天地無用！ＧＸＰ：アンラッキーな感想

　操舵手「前方、ジャンプアウトの重力波、感知」
　副官「エネルギー波形から、ＧＰの貨物船に間違いありません」
　リョーコ「よし、捕獲せよ」

　この世界の海賊は、ＧＰを襲うのを生業にしているらしい。なにもわざわざ……

　意外な正体。エルマ＝リョーコ・バルタだった。

　唐突過ぎ！

　そこに到るまでの伏線が、第４話の香水しかないってどういうことよ！？　あの時は冗談でエルマ＝リョーコじゃないかと推測していたけど、まさか本当にそうだったなんて。
　第５話は見逃しているんだから不明だけど、普通はもう少し伏線張っておくべきなんじゃないか。
　おまけにアイリ様、エルマがスパイと分かっていて泳がせておいたそうだけど、そんな人間に哲学科のセキュリティまで任せていたってどういう了見ですか！？
　リョーコも海賊のお頭とスパイの二重生活なんて、普通は無理でしょう。エルマがリョーコの手の者だと聞いても、普通はリョーコの配下の者だと考えます。
　要するにエルマ＝リョーコは設定に無理がありすぎ。一言で言うと奇を衒いすぎですね。

　初任給の買い物に怪しいお店巡りをする西南。ＮＢに頼まれた買い物をしているのでしょうが、趣味が偏ってますな。雨音さん、ＮＢにいったいどんな改造を施したんだ？
　そんな西南を追っかける雨音と霧恋、そして西南にプレゼントをねだるアイリ理事長。この人たち、行動パターンが小学生並みで分かりやすいですね。

　一方、エルマの描写はそれなりに描かれていました。今回は暗殺を命じられているということで、後ろに雨音と霧恋がいると睨めばテレポータで撒いたりするところとか、それでもそれなりに西南との買い物を楽しんでいる部分とか。

　リョーコのクルーの家族を人質にして西南暗殺を強要するタラントさま。そんな悪いことをしていて、しかしダ・ルマーの幹部にそのことが知れると焦ってしまう。
　やはり三流でしたか、この男は。
　いっぽうコマチはわざと静竜を逃がして暴れさせ、その隙にリョーコのクルーの家族を解放する。このときにクルーが持ち出したというＪオリジナルって一体なんなんでしょう。
　静竜も何も疑わない思考回路は一体どう言うことか。捕虜生活も随分快適だったみたいですし。

　……まあ、海賊船に捕えられても無事に帰ってこれる運の強さも実力のうちなのでしょう。
　

初出：02/ 6/17 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/tenchi_gpx3.htm#11

　リョーコ「私も部下たちも亡命として扱われることになりました。これも全て、西南様のおかげです」

　普通それって、司法取引と言わないか？

　しくしく。
　録画予約して成功したのはいいけど、感想書こうとして見直したら別のアニメで上書きしていた。
　というわけで、ほぼ５日前の放送時の記憶を頼りに感想を書きます。

　いきなり大破した宇宙船の救助で、救出した乗組員から箱を渡される。
　この箱ですが、前回ダ・ルマーの元から脱走したリョーコの船の船員たちが持ち出したＪオリジナルを思い出したのですがいかがでしょうか。ＪオリジナルのＪは樹雷のＪだとか（まさか新・天地に登場した樹雷鉱石とは関係あるめえ(笑)）。
　そうなると、あの救出者は脱走したリョーコの部下の家族の生き残りということになるが、いくら海賊でも戦闘員じゃなくてその家族がどさくさに紛れての脱走で貴重品を盗み出すなんてことはできないでしょう。となると、もしかして正体は海賊ギルドに潜り込ませた樹雷のスパイかもしれない。専門用語でいうところのアンダーカバーだとかね。
　そう考えればつじつまがあいますね。

　海賊コマチとホットラインで通信するアイリ理事長。アイリとコマチは敵対関係にあるはずだけど、それなりに顔が通じる部分もあるみたいですね。
　でも捕虜交換で静竜と受刑囚１００人ですか。この世界には「テロリストとは取引きするな」という言葉はないのだろうか。それ以上に静竜に捕虜１００人分の価値があるなんて信じられん。実の両親でさえ身代金を値切っているというのに……。何かの悪い冗談ではないのだろうか？

　海賊に追い詰められて宇宙を漂流する羽目になる西南たち。残っている食料は乾パン１個。
　そこで我らがＮＢ、宝箱を持ち出して海賊に献上する……その報酬が美女のボインでビーチボールとは、安い奴め。
　しかしそこに入っていたのは、ＮＢの覗き専用のちくわだった──おい！　それは食料と言わんのか！？　あれだけの食糧危機に、なんであのちくわが話題にのぼらなかったんだ──と、画面につっこんでしまいまいした。

　そしてＧＰに亡命扱いになったリョーコによる救援。西南の嘆願のおかげで亡命扱いになって助かったからと、西南に「様」付けで過激なまでに近付いてくる。
　ところで、海賊ギルドからＧＰへ所属を変えるのが「司法取引」でも「証人保護プログラム」でもなく「亡命」扱いになるということは、ＧＰと海賊ギルドは実は対等の関係であることを示しているんじゃないだろうか。樹雷も元を糾せば海賊ギルドから成り上がった国家だという設定があったし、ダ・ルマーの海賊ギルドが国家扱いということになっている可能性もありうる。
　となると、一つの星系をまるごと所有しているＧＰおよびアカデミーも、実は国家扱いということになっていたとしても不思議ではない。地球は樹雷の直轄地（であるからＧＰも迂闊には手が出せない）というセリフもＯＶＡにあったから、ＧＰは超国家的な警察機関というわけでも無さそうだし。
　つまり銀河の中で、銀河アカデミーは学術機関を担当する国家であり、ギャラクシーポリスは宅配および警察を担当する国家であると。そして海賊行為を担当する国家がダ・ルマーの海賊ギルドだと推測しますが正解は如何に。

　久々登場の人型魎皇鬼。魎呼も連れず一人で樹雷までお使いとは、初めてのお使いということですね。
　雨音でさえ知らなかった魎皇鬼の秘密。柾木家のことはトップシークレットだということになってますが、よくあの美星から話が漏れなかったものですね。
　

初出：02/ 6/24 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/tenchi_gpx3.htm#12

　アラン「ウハウハなんだから、最低一人に二人はつくよな」
　バリー「俺、小柄なセーラー服と、フロントバラス風のがいいなあ」
　アラン「俺は浴衣の人妻風とチャイナ服であるある系。コーンは？」
　コーン「『お兄ちゃん』って呼んで欲しい」

　……宇宙にもセーラー服とかチャイナ服とかがあるとは知らなかった。すごくマニアックな趣味しているよな。

　オープニングにも登場していた守蛇怪が、たった３週間で廃船。しかもリョーコ・バルタが、バルタ王家の姫君だと判明。何かすごく贅沢な設定の無駄づかいをしていませんか。
　とはいえそれはある意味梶島天地らしい。もともと梶島天地は背景に莫大な設定量があり、ドラマの奥のセリフ一つ行動一つにその意味を込めています。だからリョーコ・バルタがエルマの正体で、そしてバルタの正当王位継承者という設定がなにげにポンとでてきたりする。

　自分がバルタの姫君だと知らされても、命の恩人の西南に一生涯忠誠を誓っているため王位継承権を放棄するリョーコ・バルタ。一種の押しかけ女房ならぬ押しかけ妾でしょうか。
　女性が男性に一生涯忠誠を尽くすということは、男性からみれば（自分のものになると同時に）一生涯その女性の面倒を見る責任が生じるということ。その女性に対する全ての責任を背負うことになるということ。未だ研修中の艦長の身でしかも１５歳の西南にはまだ荷が重すぎないかという気がします。
　西南はそれに気付いているのだろうか。過保護な今の状態では気付いていないかもしれない。

　成果を上げているとはいえ、研修中のＧＰの一艦長にしか過ぎない西南に新造戦艦を与える瀬戸様もある意味豪気ですな。
　最初瀬戸様が

　瀬戸「御免なさいねえ。本来なら国を挙げての歓待をしなければならないところなのだけれども」

初出：02/ 7/ 1 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/tenchi_gpx3.htm#13

　ネージュ「あ、そうそうお兄ちゃん。あの約束は守ってちょうだいね」
　西南「えっ？」
　ネージュ「大きくなったら、お嫁さんにしてくれるんでしょ」

　アカデミーの科学力ならいますぐ大人になったりして。

　今回から第２クールに入って、ＯＰとＥＤが少し変わりました。ＯＰはネージュがシルエットから実体になった点と、鷲羽の新造戦艦および魎皇鬼が描写されていること。ネージュの登場に合わせてシルエットから実体になったということは、話が進めば魎呼・阿重霞・天地が登場する可能性もあるということでしょうか。
　ＥＤは歌詞が２番に変わって、絆創膏が福ちゃんに、そして美兎跳さまとリョーコがメインで描写されていることですね。リョーコはともかく人妻の美兎跳さままで西南にアタックするつもりでしょうか。

　瀬戸さまから与えられた鷲羽の新造戦艦の正体は魎皇鬼の同型艦だった。これは生体ユニットが魎皇鬼と同じタイプということでしょう。魎皇鬼型は皇家の樹に匹敵するパワーを持っていると霧恋は言いますが、これは魎皇鬼が魎呼とリンクしており、魎呼の宝玉からパワーを取っているからこその力だったはず。宝玉にリンクしているとは思えない福ちゃんにそれほどの力があるとは思えないが。
　しかし魎呼はレプリカの宝玉なら幾らでも作れたはずだし、そのレプリカを使えば第３世代以降の皇家の樹ぐらいの力ならでるかもしれない。１２話の魎皇鬼のお使いは、姉妹艦の福ちゃんを届ける仕事だったんですね。

　雨音たちをおばちゃん呼ばわりし、子供の特権でご飯をあーんしたり一緒の布団で寝たりするネージュ。子供にしては雨音たちがかりかりするのを知っててやっているとしか思えない悪辣さだなと思っていたら、実はメルマスの政治の中枢で数千年も巫女をやっていた少女だった。
　わざとからかっていたのでしょうが、西南のような純真な心で付き合ってくれる青少年がいたら、からかいたくなっても当然でしょうね。
　それにしても、せっかく出てきた妹属性の女の子が、実は主人公より数百倍も年上とは、梶島アニメはとことん年上属性なんですなあ（天地無用！：砂沙美＝７０８歳／デュアル！：Ｄ＝古代文明の人造人間　という例もあるし）。

　ネージュは歴代巫女の中でも飛び抜けた力を持っており、数千年もメルマスの政治の中枢に関ってきた。そんな巫女が還俗したら困るということで、アカデミーがネージュを引き取ることにした……そんな重要機密を握った人間をよそに追放して良いのか！？　アカデミーは樹雷の力が強そうだけど、樹雷に情報が漏れるということは考えないのだろうか。

　ネージュの鑑定で、西南の力がネージュのものと同質──対象の集団意識を操るもの──ではないことが判明した。確かに西南の不幸は、人間のみならず乗っていた自転車が勝手にバラける（第１話）ようにに無機物までお呼びますからね。どちらかというと美星や美兎跳に近いものでしょう。
　しかし、この第１話の例から考えたら、よく西南の乗っていた宇宙船が勝手にバラけなかったものだ。

　ところでアランが庇った奈緒子ちゃんって、日本人としか思えない名前なのですが、本当に日本人（地球人）なのでしょうか？
　

初出：02/ 7/ 6 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/tenchi_gpx3.htm#14

　アラン「はあー、俺達どうしてこんなところにいるんだろう」

　お前のせいだろ、お前の！

　今回はホームシックにかかった福ちゃんの家出の話でした。
　福ちゃんは守蛇怪（２代目）のメインユニット。魎皇鬼タイプは樹雷の艦と同じで、乗組員と心を通わせることで力を発揮するということですね。
　画面で見るかぎり、西南は福ちゃんを甘やかしすぎというように見えるが。

　サブシステムを作ること自体は悪いとは思えない。だからといって、福ちゃんの気持ちをないがしろにするのは良くないというところでしょうか。
　今回のテーマは福ちゃんと乗組員の西南たちとの心の交流ですね。セリフが「ミュウ」しかない福ちゃんの寂しい描写が良く描けていました。

　福ちゃんの回想シーンとはいえ、今回は鷲羽さまが登場しましたね。母親モードに入っているせいか、ＯＶＡで見られた傍若無人な鷲羽ちゃんではありませんでしたが。
　家出先の目的地は地球ということになりますな。次回の西南の帰省話に繋がるというわけですね。

　雨音たちが福ちゃんの救出にもちだしたチョビ丸は、恒星系破壊兵器ですか。艦隊戦に持ち出すなんてありかよと海賊たちは言いますが、こういう大仰な設定というか圧倒的優位な火力での事件の解決はＧＸＰの常道ですので、諦めてください。
　しかしチョビ丸につけられたあの落書きはなに？　へのへのもへじとか阿重かとか。きっと魎呼が書いたものに違いない。
　……第３期で、一体何が起ったんだ？
　ちょび丸の操舵手はマシス様。フルネームは九羅蜜マシスということは、彼女も美星の親戚なのだろうか。金髪日焼け肌じゃなかったんだけど。

　

初出：02/ 7/11 http://homepage1.nifty.com/junhelm/consider/tenchi_gpx3.htm#15