と特撮女。スタッフに怪獣の着ぐるみを着せて、身も心も(笑)怪獣にしようとします。やめてというサミーに、ミサは撮影のシナリオのように「サミーが自分が犠牲になるって言うんなら」と脅してきますね。うーん、あいかわらず悪どい！


○「そんなの、やだー！！」

　しかしサミーはそれを否定する。みんなと一緒にがんばるんだからとプリティ空間を張ります。
　「ずっこすぎるわよサミー！　普通ここではみんなの犠牲になるんでしょうヒロインならぁ！！」確かにミサ様の言うとおりかもしれないが、サミーに開き直られただけで失敗する作戦をたてたミサ様も人のことはいえないと思う。


○「特撮女ぁ、ミサのために囮になってミサの犠牲になってね」

　……大笑い！　すると今回のヒロインは特撮女だったんですね(笑)。ミサ様、あなたはヒロインにはなれそうにもありませんぜ。
　「やっぱり怪人は倒される運命にある〜」見事な辞世の句だったぜ、特撮女。


○「あのセリフ、変えてもいいですか！？」

　特撮女を倒した後、セリフを変えたいと天地に申し入れるサミー。「私も頑張る、だからみんなも頑張って」　やっぱりサミーにはこちらの方が似合いますね。
　雇われ監督にすぎないのに、その場のノリでＯＫしてしまう天地も天地ですが、それでドラマが素晴らしい出来になったのだから結果オーライ！
　さすがですね。


○「天地兄ちゃん、引っ越しちゃうって、ホントですか！？」

　後日、シナリオを勝手に変えたため、天地は番組をクビになり、京都の撮影所に行くことになります。あの番組を見た京都の監督が、劇場の助監督に抜擢してくれたからと。
　引っ越し現場に訪れた砂沙美に、天地が状況を説明。そこに恵子ちゃんが一緒にでてきますね。いくら砂沙美がお子様でも、ここで二人の関係を察します。
　天地は、砂沙美ちゃんの気持ちに気付いていたのでしょうか？


○「もしサミーに会うことがあったら、言っといてくれる。楽しかったと」

　天地の別れ際の言葉。天地は砂沙美＝サミーの秘密を知らないはずですから他意はないのでしょうが。


○「どうしてだか、涙があふれて止まりませんでした」

　初恋に出会い、経験し、失恋して別れていく。こうして少女は大人になっていく。
　付いてきた美紗緒ちゃんに抱きついて泣いてしまう砂沙美ちゃんと、それを遠くから見つめている魎皇鬼。砂沙美の初恋は、こうして終わりを告げた……。


　今回はスローテンポで、まるで普通の少女アニメ(笑)のようでした。まあ、いつものハイテンポでこんなシナリオをやられても困りますが、絵もシナリオも大満足です。こういう話をあくまでサミーの枠内でやってしまうなんて、スタッフの力量を改めて思い知らされました。
　天地も他世界の天地の、本当にいい部分だけを集めて作られたような気がしますね。
　今日の砂沙美ちゃんは、本当にステキでした。

初出：'96/12/20 Niftyserve FANTVS MES(19) #504

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